従兄弟のトシ君(仮名)にカミングアウトした話の続きです。

 

仕事でNYに2週間滞在したトシ君を、Dと私が住む家に招待して、入念に段階を踏んでカミングアウトをした話がこちら。ちなみに、カミングアウト記事の効果なのか、昨日の同性カップル部門のランキングで自己最高位の総合2位を獲得することができました。ご覧いただきありがとうございました。

 

 

ジリジリ順位を上げ従兄弟へのカミングアウトで初の2位。

 

トシ君が帰国する前の日の夜、次、いつ会えるかもわからないので、マンハッタンのイタリア料理屋で、2人だけでお別れのディナーに誘いました。カミングアウトしてから2人だけで日本語で話す機会がなかったので、カミングアウトの後どう感じていたかなどフォローアップしたい意味もありました。

 

ただ、その日トシ君は、仕事のヘルプで急遽日本から出張してきた日本人の若い後輩を1人にするのは可哀想なので、連れてきてもいいかとなり、一瞬「え?」と思いましたが、食事の前後に2人だけで話せるように時間を見つければいいかと思い3人でディナーすることになりました。しかし、そんな時間は全く見つけられず、食後はもう少し夜のマンハッタンをぶらぶらしたいという2人と別れることになりました。

 

ユニオンスクエア付近のDa Andrea

 

そして、その数日後。母親から衝撃のテキストが。

  • 母「あなた、ずっと一人暮らしだと思ってたけど、誰かと一緒に住んでるの?」
  • 私「トシ君から聞いたの?」
  • 母「まさこさん(仮名・義理の叔母、トシ君のお母さん)から聞いた。」
  • 私「え、まさこ叔母さん?親しかったっけ?」
  • 母「一緒にお芝居見に行ったりしてるわよ。」
知らなかった!トシ君の父(叔父=私の母の兄)は他界しており、外戚であるまさこ叔母さんとうちの母は、気軽に連絡を取るような関係ではないと私が思い込んでいたのです。
  • 私「へえ、で、叔母さんなんて?」
  • 母「あなたが稲垣君状態って聞いたけど。」
  • 私「稲垣君状態って何?」
  • 母「ほら、SMAPの吾郎ちゃんが他の男性と半同棲してるって話」
  • 私「そんなの知らないけど」

テキストのやり取りしながら、稲垣君状態という言葉を解析したら、10年くらい前に当時SMAPの稲垣君がテレビで「ひろくん」という年上のおじさんと半同棲しているという話をしたそうなのです。あれは稲垣吾郎のゲイカミングアウトだという意見と、ただの仲良い友達でしょ、という意見、いや、ゲイでもありバイでもあるんだ、等々大論争を引き起こしていたようですが、その後のSMAP解散騒動や稲垣君含めた3人のジャニーズ退所でしばらく稲垣君がTVから干されてしまったので、その後うやむやになりいまだに謎に包まれているようです。

 

もうその頃から私は日本を離れていたので、芸能ニュースには疎く始めて知りましたが、有名な話だったようですね。以下、ネットの拾い写真。ネタなのか、カモフラージュなのか、芸能界は奥が深いです。なお、ひろくんは既婚者で奥さんは元宝塚スターだそうです。

 

 

 

 

一体、トシ君は日本に帰ってまさこ叔母さん何をに伝えたんだろうと興味津々になりました。当初、トシ君にはうちの両親には言わないでくれとお願いするつもりでした。しかし、今後もし私の身に何かあった時に、Dと日本の私の家族の間に入って連絡してくれるのは親戚一同で唯一まともな英語が話せるトシ君以外にいないと思い、そんな役割をトシ君に期待してで私とDの生活を秘密にしてくれというのはやめました。流れにまかせよう的な。

 

そして今、稲垣君状態というキーワードが私の家族親戚内でバズっていることに加え、うちの母とまさこ叔母さんがまさか友達化していることは驚きでした。でも、確かに私がアメリカで過ごした20年の間にも、日本にいる母にもまさこ叔母さんにもそれぞれの人生があり、叔父なき後も2人が交流していることは嬉しくもありました。

 

