我慢しろ!気にするな!は、最悪の言葉です。 | 植松努のブログ

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講演でしゃべりきれないことを書きます。

社会は厳しいです。

だから、社会の厳しさに耐える練習はした方がいいです。

 

しかし、「耐える」と「あきらめる」は、全くちがいます。

 

大人の中には、「我慢しろ!」と言う人がいます。
その場合の「我慢」は、

あきらめたり

やめたり

自分の心を無視すること

だったりします。

 

でも、それをやると、心が壊れるだけです。

 

そんなことないよ。と言う人もいるでしょう。
だって自分はまともだから。と言う人もいます。

でもね、壊れているんですよ。

一見まともに見えていても、

自分より立場が弱い人に対して、

「我慢」を強要してしまったり・・・。
そんなことは、まともな人なら、しないです。

誰かが相談をしてきたときに、
「そんなことはなあ、どこにでもあることだ。だから、我慢しろ!」

とか、

「そんなことはなあ、誰でも経験するもんだ。だから、気にするな!」

と、平気な顔で言う人がいます。
他人を尊重しない人です。思考能力のない人です。

たとえば、僕は皮下脂肪が厚いので、寒さに強いです。

しかし、最近の若い人は、体脂肪率が低いから、寒さに弱いです。
そんな若い人が、冬に、「寒い」と言うのを、
僕が、「今日なんて寒くないよ!我慢しろ!」と言ったところで、

状態は改善しません。

寒いのを我慢した子達は、風邪を引いてしまうかもしれないし、

作業をあやまって怪我をしてしまうかもしれません。
寒さ対策として、上着を増やしたり、ホッカイロを増やすだけで、

改善できたかもしれないのに。

具合が悪い人に、我慢しろ!といっても状態は改善しません。
心配する人に、心配するな!といっても状態は改善しません。
それらは、現在の状態を無視しているだけのことです。
だったらこうしてみたら?という思考がまったくありません。

本当の我慢とは、

問題を解決するための方法を考える事です。

考える事こそが、唯一の抵抗です。

 

しかし、「我慢しろ!」「気にするな!」という言葉で、
思考を奪われた人達は、思考ができないから、問題を解決できず、
あきらめて、やめて、自分の心を無視して、状態を改善しようとします。
でも、そんなことをしたら、自分の居場所を譲っているだけですから、
最後に、この世にいる場所がなくなります。


言ってやってください。
社長:「なんか最近売り上げが落ちてるんだけど、どうなってるんだ!」
あなた:「そんなの、みんなそうなんだから、我慢しろ!気にするな!」

 

我慢では、問題は解決しません。
だから、子ども達に、根拠のない我慢を要求しないでください。
子ども達に、あきらめたり、やめたり、自分の心を殺す方法を、教えないでください。
っていっても、思考能力を失った人は、思考能力を教えられないからなあ・・・。
これもまた、連鎖濃縮するのです。

それを断ち切るには、子ども達の思考能力を奪わないことのみが対策です。
お願いだから、子ども達の思考能力を奪わないでください。