ピラミッド組織やばくね。 | 植松努のブログ

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講演でしゃべりきれないことを書きます。

日本は、そこら中に、ピラミッド型の階級システムがあります。

これは、明治維新の時に、国民を全員兵隊にするために、

一機に日本中に広まったものです。

 

ピラミッド型組織とは、言うなれば、ものすごく古い政治システムです。

大昔の、ペルシャの軍隊などは、この方式で機能したと言います。

戦争のプロであり、様々な知識と経験を持つ指揮官が、

戦術を考え、判断し、命令します。

しかし、命令を聞く方は、素人です。時には言語も違います。

そして、命令は、声や身振り手振りなどで伝えるしかありません。

ですから、組織の最小単位は、声や身振り手振りが届く範囲で決まりました。

 
しかし、この方法は、二つの方法に負けます。
まず一つは、全員が戦争のプロである、スパルタ方式です。
スパルタは、専業軍人を作ることで、ピラミッド組織に対向します。
すなわち、個々人の知恵と経験のレベルを上げる方法です。
 
もうひとつは、ギリシアの代表選挙制の民主主義です。
1人の指揮官の知恵と経験による判断は、速いけど、ミスがあります。
だからこそ、大勢の知恵と経験を短時間で行動に反映させるための、
代表選挙制度にすることで、ピラミッド組織に対向します。
 
そのあとは、この二つの方法の競い合いになりました。
最近の軍隊は、高度な情報と通信と、高度な装備を有する特殊訓練を受けた専業軍人が
戦うようになりました。
これは、ビジネスの世界でもまったく同じです。
 
そんな時代に、いまだにピラミッド組織がそこら中にある日本。
IT革命とか言ってたわりには、いまだに、「書類にハンコがついて戻ってくるまで、約1週間はかかりますね。」なんて、平気で言われます。
あげくは、書類にハンコを押すロボットまで開発されている。あれ、フェイクニュースだよね?
そうだと信じたい。
しかも、この組織において、退職金を増やすためのご褒美的な短期間のトップ就任なんてやろうものなら、組織が機能するわけもありません。
だって、そういう人達は、「自分の在任中に問題が起きませんように」を基準に
判断をするだけですから。
 
でね、この組織が、日本のきまりを作るわけですから、
この組織を弱体化するようなきまりや改善など、できるはずもありません。
日本はそうやって、ずーっと、いまだに、封建国家を維持してしまったと言えます。
 
いま、多くの企業が、ピラミッド組織を廃止するようになってきました。
それ自体は、素晴らしい事だと思います。
トヨタが現在取り組んでいる年功序列を廃する方向のアクションは、
とても興味深いです。
しかし、国家そのものがピラミッドのままです。
これでは、企業がどんなに国際競争力を増やそうにも、どうにもなりません。
だから、日本から脱出する企業は、今後はもっと増えていくでしょう。
 
大丈夫か日本。大丈夫じゃないね。
この状態を改善する為には、
まずは、退職金をなくしたらいいんじゃないかな。昔はなかった仕組みだしね。