『デッドエンド・スカイ』清野栄一・・・67点
<要約>
幸太郎はある日アパートを追い出されて博之のマンションに転がり込んできた。二十代の彼らは、渋谷のデッドエンドというクラブで、出会い系で知り合った女性とドラッグやセックスに耽る日々。
新人賞としてならこれでいいのかもしれないけど、ずっとこの作風で通すのは難しいと思う。第一、読者がついていかないと思う。
物語としては、何かが起こりそうで起こりません。
日常の出来事を綴った日記のような文章が続きます。
登場人物たちはドラッグを使い、よじれた視線で世界を見ています。
時折、会話文や幸太郎がつける日記の中に、「おやっ?」と思わせるすこしスタイリッシュな文章が出てきます。この小説に可能性があるとしたら、そういう「かっこいい」文章の中にあると思う。
ところで、私は図書館でこの小説を借りました。
一般の本棚にはなく、職員しか入ることができない書庫の中にこの本はありました。内容がドラッグを使ったり、バイクのガソリンに火をつけて爆発させたりという、あまり真似をしてほしくない内容だからでしょうか。
図書館は全ての本を自由に見てもらえるようにしているわけではなく、ある程度選別しているのだなあなどと思いました。