耳と聴力と可聴域 | No Youtube Music, no life

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オーディオシステムを弄った直後に感じた音の違いが、しばらく聴きこんでいるとわからなくなることがよくある。人間の耳、いや自分の耳はいい加減なものだ。そんなことを考えていたら、10年くらい前の耳鼻科を受診した出来事を思い出した。あまりキレイな話ではないのでご容赦を。

ある日突然、片耳の聞こえ方に異常を感じた。耳に水が入ったような感じで、音が籠る。数日経っても治らないので不安になって耳鼻科を受診した。

耳鼻科の先生に診てもらったら、病気でもなんでもなく、ただ耳クソが大量に溜まっていただけだった。ただしその量が半端なかった。
考えてみたら、若いころから中耳炎など耳を患ったことは皆無で40年以上耳を診察してもらったことはなかった。
ここまで溜まると、剥がすのもちと痛いが、出るわ出るわ。どうせなので両耳やってもらった。後で取り出したものを見せてもらってその大きさ、多さに驚愕した。

奇妙な体験はここから。といってもオカルトの類ではなく、耳鼻科の先生にとってはきっと常識なのだろうけど。
処置が終わったあと、感じていた聞こえ方の異常はもちろん解消したのだけど、それだけではなく、音の聞こえ方がまるで違うのだ。全ての音が大きい。まるでアンプのボリュームを9時から10時にしたような感じ。
家族がいつも通り会話しているだけだったが声が耳に刺さってしまいついうるさい、と言ってしまったほど。
音が大きく聞こえるだけではなかった。高い音がよく聞こえるのだ。しかもクリア。今から思うと、オーディオシステムを2ランクアップグレードしたくらいの差があったのでは。

そんな奇妙な聞こえ方も数日するといつの間にか感じなくなり、いつも通りに戻った。

数日で耳クソが元の通り溜まる訳もないので、脳が鼓膜から伝わる強めの信号に馴染んだようだ。ありふれた刺激は感じなくなる、という作用なのだろう。

音のファーストインプレッションは最も正確な感覚なのかもしれない。大事にしなければとあらためて思った。

指向性が強い高音は当然、障害物があると到達しにくい。脳がいくら微妙な信号を聞き分けようとしても鼓膜に届かないものは聞き取りようがない。耳クソをとると可聴域も少しは広がるかもしれない。
また10年くらい経ったら耳鼻科で20年モノの耳クソをとってもらおうと思う。