自信が無いって、けっこう危険。放置しない方がいいと思う。 | 植松努のブログ

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講演でしゃべりきれないことを書きます。

10日ぶりに北海道に帰ってきました。

長い旅でした。

北から南まで、いったりきたり。

そこで、また、多くの人に出会うことができました。

 

しみじみと、みんないいひと。

僕をよんでくださるために、ものすごくがんばってくださった方。

町を挙げて教育について取り組んでいる方々。

日本を支えるものすごく重要な仕事を、とても安価に提供している方々。

次世代を支える素晴らしい人材を育成されている方々。

新しいビジネスを生み出せる人を作ろうとしてる方々。またそこで、ものすごい勢いで学んでいる学生さん達・・・。

それらの人に共通しているのは、

(1)にこやか

(2)ほがらか

(3)おだやか

(4)すごくよく周囲を観察している

(5)だからいろんなことに気がつく

(6)質問が好き(興味と好奇心)

(7)いろんな質問に答えてくれる(豊富な経験、自分の言葉=思考力の豊かさ)

(8)笑顔がステキ

です。

 

そう考えて見たら、たしかに、

(1)無愛想

(2)無表情

(3)怒りっぽい、しかめっつら、うらみごと、愚痴

(4)まわりと関わらない努力、無関心

(5)だから、命令されたことしかできない

(6)質問が思いつかない

(7)疑問も感じない

(8)楽しくなさそう、疲れてる、被害妄想、被害者意識

という人とは、ちょっと関わりたくない・・・というか、

どうやって関わっていいのかわからない。

 

でも、最近、そういう人は増えてる感じがします。

 

そういう人に共通しているのは、著しい自信の無さです。

自信が無いから、自分を盛ります。

だから、知らないことでも、知ってる、といいます。

でも、すぐに化けの皮が剥がれて、信頼を失います。

そういうときは、体調のせいや、道具のせいにして、不調をアピールします。

資格やランクに強いこだわりを持ちます。

他人をけなしたり、批評して、自分以下を作ろうとします。

 

こういう人は、まともな人間関係を作るのは困難です。

嫌われることがあっても、好かれることは無いんじゃないかな。

 

ではなぜ、自信を失うのか。

 

僕は、小さい頃から、学校の先生には「ダメ人間」よばわりをされ続けます。

「おまえなんか」「おまえなんて」のオンパレードです。

それでも、自分の自信を失わないですんだのは、

自分の好きなことをしらべ、やりつづけたからかな、という気がします。

登山が好きだから、山に登りました。体力が増え、足がはやくなりました。

自転車が好きだから、さんざん遠出しました。体力が増えました。メカに強くなりました。

飛行機やロケットが好きだから、さんざん勉強しました。それはやがて仕事になりました。

それらは、学校の成績に関係ないことだから、ムダ呼ばわりをされますが、

それでも僕は、好きだからやり続けました。

それらは、他者評価を得られないものでした。でもだからこそ、

僕は、他者評価に依存せず、自己評価ができたので、自分の自信を失わないですんだのかもしれません。

 

しかし、好きなことが許されず、親や大人が与えたことしかできず、

競争競争で他者評価に依存した幼少期を過ごしてしまうと、

他者評価に依存しないと自己存在を保てなくなってしまいます。

そうなると、自信の持ちようがないです。

 

親としては、子どもの好きなようにさせているつもりでも、

親の強烈なバイアスがかかっていることはよくあります。

選択肢があるようでいて、実はない、なんてことはよくあります。

親がひいた、見えないレールの上を走ってる人は沢山います。

 

そういう人達は、たいてい、けっこうすごく豊富な経験をしています。

けっこうすごい資格を持っています。
(両方に共通してるのは、かなりお金がかかる。親ががんばったのでしょう。)

でも、自信が無い。

とても、残念な事だと思います。

 

ごく当たり前のことですが、資格や賞は人生と能力を保障しません。

たとえば、車の免許。同じ免許でも、運転がうまい人と、下手な人がいます。

また、運転がうまい人がいたとしても、たった1人でうまくなる人はいませんね。
なぜなら、道路上には沢山の車がいるからです。
そのなかで、運転がうまいつもりで、自分勝手な危険な運転をする人もいます。

そういう人は、急な車線変更と急ブレーキを繰り返します。まわりの車にも急ブレーキを踏ませます。

かとおもえば、急ブレーキも急ハンドルもなく、スムーズに運転する人もいます。

どちらが運転がうまいかって、そりゃ後者でしょう。

運転がうまいというのは、アクセル踏んで、急ハンドル切ればいいってもんじゃないです。

他者との関わりの中、いかにして、相互にストレスなく安全に目的地に着くのか、が重要だと思います。
なんとなく、自信が無いのに自信を盛ってる人達の行動は、

独りよがりな乱暴な運転をしている人たちと、共通する部分が多いような気がします。

 

自信が無い人は、他者とのよい関わりを作りにくいため、

自分の自信につながるような経験を積むチャンスが少なくなります。

そうなると、自信が増えにくくなります。

これは、年齢を重ねるほど悪化してしまいます。

なるべく早期に、自信を取り戻す努力が必要です。

 
自信を取り戻すためには、
(1)好きなことを増やす、やったことがないことをやる
(2)他人とくらべられないことをやる
(3)いい人達との関わりを増やす
が効果的です。
そして、
(4)過度の被害者意識を持たないようにする
(5)相手の行動を善意基準で考える(勝手に相手の悪意を増やさない)
がいいと思います。
というか、僕はこれらを常にかなり意識しています。
とくに、(4)と(5)はすごく大事だと思います。
 
もちろん、たまには、相手に悪意があることがあります。
そういう場合は、その人との距離を離すのがとても大事です。
逃げるって、けっこうだいじです。
 
 
自信が無い、という状態は、思ったよりも危険な状態です。
自己肯定感の低さで、日本は世界でもトップクラスです。
これは、かなり危険な事だと思います。
だからこそ、子ども達や、若い人達が、自信を奪われないように、
大人は支える必要があると思います。
 
まずは、なんといっても、くらべる自信を自己存在にさせないこと。
自信を増やそうとして、とってもわかりやすいという理由で、
くらべる自信を持たせようとしたら、それはかえって逆効果になります。
 
そのためにも、ぜひ、大人も、「くらべる自信」について、
考えて見て欲しいと思います。
(大人自体が、くらべる自信にとらわれていて、かなり苦しんでいるケースが多いです。
はたして、自分の幸せは、自分以下がいないと成り立たないのか?を、よくよく考えて見てほしいです。)