平成元年12月
当時担当部門の仲間300人に毎月発信していた
レター「みなさまへ」から
●私が、昔から考え実践しようとし続けていることがひとつ
ある。
●それは一言で現すなら『もっと自分の正直になったら』
と言うこと。課にしろ、部にしろ、会社にしろ、そして社会も、
組織は「二人以上の人が集まることで成り立つもの」で
ある。
●そして人は一人ひとり、考え方、行動の仕方などに
おいて異なるもの、異なるはずのものである。
●そんな「あたりまえ」の心で現実を眺め、みんなが本当に
職場等、組織で『個性』(=らしさ)を発揮しているのだろうか、
もしかしたらマネジメント・教育の方向が『個性の発掘・発揮』
ではなく『標準化された個性』への導きに置かれているので
はないのだろうか、との反省もしたくなる。
●そんな想いからの今月のみなさまへの問いかけ。
◆もっと自分に正直になったら いかがでしょうか。
私は想います。
組織とは『個性がいっぱいの土壌の上に咲く花」で
ないだろうかと。
土壌ではなく花瓶の中の水でもかまいません。
『個性というさまざまな養分の含まれた水』を吸い上げる、
しかも自然に吸い上げることによって
美しい花が咲くのです。
美しい花が咲くのには
たとえばチッソという、たったひとつの個性だけでは
どんなにたくさんの量を与えても
美しい花を咲かせ続けることはできません。
さまざまな養分が必要ですし
調和されていることも必要です。
美しい花を咲かせるとしたら、
何を知ることがスタートなのでしょうか。
それは『個性』を知ることから始まる、
そんな気がしてなりません。
土壌のもつ『個性』、そして花の種の持つ『個性』。
そこまで『個性』を見つめてあげなければ
仮に美しい花が咲いたとしても
それは、結果オーライなだけだと思います。
◆もっと自分に正直になったら いかがですか。
大輪の花だけが 美しい花なのではないはず、です。
ちっちゃな、しかし可憐な花を
たくさん咲かせることができる種に 大輪の花を求めても
絶対に、大輪の花は咲きっこありません。
また、きちんと手を加え 栽培していけば
とてつもなく 大きい花をつけられる
そんな種を育てていたとしても
育て方を誤ったり あるいは
全く手をかけずにいたら
大きな花ではなく
並みの大きさの花を2つ3つ
咲かせるだけになってしまう、とも想います。
◆もっと自分に正直になったらいかがですか。
種にたとえてゴメンなさいですが
自分はどんな花を咲かせたいのか
大きな声で語ってください。
自分の花を咲かせるためには
そんなに「水」はいりません
でも 充分な陽光が必要な
私はそんな種なんですよ、と。
陽の光だけが豊富であれば
私は そんなにあなたの手間をかけずに
期待どおりの花を
咲かせることができるのです。
私よりも ちょっと陽の光の少ないところの
種さんに手間をかけてあげてくださいね。
そんなことも 大きな声で
語ってみてください。
◆育成者は せっかちになりがちです。
でも 本物の花の種とはちがって
私たちには「言葉」があります。
ちゃんと育っているのだから
そんなにちょこちょこ 土を掘り返し
私を見ないでください。
そんなに毎朝、毎晩 水をかけないでください。
適度、ということがあるのですよ。
沢山あげればいい、のではありません。
わかってください。
そう、言葉にすることができるのです。
◆さあ、もっと自分の正直になったらいかがでしょうか。
誤った育成をされないためにも
自分はこういう種で
このような花をさかせたいのです。
言葉にしてみたらいかかでしょうか。
◆300人の仲間がいるのなら
私は 異なった300の花を育てたいと思います。
同じ花を300 咲かせようとは思いません。
花でなくともかまわないとも
思います。
花は咲かないけれども
緑の美しさナンバーワン
葉っぱの大きさナンバーワン
・・・・・・・
300のナンバーワンをみつけ
育てていきたいと思います。
◆もっと自分「らしさ」を 発揮されたら
いかがでしょうか。
それが組織人としての最初の役割ではないでしょうか。
そして 多くの個性(=らしさ)と業務の調和に
携わるのがマネジャーだ、とも私は思います。
◆もっとのびのびと 自由闊達な
組織を創造していきたいと 強く強く想います。
仕事上でも『喜怒哀楽』を共有できる
そんな組織を創り上げていきたいのです。
◆でも『わがまま』を認める、
そういうことではありません。
感じたら、考えたならば言葉にする
そして語り合いができる
そんなことから、即、実行していただけたら、と
思います。
◆自分が言うだけでは それは『わがまま』
自分が言う「倍」を聴く心の度量を持ったうえで
『個性」をぶっつけあいませんか。
自分に正直になって。
もっと自分に正直になられたら
いかがでしょうか。
今の担当業務、面白いですか。
今の職場、楽しいですか。
もっと おもしろく 更に楽しくしたい、と
思いませんか。
★それを実現できるのは
実は
今、その業務を担当している
今、その職場にいる
そう!!
『あなた』なのだと思います。 (置筆)
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今回もここまでブログお読みいただき
「ありがとうございます」。