これからの時代は、真の自由を知る人が重要になる。 | 植松努のブログ

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講演でしゃべりきれないことを書きます。

何度も書いている事ですが、

 

日本は、鎌倉幕府の頃から人が増え続けてきました。

 

そして、明治維新のあとから、とんでもない勢いで人が増えました。

それは、平成の中程まで、約150年間に渡って続きました。

 

この、人口が急増している時代には、

お客さんがどんどん増える状態ですから、

作っても作っても足りません。

サービスしてもしても足りません。

だから、「のれん分け」や「独立開業」が、どんどんアリでした。

同じ事をなんぼやっても、足りないからです。

 

この、人口急増期の成功の秘訣は、

「すでに成功してる事をパクる」です。

売れてる物を、真似して作ったら、絶対に売れます。

流行のサービスを、真似して提供したら、絶対に売れます。

なんせ、市場が拡大し続けてるからです。

 

だから、この時代の成功のためには、

「普通」「同じ」「前例踏襲」がものすごく効果的です。

みんなこれをやってきました。

銀行もこれにお金を貸しました。

それが、150年間続いたのです。

 

 

しかし、平成の真ん中編から、人口が減り始めました。

人が減ると、提供した物は余ります。

だから、本当は、全ての企業が生産を縮小すべきです。

本当は、人口減少期の経済プラス成長は、極めて困難です。

しかし、借金を前提とした信用経済の社会では、

せめて「金利」程度の成長がなければ、信用経済が破綻します。

だから、プラス成長をが目標になります。

 

人口減少期には、余ってるから、

同じものは、くらべられて、安い方が選ばれます。

これでは喰っていけません。

 

人口減少期に生き残るためには、

人口増加期の真逆を行かないといけません。

「珍しい」「違う」「前例がない」が、ものすごく重要です。

 

しかし、日本の政府も企業も、この価値感変化に、まるで対応出来ていません。

ですから、すでにそれができている国に勝てるはずもありません。

国際競争力は低下する方向です。

 

大手企業は、この状況を、リストラクチャーでしのいでいますが、

構造改革でどうにかなる世界ではありません。

リボーンが必要です。

その際には、旧世代の価値感の人達は、みんな「選ばれない」でしょう。

 

だのに、まったく同じリクルートスーツ。

全く同じ自己アピール。

教えられたり、本に書いてあることは、みんなが知ってるから競争力にならないのに。

そして、子ども達に「普通」を強要する大人達。(企業も学校も保護者も)

 

これからの日本の国力向上のためには、

150年間続いてきた「過去の普通」や「過去の常識」に縛られない人間が必要です。

いま、そういう事を目指す学校は増え始めましたが、まだまだごくわずかでしかありません。

 

しかし、「過去の普通」や「過去の常識」に縛られない人には、

今まで以上に、自由の意味を伝えなければいけません。

自由と、自分勝手は違います。

自分の自由のために、他人の自由を侵してはいけない。

この原則を、しっかり身につけていない人達は、

自分のために他人を犠牲にできるので、社会を構成できません。

そして、人は、力をあわせられなければ、わずかなことしかできません。

 

この重大な原則を知らない人は、子どもの自由を奪うことで、子どもが大人になると

勘違いしています。

ばかげています。

 

大人とは、あきらめて、言うことを聞く人間ではありません。

大人とは、真の自由を知るものです。

 

それを伝えられるのは、真の自由を知る大人だけかも知れません。

 

もうすでにスタートしている新しい時代を生き延びるためには、

自由の意味について、沢山考えるべきだと思います。