失敗を恐れるのではなく、失敗によるマイナス評価を恐れる人達 | 植松努のブログ

植松努のブログ

講演でしゃべりきれないことを書きます。

植松電機のロケット教室では、

ロケットの作り方を教えません。

自分たちで助けあって作るんだよ。でスタートします。

 

その条件下で、もっともはやくロケットを完成させるのは、小学生です。

あとは、学歴が高くなるほど、遅くなります。

おそらく、失敗を恐れるからだと思います。

それは、今まで見てきた感じでは、学歴に比例している傾向があります。

 

失敗を恐れる人はたくさんいます。

でも実は、それは、失敗を恐れているのではないと思います。

なぜなら、

誰もいない道で、滑って転んでも、「いてて」ですが、

大勢がいるところで、滑って転んだら、相当に恥ずかしいです。

それは、「評価」を気にしていると言うことです。

すなわち、失敗を恐れる人達は、失敗を恐れているのではなく、

失敗によるマイナスの評価を恐れているのだと思います。

 

失敗をしないためには、必勝法があります。

(1)なにもしない

(2)できることだけやる

(3)誰かの言うとおりにする

です。

 

これをやると、失敗しないです。

しかし、

(1)なにもできなくなる

(2)成長できなくなる

(3)考える力を失う

になります。

 

これでは、なんのために「人」として生まれてきたかわからないです。

でも、こうなってる大人がたくさんいます。

そういう大人が「失敗はだめなことだ!」「責任をどうするんだ!」と言います。

その結果、失敗を避ける人が増えます。

どんどん、ゾンビのように増殖中です。

(イギリスのゾンビっぽい映画、28時間後、は、感染速度が速すぎてこわいです。)

日本では、失敗に罰を与えます。特にひどいのが「連帯責任」というやつです。

こんなことしたら、失敗しないために、なにもしないことがプラスになってしまいます。

 

昔は、それでもまあなんとかなりました。
それは、人が増えていたからです。
個々人がマイナスのことをやっても、社会の増加ぶりがそれを超えていました。
だから、なんとかなったのです。
しかし、人が減り始めたとたんに、問題が一気に表面化してきた感じがします。
 
では、どうすればいいのか?
失敗しない方法の、真反対をやってみたら?
(1)なにかする
(2)できないことをする
(3)自分で考えてする
 
そうしたら
(1)できることが増える
(2)成長する
(3)考える力が増える
です。
 
たとえば、いま自分が「できないなあ」と思ってることを紙に書き出してみて、
その中の、もっとも簡単に(お金や時間がかからない)できることから、やってみたら
いいんじゃないでしょうか?
それだけで、間違いなく、ちょっと成長できます。
マイナスの連鎖から抜け出せると思います。
 
で、これを一番やるべきなのは、企業です。
企業が、失敗しない努力をすると、そこで働く人も、その家族も、
失敗恐れる病に感染していきます。
おまけに、これからの時代、そういう企業は、長くは持たないでしょう。
そこで働く人も、その家族も、路頭に迷うことになりかねません。
 
でも、企業が失敗を恐れない努力をすると、
そこで働く人も、その家族も、そうなっていきます。
 
先日、うちの会社の人が、
「自分の息子の夢を応援したいと思った。そう思えてよかった。この会社に入ってよかった。」と言ってくれました。
やめて。いまこれ書いてるだけで涙が出る。
 
経営者よ、

(1)なにもしない

(2)できることだけやる

(3)誰かの言うとおりにする

ではなく、

(1)なにかする
(2)できないことをする
(3)自分で考えてする
で頑張って行きましょう!