地球連邦司令部では、N国殲滅成功に沸いていた。
しかし、そんな折でも司令室本部では緊張感を維持していたのだった。
「まだ肝心のマァルを仕留めていない。しかもこれまでのモビルスーツではなく、新型に乗り換えたとの報告まで上がってきている」(司令室長)
「これまでヤツにどれだけ束になってかかって行っても、倒せませんでしたからね…」(室長補佐)
「そういえば、N国に侵入していた諜報員は無事に帰ってきたのか?ヤツからの更なる情報を知りたい」
「わかりました。(無線を手にして)、こちら司令室。809号取れるか」
「はい、こちら809号。どうぞ」
「今すぐ司令室に来てくれ。司令室長がお呼びだ。以上」
「了解」
というやり取りがあったのは10分前。
未だにやってくる気配がなく、司令室長補佐は再び無線を手にした。
「こちら司令室。809号取れるか?」
何の応答もない。
「どうしたのだ?何かあったのか?!」
その瞬間、司令室の扉が開いた。
振り返った司令室長補佐が
「遅いぞ!一体、なにを…」
と言い終わらない内に、彼の生命は終了した。
「え?!な、なんだ?!」
司令室長が開いた扉の向こうに見えた物体を確認した。
それを認識する間もなく、司令室長は絶命させられた。
「くはぁ…くはぁ…うはははは…」
と、不気味に笑う声が司令室内に響いたのだった…
その頃、生明達の家では、格之進がぼんやりと外を眺めていた。
テツヤとアラタは璃彩(リリーサ)をあやしている。
璃彩は特に外傷と共に体内にも特に問題がない事が確認された。璃彩もすっかり元気だ。
ふたりの「兄」たちに遊ばれて、とて楽しそうな声をあげている。
そんな様子を背中で感じつつ、格之進は考えごとをしていたのだ。
「はぁ…」
とため息をついてから
なんて、頭の中で考えていた。
そこへ
「“俺は役立たずだよなぁ…サウサリコへ連れて行ってもらえなかったたのも、本当はみんなの足手まといにになるからじゃないか?今後、マァル将軍がもし襲ってきたら…?その時は僕が居ることで迷惑をかけてしまうのではないか…”とか考えてそーねー」
と背後で声がして、格之進は思わずビックリして振り返った瞬間、イスから転げ落ちてしまった。
「だ、大丈夫ぅ?!」
生明だった。
「いてて…だ、だ、大丈夫…てか、なんで僕の気持ちを…?」
「うーん、なんとなく」←絶対嘘だろー
「そ、そうか」 ←信じるんかーい
「まぁ、色々考えることは無駄じゃないよ。あ、お腹空いてない?」
「あ、うん。あれ?そういえば…お腹空いてたかも…?!」
「そか。じゃ、何か作るけど、何がいーい?」
「なんでもいい…簡単なものでも」
「わかった!」
と言って、生明はキッチンへ向かっていった。
そして出てきたのは特盛りの卵かけご飯だった…
目の前に着丼されて、その量に驚いた格之進。
「へへー!全部食えよなー。残したら全部食わせるかんな!」←意味不明
「何でもいいって確かに言ったけど…簡単なものでもいいって言ったけど…(汗滝)」
格之進はテキトーに答えた自分に後悔したのだった…
(その2へつづく)