趣味ってすごく大事。 | 植松努のブログ

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講演でしゃべりきれないことを書きます。

現在地は宮崎。

これから、延岡に移動します。

昨日は、岡山の高校でお話しをさせていただきました。

3年ぶりに、よんでいただけました。

 

この学校は、とても特色がある学校です。

そして素敵なのは、先生達が自分たちの興味や好奇心を発揮しているという点です。

 

ともすると、趣味などは、勉学の妨げになる、と禁止される傾向があります。

しかし、趣味を否定され、禁止された人間が大人になったら、とても悲しいことになります。

なぜなら、趣味には、とても大切な機能があるからです。

(1)共通話題なので、人とつながるきっかけになる。(プライベートでもビジネスでも)

(2)休日でも自ら学んでしまう(学習の原動力になる)

(3)趣味が仕事に活かせる可能性は高い(新しい仕事や、仕事の発展につながる)

 

趣味が禁止された場合は、

(1)人とつながれない。話題がない。

(2)命令されたこと以外おぼえない

(3)命令されたこと以外やらない

になる可能性が高いです。

ていうか、そう言う人、沢山います。

これでは、奇跡も発展もありません。

 

植松電機の人達は、とても多趣味です。

その趣味が、仕事を勝手に発展させています。

だから僕は、会社の仲間の趣味を、とても大事に考えています。

 

時々やってくるインターンの子達の中に、趣味がない人がいます。

そう言う人は、会話がはずまないです。雑談もできません。

とても残念だなあと思います。

 

趣味って、立派な産業なのに、なぜそれを否定するのか理解できません。

滅私奉公。

プライベートを捨てて、組織に貢献する。

いつの思想ですか。

 

僕が大好きなトムとジェリーというアニメは、太平洋戦争の前から作られています。カラーです。

トムとジェリーのなかでは、多くの人が、ラジオなどを楽しむ様子が描かれています。

実は、このラジオが一般化していたことが、無線機の普及や性能向上に、

ものすごく役にたったそうです。

しかし日本では、日本に不都合な放送を勝手に受信されては困るので、

ラジオ機器の製造などに厳しい制限をかけました。

それは、兵器としての無線機の発展さえも阻害してしまったと言われています。

 

U-571という映画では、故障したエンジンを、アメリカ人が直してしまうシーンがあります。

こういう話は、いろんな記録に残っています。

アメリカでは、自家用車が普及していたので、多くの人がエンジンの整備や機械の整備を

身につけていたのだそうです。

それに比べたら、日本やドイツでは、自家用車が普及していなかったので、

エンジンやそれらの電気系統に関する知識も、とても乏しかったのだそうです。

 

たとえが戦争ばかりになってしまいましたが、

趣味は、採算度外視なので、素晴らしい研究開発の環境だと、僕は思っています。

 

この岡山の高校を卒業した子達は、それぞれの「好き」を活かして、
社会で活躍していくのだと思います。

どうか、子ども達の趣味や好きを大事に伸ばしてあげて欲しいです。
それは、国家のためにとても重要なことだと思います。
 
ただし、金を払ってサービスを受けるだけ、というのはちょっと違うかも。
伸ばすべき趣味は、「読む(調べる)」「書く(描く)」「作る」が
くっついているのがいいと思います。