帝王切開後の傷に触る時に知っておいた方がいいよね。 | 産前産後ママのトラブルを医学的にサポート理学療法士かなみ

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皆さん元気ですかー?

 


今日は、ちょっと備忘録です。



帝王切開後の傷跡のケアでこれ、知っといた方がいいなーという記事になります。



帝王切開の傷跡に対して、皮下の滑走不全を予防するために、



モビライゼーションをしたり、セルフケアをお伝えしています。



この時にいつも、確認することは、



傷が閉じている。←当たり前っすけど

発赤がない。

熱感がない。

浸出液がない。



です。こんなのがあると、モビライゼーションの刺激で炎症を起こしてしまうことがあるので、

絶対に触ってはいけません。



ということを念頭においてますが、

あるケーススタディを見つけて、発赤、熱感がなくても注意すべきケースがあったので、シェアしておきます。



sourceは、島田ら.信州医誌.66(1):51-56.2018です。



帝王切開後の瘢痕部位にできる、

腹壁子宮内膜症のお話です。



手術瘢痕部位に子宮内膜症が起きていると、

発赤や熱感がなくても、瘢痕部に腫瘤ができて、

痛みを伴うようです。



子宮内膜症が起きるのは、生殖年齢の女性の5-10%で、うち、このように腹壁子宮内膜症が起きるのは、1.34%と記載があったので、



かなり少ないようですが、知っておいた方がいいですよね。



発症は、術後からかなり時間が経過している場合もあるようです。




知らずに、“癒着”だと思い込んで腫瘤を触って刺激するのは、確実によくありませんよね。



やはり、気をつけてしっかり観察しなくてはと思いました。




傷跡のモビライゼーションがいいと言われているからといって、



routineでやるのは危険で、当たり前ですが、

傷の観察、問診が本当に重要です。




ということで、専門家の皆さま、

一緒に頭の片隅においておきましょう!


 

 

では!

 

 

 

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