Jetson Nano 開発者キットの製品ライフサイクル

NVIDIAのエッジ AI向けプラットフォームの廉価モデル「Jetson Nano 2GB 開発者キット」は2022年にEOLが発表されていて、製品のメーカー出荷も終了しています。「Jetson Nano 開発者キット B01」(メモリ4GB)も終息に向かっている模様です。

後継製品は「Jetson Orin Nano開発者キット」でJetson Nanoの最大80倍の性能でAIモデルを実行できます。

Jetson開発者キットは、実稼働前環境でソフトウェアを開発およびテストするために使用されることを前提とした製品で運用や可用性についての補償が元々ありません。JetPack 4 は2023年にEOLになり、持続モードでJetson Xavier、Jetson TX2、および Jetson Nano をサポートする状態です。後継のJetPack 5 は、実稼働対応の機能リリースで Jetson Orin と Jetson Xavier をサポートしています。

現在でもJetson Nanoについてはセキュリティパッチの適用をして使用すればセキュアに利用できます。Jetson NanoシステムはLinux (ubuntuベース)であり、NVIDIA JetPack SDKとして提供されています。NVIDIA Jetson Linuxは、Linux カーネル、UEFI ベースのブートローダー、Ubuntuベースのルートファイルシステム、NVIDIA ドライバー、必要なファームウェア、ツールチェーンなどを提供します。開発者へディープラーニング用のライブラリ、フレームワーク、APIなども用意されておりNVIDIA Jetson モジュール上でハードウェアアクセラレーションを活用したエッジ AI 開発を行うための充実した開発環境を利用できます。サンプル、ドキュメント、開発者ツールも付属しており、ストリーミングビデオ分析用の DeepStream、ロボティクス用の Isaac、対話型 AI 用の Riva といった上位レベルの SDK をサポートしています。

最近の円安やAI向け半導体不足の影響と高機能化で、Jetson Orin Nano開発者キットは手軽に入手しにくい価格になりました。従来のJetson Nanoのような1～2万円程度で学習できるAI開発キットが提供されるとプログラミング学習からロボット制御やカメラ・センサーによる物体認識に取り組む開発者の裾野が広がると思います。

シングルボードコンピューターとしてRaspberry Piが学習者向けのラインナップを拡充しているのに対して、Jetsonシリーズは産業用に特化しつつあります。今年のNVIDIA GTC AI カンファレンス(会期：2024年3月18日から24日まで、場所：米国カリフォルニア州サンノゼ )では、最新のアクセラレーテッドコンピューティング、Grace CPU製品やGPU製品だけでなく新しいJetsonシリーズのラインナップが発売されるか、ロードマップの更新にも注目です。

■製品リンク

・Jetson Orin モジュールと開発者キット [NVIDIA]

・Jetson Nano の開発者キットとモジュール [NVIDIA]

・NVIDIA JetPack SDK [NVIDIA]

■製品販売

Jetson Nano 開発者キット B01 [スイッチサイエンス] ★在庫限り

NVIDIA Jetson Nano 開発者キット B01

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