さて、トシ君が私のDとの生活を稲垣君のような状態と表現したことについて、どう解釈していいのか。もしかしたら、本当にそう思っているのか、もしくは、彼なりの判断でNは男性と結婚している、という話をしてしまうと、叔母もうちの両親も驚くだろうから、煙に巻く意味で、ニュアンスは含むけど確定はさせないという例で稲垣君状態と称したのか。もしくは、トシ君と叔母の間では私の同性婚の話は確定したけれど、うちの両親にはきちんと言わないでおこうとなったのか。とても日本的な幕引きであることは確かです。

 

日本的なカミングアウト解釈といえば、ここ数年の氷川きよしの豹変ぶりから一時休業、その後復帰した時の軟着陸はとても日本的と思いました。氷川きよしはアメリカ的な枠に当てはめると、LGBTのT、つまり「トランスジェンダー」を指向しているように見えますが、紅白歌合戦で復帰した時は「これからも”自分らしく”歌を届けていきたい」という、とても日本的な言葉を持って多様性の時代の幕開けを演出しました。実質これがカミングアウトとされているようですが、欧米のように「He came out as trans(彼はトランスだとカミングアウトした)」と白黒はっきりさせるのとは大違いです。それどころか、日本の大手メディアでは氷川きよしの「演歌界の貴公子」路線を継承させようとしています。

 

氷川君の近影。彼のインスタ。一瞬中山美穂かと思った

 

私のカミングアウトを日本の家族に彼がどうやって伝えたのか、トシ君本人に真相を聞けばいいんでしょうけど、それはしていません。私とDの関係について、一緒に住んでいるという事実は知ってもらっているだけで十分で、解釈は両親や親戚一人一人のそれぞれのキャパや想像力に任せておこうと思うのです。母が知っているということは、父や弟にも伝わったのだろうけれど、今のところ誰も何も言ってきてません。よって、それほどスキャンダラスな話にはなっていないのか、それとも逆に、腫れ物に触るなの精神なのかもしれません。とりあえず、万が一私に何かあったときに、Dからトシ君経由で、うちの家族に連絡ができるルートが開設された事実に満足しています。

 

母からのラインでの会話の終わりに「でもアメリカみたいな危ない所で、1人で住んでると思ったから安心した」というフレーズを見てやや救われた気がしました。もしかすると、これが母にとっての真理なのかもしれません。トシ君へのカミングアウト、これで成功なのか、失敗なのか、とても日本的な結末を迎えたなと思っています。

 

最後に、せっかくなので、トシ君と後輩君と行ったイタリアンのお店「Da Andrea」の紹介。マンハッタン在住の時は、近くのミニシアターに映画見に行く時によく使ってました。隠れ家的に静かなお店で予約なしで入れる印象でしたが、今回行ったら満員でびっくり。いつの間に人気レストランになってました。予約しておいて良かったです。我々が行ったのはグリニッチ・ビレッジ(Greenwich Village)店ですが、チェルシー(Chelsea)にもお店があるようです。味、ボリューム、サービス総合点が高いレストランです。自家製ティラミスがおすすめ。

 

 

 

 

 

自己ベストのランキング2位。応援ありがとうございました

 

 

 

 

 

 

 

 

先月、従兄弟がニューヨークに出張中にホテル探しを手伝った話をブログにしました。

 

その従兄弟、トシ君。ハワイやカリフォルニアには旅行で行ったことがあるものの、アメリカに仕事で2週間も滞在するのは初。私とホテルの件でやりとりしている間に、私がニューヨークの郊外でどんな生活しているのか興味が出てきたみたいで、滞在中の週末のうちに遊びに来てもいいかと聞かれました。

 

私は日本の家族にはカミングアウトしていないので、当然、彼も私がゲイであるとは知りませんし、旦那Dという存在がいることも知りません。その週末は旦那も家にいる予定なので、さて、どうしようかと迷いましたが、結局従兄弟のリクエストを受け入れ、結果的にはこの機会にカミングアウトしようと決心しました。

 

私には父方母方合わせて15人の従兄弟・従姉妹がいますが、大人になってからはせいぜい親族の法事や祖父母の葬式で会うくらいでした。しかし、この従兄弟のトシ君とは昔から波長が合い、大学も同じで3年下の後輩でもあったので、例外的に友人の様に連絡を取り合っていました。一般的な日本人中年男性に比べるとフレキシブルかつリベラルな考えの持ち主で、彼にならカミングアウトしてもいいかな、と思ったのです。改修後あまり使っていないゲストルームもあるので、泊まっていけばと誘ってみたら喜んでくれました。

