Roll Over Corona(4)Friends Of Mine | AFTER THE GOLD RUSH

AFTER THE GOLD RUSH

とおくまでゆくんだ ぼくらの好きな音楽よ――

最近は、オンライン飲み会なるものが静かなブームのようです。ぼくは、家で一人本を読んだり、音楽を聴いたりしている時間が何にも代えがたい至福の時であり、そもそも大勢でワイワイやる飲み会自体が好きではないので、このような会はまったく縁がないのですが、それでも、人と人との空間的に緊密なコミュニケーションが忌み嫌われるご時世にあっては、便利なツールが生まれたものだと感心しています。


一方で、オンとオフの区別なく、友人と思しき人々と常にお付き合いしなければならない今の時代は、何と窮屈で生きづらいのだろうとも思ってしまうのです。集団の中にあっても「個」を埋没させることなく自分らしく生きていくには、その人自身の強さは勿論のこと、それなりに恵まれた環境も必要な気がします。その意味において、SNSは、本来すべての人が平等につながり、存分に「個」を活かせるツールであったはずなのですが、残念ながらそこでも集団の力学が働き、「個」が希薄化しているように思えるのです。例えば、フォロワーや友人の数で人の価値を判断する傾向、また、インフルエンサーに嫌われたくないがために、暴言を諫めることもせず、見て見ぬふりをしている愚かな「大人たち」、つまるところ、そこは現実の醜い人間社会の縮図でしかないのです。

まもなく非常時は終わり、いつもの場所で真の友人に再会できる時が来るでしょう。同時に、満員の通勤電車、人波でごった返す繁華街、深夜までの重労働といった戦場のような日常も唐突に再開されることでしょう。その時に、ぼくはぼく自身のままでいたいし、あなたはあなた自身でいてほしい。もっと言えば生き抜きたいし、生き抜いてほしい。ゾンビーズのこの歌は、まるで結婚披露宴かホームパーティ―を開催しているかのように友達の(カップルの)名前が沢山出てきますが、よく聴けば、主人公はとても孤独な人だということが分かるはずです。孤独であることはさほど悪くない、いやむしろ、「個」を守り抜くうえで必要不可欠な時間だということを噛みしめがら、来るべき第二波に備えようと思うのです。