僕の父さんは、優れた技術者です。でした。
知識も経験も豊富です。
しかし、僕の父さんの最大の欠点は、「非効率」です。
なんたって、片付けができない。
道具や工具が、出したらだしっぱなし。
必要な工具がすぐに見つからないから、いつもイライラしてるし、
作業の速度も遅いから、いつも夜中まで働いていました。
で、なくて困った工具を追加で買うから、工具がどんどん増える。
でもそれは、利益を圧迫するだけです。
時間的にも非効率。コスト的にも非効率。
だから、すごい長い時間働かないといけない。
ものすごく頑張るし。ものすごく努力してるけど、
それは、人生を無駄にしています。
それでも、父さんは、それを改めようとしませんでした。
だから、人も雇用できない。
なんたって、入った人は、道具がどこにあるのかわからない状態で働くから、
どうしても作業が遅くなる。
そうすると、怒鳴られる。
さんざん、怒られて、追い出される。
僕も、その環境で働きました。
ひどいもんです。
でも僕は、自分の工具を自分でしっかりキープしました。
自分がやった作業も、自分で全部記録に残しました。
いかにして、父さんと関わらないようにするのか、を努力しました。
いまでも、そういう人はいます。
まず、仕事場がキタナイです。乱雑です。
そして、すごく長い時間働きます。でもそれは、努力ではなく、自業自得です。
そして、成長しません。人を育てることもできません。
僕の父さんがそうであったように。
そして、多くの、後継者がいない経営者がそうであったように、
年齢を重ねて、能力が低下して、所詮は、1人でできることで終わってしまいます。
僕は、そういう人を信用しません。
なぜなら、間違いなく、ミスをするからです。
そのミスは、「部品が足りない」「道具が足りない」からはじまり、
わたわた捜し物をしてるうちに、成長していくのです。
ときどきいるでしょ。パソコンのデスクトップが、
「うわ、このデスクトップ、ひどいね!」と驚くほどぐっちゃぐちゃな人。
いままで、そういう人で、高性能な人見たことないです。
まちがいなく、すごく非効率でした。
僕は、父さんという人がそばにいた反省から、
自分の作業環境はいつもかなり綺麗にしています。
すぐ使う道具は、全て置き場所を決めています。
パソコンのデスクトップも、かなりスッキリしています。
しばらく使わないものは、中が見えるクリアケースに入れて、中身も記載して補完します。
僕のリュックも、どこに何が入っているのか、手探りでわかります。
だから僕は、講演の後のパソコンの撤収も、可能な限り自分でやっています。
そうしないと、不安でしょうがないからです。
人生は有限です。限りがあります。
その人生の時間を有効に使うためには、整理整頓はものすごく重要です。
「整理整頓してるヒマがない」という人は、そもそも非効率だから暇がないのです。
それを改めることができないかぎり、できることは増えていきません。
成長することができません。
余裕がないから、人を育てることもできません。
できるとしたら、人を自分の奴隷のように使って、片付けをさせる程度です。
だから、やがて、誰も助けてくれなくなります。
まずます、できることが低下して、イライラが増えます。
それはすべて、自分自身の「非効率」に原因があるのです。
もうすぐ年末がやってきます。
だから、まずは、身の回りの整頓と片付けをすべきです。