 

しかし、いきなりうちに連れて行って玄関先でDが待っていて「彼が私の旦那です、」というアメリカチックなカミングアウトは純日本人であるトシ君にはきついかなと思い、まずは心の準備をしてもらうためにまずは、うちを訪問する前の日にあらかじめカミングアウトすることにしました。

 

私:「トシ君、うちに来てもらう前に伝えておかなければならないことがあって、、」

 

トシ:「え、何?いきなり金髪の奥さんとか子供いるとか言わないでね?」(いかにも日本人男性的な返しでいきなりズッコケそうになりました。)

 

私:「うちに来てくれる時に、大切な人を紹介したいんだ。”彼”とはもう10年以上の付き合いて、ここ6年は一緒に住んでます。」(ドキドキしたけど、言ってしまった、、、。)

 

トシ:「(一瞬間が空いて)あ、そうなんだ。なんて名前なの?」(伝わったかなと思いました)

 

私:「Dという名前のアメリカ人」

 

トシ:「へえ、会うの楽しみ。何かお土産持って行くわ。Dさんは酒飲むの?」

 

と、ここまで話して、受け入れてくれたと安心しました。もしかしたら驚いていたけど、気を遣って平静を装ったのかもしれないとも思いました。ただ、もっと色々質問してくると思ったけど、やけにあっさりした反応だなという一抹の不安はありましたが。

 

そして、従兄弟トシくんの我が家訪問の日がやってきました。マンハッタンからメトロノース鉄道でやってくる彼をまずは私が最寄駅まで車で迎えに行きました。昨夜の電話での会話ではあまり詳しくは話せなかったので、車の中では、Dとの出会いの馴れ初めとか、今まで行った旅行先などの話をしました。直行すると10分くらいで着いてしまうので、そういう話を日本語で済ませておくために、わざわざ郊外ドライブをぐるぐると1時間近くして家に向かいました。ただ、遠慮があるのか、それほど突っ込んだ質問はありませんでした。あちこちカボチャの装飾が始まった秋のニューヨーク郊外の風景が綺麗で私とDの話よりも、アメリカでハロウィンの祝い方の話や最近の日本での異様な熱狂の話で盛り上がりました。

 

アメリカの秋の風物詩、道路沿いのカボチャの販売

 

ハロウィンももうすぐです

 

郊外ドライブの後、家に着きついにトシ君とDのご対面。英語で以下のような会話をしました。

 

トシ:「今日はご招待ありがとうございます。」

 

D:「”我々”の家にようこそ。あなたのことはNから聞いていました。会えることをずっと楽しみにしてました。」(Welcome to "Our" houseとDもカップルアピール)

 

トシ:「素敵なお家ですね。私もDさんに会えて嬉しいです。」(従兄弟のスマートな感じの返答にまずは安心。カミングアウト成功か!と思いました。)

 

しばらく、Dは日本での駐在経験や私との馴れ初めの話をしました

 

トシ:「日本にはよく行くんですが?」

 

D:「NWと2人でほぼ毎年行ってます」

 

トシ:「仲良いですね。今度日本にくるときは2人で私のところにも遊びに来てください。」

 

Dがいるときは全て英語の会話ですが、この会話から従兄弟が我々がカップルだということを悟ってくれたと信じていました。これまでも、親しい人たちにはこのような自然な流れでカミングアウトしてきました。ただ、「私たちがゲイカップルで、同性婚もしています」とは言いませんでした。一度はそうしようかと思いましたが、日本語で言うと生々しくなってしまい、トシ君がドン引きしてしまうのではないかと不安があったので、そう言うストレートな方法は使わず、家に呼んで、カップルとしての日常をみてもらう事でカミングアウトを完了させようと思ったのです。
 
その日の夕食は外食で済ませ、翌朝はDがありあわせのもので朝食を準備してくれました。トシ君は、私とDが2人でキッチンに並ぶ姿を見て、「仲良いね〜。うちなんて、(奥さんが)キッチンに入れてくれないんだよ〜」などと言うので、ああ、トシ君にカミングアウトして良かった、と思いました。
 
