僕は銀行と借金はとても重要なものだと思っています。 | 植松努のブログ

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講演でしゃべりきれないことを書きます。

借金で悩んでいる人は少なくないと思います。

僕ももちろん、多額の借金があります。

なんたって、日本は、連帯保証制度ですので、

会社の借金は、全部僕が連帯保証です。

その金額は、〇億円です。

 

でも、僕はそれほど悩んではいません。

僕がすべきことは、借りたお金で、金利以上の価値を生み出すことです。

 

価値を生み出すためには

(1)新製品や新事業の開発

(2)従来製品や従来事業の改良

などがあります。

 

これを可能にするのは、「能力」もしくは、「その結果」です。

借金は、金利以上に能力が向上することに使えば、

そして、その能力を価値に変える力があれば、

したほうが、経済を拡大できます。

 

で、ちなみに、「能力」とは、

「知恵」「経験(技能、技術含む)」「人脈」かなと思います。

生産設備も能力と言えば能力だけど、

残念ながら、お金で買える能力は、

自分より金持ちに負けます。そして、

後から設備投資した方が、絶対に安くて高性能です。

だから、そこへの投資は、かなり注意が必要です。

だから植松電機は、ロボットなどの、マスプロ能力には投資をしていません。

 

ですから、「知恵」「経験」「人脈」が金利以上に増えないことに借金をするのは、とても危険です。

また、そういうことにお金を貸すのは、とても危険です。

 

でもいま、企業の力が弱まっているので、銀行は個人向けの貸し付けを強化しています。
でもそれは、あまり経済の発展には寄与しない感じがします。

僕ら企業も銀行も、経済が発展したほうがありがたいです。
でも、その経済の発展とは、動くお金の量が増えることではないと思います。
真の経済の発展とは、社会の能力がいかに向上するか、だと思います。
でもいま、その視点での経済対策(教育は立派な経済対策です。)は、不十分な気がします。

幕末に力を発揮できたのは、幕府が提供する教育とはちがう、独自の教育(人材育成)を行った地域です。
同時に、それらの地域は、幕府に依存しない新しい価値感の経済力を持ちました。
おそらく、これからの日本では、それがものすごく重要になると、僕は思っています。
公共事業、地方交付税、公教育から、遠ざかることが、
これからの地域の生き残りの重要な要素になると思います。
そして、そういうアクションを起こす企業を支えるのが、
銀行の重要な役目になると思います。