RTCバッテリーが消耗しているときの対応 | 特選街情報 NX-Station Blog

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時計機能が供えられたパソコンをはじめとした電子機器にはボタン電池が組み込まれています。主に充電式リチウム電池が用いられていますが長期間通電しない状態で保管されていた場合には電池の残量が無くなります。PCの場合には、現在の年月日、時刻が維持できなくなります。

 

電池切れ状態でPCに電源を入れて起動した場合には、一般的なPCであればマザーボードのチェック時にエラーを表示して、BIOS画面で現在時刻の再設定を促すようになっています。RTCは現在時刻、つまりリアルタイムクロック(real-time clock)の略です。このRTCバッテリーはノートPCのバッテリパックとは別のものでDate/Timeの維持に使用されます。なお、システムにおいて時刻は様々な基準になっています。OSの動作、ジョブの実行、イベントログの記録やファイルの上書き判断には時刻が必須です。

 

 

RTCバッテリーが消耗しているときの対応

・BIOSで日時を再設定する

・しばらくPCを電源に接続しておく

・ボタン電池を交換する

 

 

RTCバッテリーが消耗していますRTC battery is low でf2押せないときの対応ですが、キーボードのファンクションの「F2キー」を押しながら電源を入れてBIOSを起動させます。誤解しやすいのですが一部の機種では既に電源ON状態で上記の例のようなメッセージが表示された状態でF2キーを押してもBIOS Setupへ移行しないのです。また、ファンクションキーに別の機能と入れ替えられる機種ではFnキーとF2キーの同時押しも試してみます。

 

最近では「RTC battery is low Press ENTER to set Date/Time」のようにメッセージが表示されて、エンターキーを押すとBIOSの設定へ進む機種も増えています。搭載しているBIOSのメーカー、種類によって異なるので機種ごとにBIOSの呼び出しと時刻の設定手順も違います。

 

無事にBIOSのメニューが表示されたら、年月日(Date)と時刻(Time)の設定を行い、他のBIOSの値を確認し元の値に復旧して保存します。そのあとにはインストールしてあるWindowsなどのOSが起動するはずです。

 

Date/Timeの設定をした後の話ですがバッテリーが十分に充電されるように数日程度電源ケーブルを接続しておいてから、改めてコンセントから電源ケーブルを外したあと再度PCを起動してすぐに同じエラーになるときは、RTCバッテリー用のボタン電池が劣化している可能性が高いです。

 

ボタン電池なので交換すれば済はずですが分解技術と作業工数がかかります。PCのRTCバッテリーは、大抵はマザーボードの電池ホルダーに直接装着されているか、ボタン電池に絶縁の上でリード線に2PIN JSTコネクタを用いて取り付けられています。前者であれば同型の電池に交換します。後者の場合にはBIOSバッテリー、CMOS電池のような名称で販売されているリード線・コネクタ付きの電池を購入します。交換にあたっては電圧、+-の極性を確認します。

 

ユーザーによる修理する権利を認めている一部のメーカーではRTCバッテリーに関してもメンテナンスマニュアル、作業手順ビデオを公開しているので自己作業も可能でしょう。しかしメーカーとしてはPC本体を分解して電池交換作業することになるので修理扱いになり、メーカーサポート窓口に有償で依頼してもらおうとするはずです。残念なことに一般的に消耗品(電池、バッテリー類等)はメーカー保証や販売店の延長保証も対象外です。

 

2014年9月のWindows10の発表から今年で10年になり、まだまだ現役で使い続けているPCにおいてもボタン電池の交換が必要になってきています。しかし使用中のPCのRTCバッテリーが消耗していることには普段は気付きません。PCが電源に接続されていてバッテリーパックも充電されていれば、たとえRTCバッテリーが消耗していても日時やBIOSシステム情報が維持されます。長期休業時のブレーカー遮断、停電、模様替えなどでPCへの電力供給が絶たれたときに突如として問題として顕在化します。

 

RTCバッテリーにはPC駆動用のバッテリーパックのような残量表示がないためテスターで計測するくらいしか消耗を確認する方法がないのです。

 

使用環境によって異なるものの補修用部品の保有期間の目安の7年頃にはボタン電池の経年劣化が進んでほぼ電池切れ状態になるにも関わらず公式に対応してくれる窓口が無くなります。自分で交換作業をやれない人向けにはパソコンショップやサードパーティーの保守ベンダーでは数千円から1万円程度で電池を交換してくれるところがあります。

 

PCを生産設備の制御用に組み込んでいるような用途では保守業者と長期保守契約を結び定期的に消耗品の交換作業をしたり、メンテナンス技能を自社内に保有して自営保守作業をできるようにしておくことが必要になってきます。PCの中古品の活用や個人的な趣味としてレトロPCを維持して楽しむ場合にも自己作業でできるようにしておいた方がいいでしょう。

 

以下に参考情報としてNECパソコンに関するリンクと私がよく購入しているアマゾンのボタン電池を紹介します。安価な電池を買っておいて中古PCを購入し最初に中身の確認のために分解したついでに交換しています。重要なPCには安心のPanasonicの電池を奮発しています。

 

 

■参考リンク

PC起動時「RTC is Broken」を始めとするRTCエラーが発生した場合の対処方法 [NEC]

パソコン起動時にRTC(リアルタイムクロック)のエラーが表示された場合、システム情報保持用のバッテリーが枯渇している可能性があります。
パソコンを初回起動した場合、または長期間使用しない状態だったパソコンの電源を入れた場合に「WARNING! RTC is broken」や「CMOS Date/Time Not Set.」のようなRTCやCMOSに関するエラーが表示されることがあります。

(中略)

現象が再発する場合

BIOSから日時を入力したのちにしばらくAC電源を付けたままにしても現象が再発する場合は、電池の寿命である可能性があります。修理窓口までお問い合わせ願います。

 

NEC LAVIE公式サイト サービス&サポート 修理料金表

RTCバッテリーの交換料金は記載されていません。(2024年3月末時点) 

 

調整作業料    \18,810(税込)
部品の交換ではなく調整作業により症状が回復する場合の作業料です。

とあるので、これにボタン電池代が追加されて2万円くらいになるのではないかと思われます。

 

 

・アマゾン コイン電池、ボタン電池、BIOSバックアップ電池

 

 

 

 

 

 

リード線の取付タブは電池自体にスポット溶接して取り付け、熱圧縮チューブで絶縁加工しなければならないので、特殊なコネクタの場合には電池ソケットにしておいた方が次の交換がやりやすいです。

 

 

 

 

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