五つの赤い風船との

カップリングだった

変則的なファーストアルバム

高田渡/五つの赤い風船」

(69年2月会員配布)から、

わずか8か月後に発売された、
単独名義による

初のフルアルバム

(69年10月発売)。


代表作・自信作を

詰め込んだような印象だった

前アルバムとは違い、

ナレーション

(というか対話形式)による

曲紹介が挟まれており、

また、高田渡自身の

作詞による曲が

多かったりと、
この当時の高田渡の,

個人的、社会的な関心が

軽妙に織り込まれ、
ほかのアルバムと比較すると、

高田渡の本質を

深く知ることができると思われる

興味深い1枚。


晩年まで歌われた曲は少ないが、

それでも、

実体験に基づいたという

長編曲「酒屋」をはじめ、
タイトル曲

汽車が田舎を通るそのとき」

をはじめ、
日曜日」

ゼニがなけりゃ」

この世に住む家とてなく」

出稼ぎの唄」など傑作が多い。


例によって飄々としながらも、

しっかりとメッセージを

伝えている唱法は、
20歳とは思えぬほど

完成されており、

すでに名人芸の領域だと思う。

(★★★★)」(2007.8.3記)

URCレコード、

最初期のLPで、

レコード番号はURL-1009でした。

 

ちなみにそれまでの8枚ですが、

このようなラインナップでした。

 

URL-1001:高田渡/五つの赤い風船(69年2月配布/8月発売)

A面が高田渡さん、

B面が五つの赤い風船の

セレクション

となっています。

 

URL-1002:六文銭/中川五郎(69年4月配布/未発売)

A面が六文銭、

B面が中川五郎さんで、

当時は、会員への配布のみで

市販されませんでしたが、

販売権がキティレコードに

移行した89年に、

初めてCDとして

市販されました。

 

URL-1003:休みの国/岡林信康リサイタル(69年6月配布/未発売)

A面が「休みの国」の

スタジオ録音、

B面が岡林信康さんの

ライヴ音源という変則盤で、

やはり当時は

市販されませんでしたが、

同じく89年に、

キティレコードから、

CDとして市販されました。

ただその時からA面のみが

商品化されただけでしたが、

現在は、

B面の岡林さんのライヴも、

未発表の音源を追加して、

単独で市販されています。

 

URL-1004:世界のプロテストソング(69年8月配布/未発売)

キューバで開催された、

第1回世界プロテストソング大会

のライヴ音源で、

世界各地からの参加者の

演奏が収録され、

キューバで発売されていたLPです。

こちらは会員への配布のみで、

一度も市販されていません。

 

URL-1005~6:第4回フォーク・キャンプ・コンサート(69年10月配布/12月発売)

69年8月、

京都円山公園野外音楽堂での、

多くのアーティストが参加した

ライヴ音源です。

何度かCD化されていますが、

現在は岡林信康さんの音源が

割愛されています。

 

URL-1007:私を断罪せよ 岡林信康フォークアルバム第1集(69年8月発売)

岡林信康さんの

代表曲ともいえる

「山谷ブルース」

「手紙」

「友よ」などが

収録されています。

再発ごとに発売元が変わりますが、

いまでも入手可能です。

 

URL-1008:五つの赤い風船「おとぎばなし」(69年8月発売)

若者たちのみならず、

同業のアーティストたちからも

一目置かれていた彼ら、

というか西岡たかしさんの

幅広い音楽性が味わえる名盤です。

 

 *過去記事

高田渡/五つの赤い風船
 

第4回フォーク・キャンプ・コンサート

URC発禁ライブセレクション
(オムニバス):関西フォークの歴史BOX

なぎらけんいち:さすらいのばくち打ち

高田渡トリビュート