多様な職場体験をしておくと、出費が減るかもよ。 | 植松努のブログ

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講演でしゃべりきれないことを書きます。

いろんな子達からの相談のお手紙やメールが来ます。

なかには、進路に関する相談も多いです。

で、ものすごく返答に困るのが、

「自分はこれから、どうすればいいと思いますか?」

です。

 

うーむ。判断するには情報が足りなすぎる・・・・。

おそるおそる、「どうしたいの?」と聞いても、

「わからない」のだそうです。

 

でも実は、そういう子達は、人生について質問してるのではなく、
「どの大学に行けばいいのか?」「どの学部に行けばいいのか?」

「どういう資格を取ればいいのか?」を、聞きたいのです。

うーむ。どっちにしてもこの質問は難しいぞ。

 

そもそも、なんで進学ありきなんだ・・・・と思います。

かといって、専門学校は、なんかこう、もっと具体的になっちゃうから、

ますます選べないそうです。

就職となると、ますます具体的になるから、選べないそうです。

だから、なんとなく、問題先送り的な感じで「進学」なんだけど、

何を学べばいいのか、わからない・・・。

 

こりゃ〜むずかしい。
進路の先生も、この質問をされたら、返答に困るでしょうねえ。

 

だから、「成績で入れるとこに行けばいいのでは?」とか、

「お前は〇〇が得意だから、そこを伸ばせる学校がいいのでは?」

という、あたりさわりない指導をするしかなくなるのはしょうがないです。
最近は、三者面談で、保護者から「この子はどうすればいいでしょう」なんて
質問されて、途方に暮れる先生もいるそうです。
これは先生の負担が重すぎる。

 

わりと進路が決まっている人達は、
「入院したことがあるから、看護師になりたい」
「火事を経験したから、消防士になりたい」
などのように、「経験」や「感謝」をベースに決めていることが多いです。
そして、そういう人達は、多少の困難や嫌なことくらいではくじけないです。
その強さは「感謝」と比例しているように感じます。

てことは。
小学校、中学校で、もっと多様な職業体験をすべきってことかなあ。
1人あたり、複数の職種を体験すべきかも。

本州では、職業体験にものすごく力を入れている地域もあります。
町の伝統行事を学校をあげて子ども達が支えていたりする地域もあります。
でも、そうじゃない地域もあります。
僕が暮らす赤平市は、中学校の職業体験は、5時間程度です。
伝えられることは、極限られています。
なんで、3日間もできる学校もあるのに、5時間なのかなあ、と思います。
しかも、1社だけ。

隣町から職場体験に来てくれた子が、職場体験先の希望をかいた紙を見せてくれました。
1:植松電機(ありがとうございます!)
2:ゼビオ
3:ローソン
・・・・・・・・。
これって、2と3って、自分が利用してる生活圏だよね・・・。
でも、世の中には、もっと沢山の職業があるんだよ・・・。

子ども時代に、知ってる職業の数が少ないほどに、進学時につらくなったり、
間違った進学したりする可能性(余計な出費)が高くなる、としたら・・・。
最近は、大学卒業後にもう一度専門学校に・・・というケースも増えています。
それ自体は、まったく問題ないのですが、出費が・・・借金が・・・。
他人の家計を心配する必要はないのですが、
あまりにも多額の借金を背負っている若い人をみると、心配になります。
 
お子さんのお持ちの方は、子どもが小さい頃から、なるべく多くの職業と
ふれあえるチャンスを作った方がいいと思うよ。
いろんな企業のイベントに参加したり、いろんな展示会見に行ってみたり。
キッザニアもいいけれど、僕はそこに製造業があまり入っていないのが残念に思ってます。

僕としては、タミヤの工場に行きたい!バンダイも!
いままで、何度も静岡に行ってるのに。
しかも、バンダイの工場の横の高校でも講演してるのに、
一度もいったことがない!
それはいいとして。
 
一番手っ取り早いのは、自分の会社で職場体験させたら?
きっと、多くを伝えられるよ。
 
以前も書きましたが、
愛する我が子に求めるべきは、「学歴」とか「成績」という「他者評価」ではありません。
愛する我が子に求めるべきは、「一緒に仕事したいなあ」と思えることです。

自分の会社で勝手に職場体験!
どうでしょう?
あ、学校休ませるのが難しいか・・・。