『さりぎわの歩き方』中山智幸・・・79点
<あらすじ>
小幡はもうすぐ結婚式をひかえている。面白そうなニュースをピックアップして編集する仕事をするかたわら、小幡は自分の青春が終わったのはいつだろうと考える。彼女のいなさそうな岡元たちと小幡は結婚する前に一泊二日の合コン旅行に出掛ける。が、その旅行の帰り道に車が事故を起こして怪我をする。ひとりで帰り事故を免れた岡元に小幡は暴力をふるう。
あらぬ痴漢の嫌疑をかけられた旧友の今川は学校の教師をやめていたが、今度は田舎に建てた学校で生徒たちをあつめ再出発をはじめた矢先に少年に対する淫行を起こす。今川は自殺する。小幡は世間が今川に一方的な評価をくだすのに反発して、ライターとして彼に対する言葉を紡ぎはじめる。
村上春樹チルドレンのような文章。
すこし力が弱いような感じもします。既視感もありますが、起承転結があって、色んなものを盛り込んでいるわりにうまくまとめていると思います。
私だってまともな小説の一作品も書いたことがないので偉そうなことは言えませんが、村上春樹チックな文体から抜け出して、いかにオリジナリティのある文体で書けるかがポイントだと思う。それと、よくある一人称の語りから脱皮して、内容にふさわしい語り手を設定できるかどうか。