今の子達は辛かろうね。 | 植松努のブログ

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講演でしゃべりきれないことを書きます。

なぜ働くのか?

仕事とはなにか?

 

それを教えないままに、

進学先や資格を追いかけさせるような進路指導が、

昔からずーっと行われています。

 

日本では、本来は、中学校を卒業したら、就労できるし、

18歳を過ぎたら結婚もできます。親になれます。

しかし、日本では、高校までの学校教育の中で、

働き方を教えていません。

雇われ方も教えていません。

「言うことのきき方」しか教えていないです。

 

素直で、まじめで、勤勉。

言われたことを、言われたとおりに、ちゃんとできる。

余計なことを考えない。

無駄口を叩かない。

おしゃべりをしない。

みんなできちんとそろってやる。

 

これらは、本当は目的でも、目標でも、到達すべき基準でもないです。

これは、仕事に打ち込んだ結果に過ぎません。

 

基本的に、部活と勉強で忙しすぎて、自分の好きなことをする時間がありません。
好きなことを考える時間も、体験する時間もありません。
そして、自分のやってみたいことが、具体的に喰えそうな進路や資格や職業に該当しなければ、
それは否定されます。
基本的には、親や教師が眉をしかめないような道しか選べません。
そして、もっとも喜ばれるのは、親や教師がよく知っている、偏差値が高い学校に入ることです。
 
自分のやりたいことを言えないまま、隠したまま、
とりあえずまじめに一生懸命がんばって、大学に合格して、
でも、それは、自分のやりたいことじゃない。
だのに、どんどん道は狭まっていく。
大人は、進学したら道が広がるって言ったのに、まったく逆じゃん。
とうぜん、好きじゃないから、がんばれない。成績も下がる。学校も行きたくない。
でも、高額な入学金も払ってる。沢山の学費を払ってもらってる・・・。
 
そしてやがて、
自分がいろんなことを捨てて、自分を殺して、必死で得た学歴と言うものには、
そんなに御利益がないことを知ってしまう。
 
この先には、あまりいい結果は待っていないです。
 
じゃあ、中学生くらいの段階で、自分のやりたいことを明確に決定しなければいけないのか?
これは、言って見れば、恋愛のようなものかも。
中学生くらいの時の恋愛も、「この人しかいない。最高の相手だ。」と思ってするもんです。
でも、そのまま結婚する人は、かなり少ないです。
ただ、間違いなく言えるのは、好きなことはがんばれるし、おぼえちゃいます。
自ら主体的に学ぶ力が身に付きます。
その後、様々な新しい情報を取り込む中で、やりたいことが変化するのは、
ごく普通のことです。
そのときも、好きなことならがんばれます。おぼえちゃいます。
 
重要なのは、「好き」です。
好きだから、がんばれます。
がんばらなければならないから、がんばる。ではないです。
 
努力は、好きでのめり込んだ結果に過ぎません。
努力しようとしてする努力は、努力ではなくて、無理をしてるんだと思います。
 
子どもの「好き」を
「くだらない」
「そんなことやってどうすんの」
「そんなことしてるヒマがあったら、勉強しなさい」
と摘み取ってしまうから、「好き」のない子どもが育ちます。
 
本当は、できるだけ早くに、本物に触れておくと、
自分の向き不向きも、早くに自分で知ることができます。
そのチャンスのないままに、人生の選択をさせると言うことは、
自分に何ができるのかもわからないままに、くじ引きで人生を決めるようなものです。
それは、危険過ぎます。
 
そもそも大人が、なぜ働くのか?
仕事とはなにか?をわかっていないことが多いです。
人生の喜びや幸せについても、わかっていない人が多いです。
 
なぜ働くのか?=仕事だから。
仕事とは何か?=言うことを聞いて、お金をもらうこと。
人生の喜びとは?幸せとは?=お金に苦労しないこと?人並みの生活をすること?
 
 
僕個人としては、
なぜ働くのか?=人の役にたちたい。誰かを助けたい。自分の力を役立てたい。
仕事は何か?=人の役にたつこと。
人生の喜びとは?幸せとは?=自分の大切な人の笑顔が自分の笑顔。
かな。
 
大切な人を助けたい。そして、大切な人の笑顔が幸せ。
 
本当は、とっても単純なことのような気がします。