無言の国(キノの旅風に) | 植松努のブログ

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講演でしゃべりきれないことを書きます。

昨年の9月。めずらしく名古屋の栄に宿泊しました。
時間があったので、当然のように大須に行くわけです。

 

その帰り道、大学生くらいの女性が乗った自転車に、

同じく大学生くらいの、自転車を趣味にしているような感じの、

スポーツウェアにサングラスの男性の自転車が、

結構な勢いで突っ込んで行きました。

 

女性は転倒します。自転車から離れてしまうほどの勢いです。

男性は転倒まではしませんでしたが、バランスを崩して停止しました。
不思議なことに、悲鳴もなにもありません。

どちらもまったくの無言でした。

男性は、足の筋肉の発達の具合から見ても、

自転車にかなり乗り慣れている人でしょう。
だから、転倒しなかったのだと思います。

その男性は、女性の方を振り返り、

女性が起き上がったのを見たら、

普通にそのまま走り去っていきました。

まったく無言です。

女性は、自転車をおこし、自転車にまたがります。
でも、あきらかにハンドルとタイヤがずれています。
これでは乗れません。(本当は乗れるけどね。)


子どもの頃から自転車で転びまくってる僕は、
こういうのを治すのはへっちゃらです。
女性の所にいって、
「危なかったね、怪我は無かったない。ひどい相手だったね。」

「ハンドルまがっちゃったね。でも治せると思うよ。」といって、
自転車を借りて、前輪を両足で挟んで、ハンドルをうごかして、

真っ直ぐに治しました。
ついでにサドルもあさってを向いていたので治します。
タイヤもパンクしていないし、歪んでもいないし、チェーンも外れていないし、
これで大丈夫、と、自転車を女性に渡しました。

女性は、無言で自転車に乗って去って行きました。

 

 


しゃべっちゃだめな国なのかな?


日本、どうなっていくのかねえ・・・。