公立学校の比率が高すぎるんじゃないかなあ・・・ | 植松努のブログ

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講演でしゃべりきれないことを書きます。

日本の子ども達への教育は、かなりの部分を「公立学校」が受け持っています。

特に、田舎に行くほど、その傾向は強いです。

 

僕は、「人は、自分が経験したことしか伝えられない」ことを知っています。

すなわち、公務員の教師が行う教育は、

公務員もしくは、それに近い感じの企業で働く人には有効だと思いますが、

日本の公務員比率は就労人口の約10%〜12%だそうです。

ちなみに、日本の小学校の公立比率は98%程度。

中学校の公立比率は92%程度だそうです。

 

僕は、様々な職業の人達が子ども達と関わることが望ましいと思います。

 

しかし、実際には、それはかなり難しいです。

 

でも、可能性があります。

 

先生という職業は、生徒と仲良くなれます。

ということは、保護者とも仲良くなれるということです。

そして、保護者は多様です。

その多様な常識や普通を、先生が学び、咀嚼して、子ども達に伝える事ができます。

 

しかし、

「先生には、そんな時間も余裕もない。」

という声も、すごくよく耳にしますが、

でも、実際にそれをすでに実行している先生もいます。

 

「その人は特別だ。自分たちは普通だから無理だ」

という声も、すごくよく耳にします。

ええ、本当にすごくよくこの言葉に出会います。

 

ちなみに、企業の経営者でも、

「そんな時間も余裕もない」

「その人は特別だ。自分たちは普通だから無理だ。」

を連呼する人は少なくないですが、

そういう人の会社は、まもなく倒産します。

社会不適合、ということです。

 

先生の中には、自嘲的に「教師って言う世界は、かなり世の中とは変わっているからね。」という人もいますが、

公務員という働き方が、社会と乖離すればするほど、

社会と適合できない子ども達が増えていく可能性が高まると思います。

それが、大学を卒業したものの、社会でうまくいかない、とか、

働くことができない、の一因になっているんじゃないかな、

と思うような事例を、僕は沢山見てきています。

 

もちろん、今日も、子ども達のために、未来を見つめ、最新情報を学び、
様々な人達との縁を作り、子ども達を社会とつなげるチャンスをつくり続けている
先生がいます。およそ「お役所仕事」とは縁遠い仕事をしている先生がいます。
不登校の子達のために、ものすごい努力をしている先生もいます。
でも、残念ながら、そういう人の割合は、あまり多くはないです。
最初は情熱にあふれていたけど、やがて、「お役所仕事」に染まっていく人が少なくないです。
もしくは、それに嫌気がさして、先生を辞めてしまう人も少なくないです。
 
僕は、日本の学校、特に義務教育は、もっと公立の割合を減らしていいと思っています。
そのためにも、せっかくフリースクールなどが認められてきたのだから、
民間がもっとがんばるべきだと思います。
しかし競争相手は税金で運営されています。コスト面で戦うのは大変です。
それを支えるのは、企業であるべきだと思います。
なんたって、企業は、働く仲間と、自分のサービスを買ってくれるお客さんが必要です。
そして、「働けない人」は、そのどちらにもならないです。
 
ただ、悲しいことに、日本の超大企業と言われる会社が、
植松電機よりも納税していなかったりします。なんだそれ。
 
公立の先生が足りないのは、教育にかけられる税金が少ないからでしょ?
だったら、納税できる人を増やす努力は不可欠です。
そして、納税してない企業があるってことは、余裕あるでしょ?
自分の会社の未来の為にも、民間教育を支える仕組みをつくらない?
 
教育基本法の最初に、教育の目的は、よい日本人を作ること、とあります。
そして、よい日本人とは、納税者です。
なんか、今の日本のシステムは、あんまりうまく動いていない気がします。
でもね、なんか、変えられそうな気はしています。