社会で大事なこと(1:教育を鵜呑みにするな) | 植松努のブログ

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講演でしゃべりきれないことを書きます。

戦争は恐ろしいです。

赤の他人同士が、恨みもなにも無い状態で殺し合うなんて、

人間の行為ではないです。

 

僕は、戦争が恐ろしいから、戦争の事を学びます。

戦争を経験した人から話を聞いたり、本を読んだりします。

 

日本で戦争を経験した人達は、戦争の恐ろしさを教えてくれます。

そして、最後には、みんながいいます。

「そういう時代だったんだ」

「そういう教育を受けていたんだ」

 

それは、どこの国も似たようなものです。

敵国を憎み、敵国人を見下し、自分たちが正義だと教える。

そう教えられたら、そう信じてしまうのは当然だと思います。

 

ということは、戦争を防ぐために、教育で最も大事なことは、

「教育を鵜呑みにするな」と教える事でしょう。

そして、子ども達の思考力や、主体性や、自分で考えて行動する力を伸ばすことが、

戦争から遠ざかる道だと思います。

 

しかし、いまの日本の教育はどうでしょう。

たとえ納得できなくても、教えられたことを信じるように教えられます。

たとえ意にそぐわなくても、みんなで力をあわせることを教えられます。

それが、社会性だと教えられます。

これは、「戦争から遠ざかる道」の、真反対にあるような気がします。
 
コロナの影響で、いま、子ども達は学校から遠ざかっています。
この貴重な時間に、本当に社会で大事なことを伝えるべきかと思います。
 
第一回目として、「教育を鵜呑みにするな」をおぼえて欲しいです。
人が教えてくれることには、その人の意図が必ず入っています。
よかれと思って、嘘を教える人もいます。
意図的にだます人もいます。
それに負けないためには、
1つの意見だけを信じずに、相対する意見も聞いて、
自分で判断することがとても大事です。
 
たとえば、「あいつは、悪い奴だ!」と誰かが言っていたとします。
そのときに、
「そうか、あいつは悪い奴なんだ!」
「じゃあ僕も、その情報を拡散して、悪い奴を懲らしめるのに協力しよう!」ではなく、
 
「へー。悪い奴なんだ・・・。」
「なんで?」「何をしたの?」「どうして?」
を、一番いいのは、本人に聞くことです。
それが不可能なら、本人に近しい人に聞くことです。
それが不可能でも、可能な限り、本人に近づく努力は必要です。
それができないなら、それは「不正確な情報」でしかありません。
それを元に判断をするのは間違いの元です。
だから、放置すればいいだけです。
そうすれば、不正確な情報が拡散することはなくなります。
 
いま、ネット上で、間違った情報が拡散することが問題になっています。
それに関わる多くの人は、悪意ではなく、善意で拡散に協力してしまっています。
それは、「そういう教育をうけていた」からかもしれません。
 
人を信じることも、力をあわせることも素晴らしい事です。
しかし、鵜呑みは、信じるではありません。
そして、間違った情報を元に行動すると、間違えます。
 
ぜひ、鵜呑みではなく、「自分でしっかり調べる」の大切さを忘れないで欲しいです。