進学のお金のことについて | 植松努のブログ

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講演でしゃべりきれないことを書きます。

僕が高校生の時、僕は大学に進学したいと思いました。

なぜなら、流体力学を学びたかったからです。

 

最初に考えたのは、尊敬する木村秀政先生のいらっしゃる日大でした。

しかし、学費が高すぎて、手も足も出ません。

 

家にお金が無いことを知っていたので、

行けたとしても国立大学一発勝負です。

僕が選んだのは、北海道の北見工業大学でした。

当時、学費は、年間で25万円ほどだったと思います。

 

しかし、進路の先生にこの選択を話したところ、

「お前の成績で、国立に行けるわけがない。私立にしろ。」と言われます。

当時で、私立は、入学金で50万円くらい。あとは、年間100万円くらいだったと思います。

お金が無い、ということを説明しても、

「金なんて、親が何とかするもんだろう。借金でもなんでもすればいいんだ。」と

軽く言われてしまいます。

 

僕は、子どもの頃から、親の仕事の手伝いをしていたので、

親がどんなに頑張って仕事をしているのかを知っています。

雪の日も、炎天下の夏でも、山にいって、夜になっても重機の修理をしています。

そして、生活も、別に贅沢なこともしていません。

当時の僕は、「なんでこの先生は、お金についてこんなに簡単に考えるのだろう。」と思いました。

 

最近、新聞などで、学費破綻する学生さんや家族の記事を目にします。

そのたびに、あの先生のことを思い出します。

 

親は、子どもが進学したい、と言ったら、何とかしてやりたくなるでしょう。

しかし、気を付けて欲しいのは、

その学歴には、投資した金額以上の価値があるか?です。

 

僕が高校生の頃と比較して、今では、大学進学率は2倍になり、学費は2倍になっています。
大学生が沢山いるから、大学卒という希少性は、昔の半分です。
それでいて学費が2倍、ということは、
大学の費用対効果は、僕が大学生のころの、おおよそ1/4になってると思って
いいんじゃないかな。
 
進路の先生は、もっと、借金の恐ろしさや、返済の大変さや、
それぞれの家庭の家計の事も、もう少し配慮したり、
子ども達に教えてあげて欲しいと思います。

ていうか、奨学金とか、奨学ローンとか、75歳くらいから、年金で返すってのはどう?