Dが準備した朝食。原価10ドルもしない
 
その後、しばらく歓談してうちの近所を散歩して郊外生活の様子を見てもらいました。そして、この日はDがコストコに買い物に行く予定を立てていて、トシ君も興味があると言うので、3人でコストコに買い物に行きました。Dがカートを押し、そこに私が自分が欲しいものをどんどんぶち込んでいくのを見て、トシ君がDに「お財布も一緒なの?」と聞いていました。そしたら、Dが「Yes, since we got married, we have joint account(結婚してから共同口座です)」とさらっと言ってました。
 
前の日の夜から、一緒にカップルとして生活する姿を見せてきて、こうして自然に結婚している、と言う言葉を自然な形で言ってくれたDにナイスジョブ!と思いつつ、トシ君の顔を見るのが怖くもあり、恥ずかしくもありました。私はずっと聞いてないふりをしていましたが、これで良かったなと思いました。トシ君はアメリカ本土のコストコは初挑戦。ハワイの店舗には行ったことがあるようですが、品揃えに興奮してました。奥さんや子供達へのお土産も見つかり満足げでした。それにしても、いつの間にか、日本のメーカー商品が増えていてびっくり。以前は、マヨネーズとかゴマドレッシングなどのキューピー製品、おーいお茶、ポッキーくらいでしたが、今や日本酒まで扱っているし、井村屋まで進出しています。
 
最近は日本の製品が激増しています
 
数年前までは日本酒がコストコで売ってるなんて考えられなかった
 
と言うことで、コストコという真剣な話をするには似つかわしくないような場所で、「結婚している」という超重要情報を伝えることになりましたが、こういう自然な流れの方が逆に良かったと思います。
 
従兄弟へのカミングアウトを共有させていただきました。コストコの後は、トシ君を駅まで見送り、Dとはトシ君を招待して良かったねと2人で話しました、、、が、この後トシ君へのカミングアウトが思わぬ方向へ転び、衝撃の展開になっていくことをまだ知る由もありませんでした。
 
と、私のブログごときでもったいぶったりして申しわけありませんが、長くなりそうなので、今日はこの辺で、、。

先週、気骨のあるアメリカのイケオジ政治家の話をブログに書いたら、好評でアクセス数、ランキングとも数日間にわたって好位置に食い込むことができました。イケオジネタ強しです。

 

ということで、今日はもう1人、地元ニューヨークからイケオジ政治家を紹介します。それはニューヨーク市長選に立候補しているNY州議会議員現職のゾーラン・マムダニ氏です。まだ33歳なのでおじさんという年齢には達していないかもしれませんが、大学生くらいの若い子たちが、彼のことをCool Daddy、まさにいけてるダディーと称していたので、彼の支持者が多い若い世代から見たら十分おじさんなんでしょう。50代目前の私から見たら、まだまだ青年の部類に入りますが。

 

 

彼は民主党のなかでも左寄りの民主社会主義者と言われています。出自は、アフリカ・ウガンダ生まれのインド系の移民で、宗教はイスラム教徒という、まさに多様性の街ニューヨークを象徴するような存在です。反体制で左派という思想で、ニューヨークの若者を中心に熱狂的な支持を得ています。今のところ、候補者の中で支持率は1位、このままの勢いを維持すれば11月の選挙では当選するでしょう。

 

公約を見ると、家賃を下げる、公共交通機関を無料化する、食品や日用品の物価を下げる、と庶民の味方というアピールですが、その財源として大企業や富裕層への課税を強化を掲げていますので既得権益層からは警戒視されています。私はもうニューヨーク市に住んでいないので、半分他人事のように聞いていますが、それでも、マンハッタンへの勤務者として市内で過ごす時間は多いので、治安問題などはとても興味があります。警察予算削減はまずいと思います。あと個人的には、バス無料は大反対です。一度COVIDの時に無料開放してしまってから、今や無賃乗車が当たり前になってしまってます。5番街やレキシントン街走ってるバスはアッパーイーストの金持ちも、ミッドタウンに通うホワイトカラー通勤者も乗ってくるので、みんなバス賃払ってる印象ですが、ハーレムに近くなるにつれてほぼ無賃客になってます。

 

マムダニ氏が思うように大企業や富裕層へ増税で辻褄合わせても、将来市長が変わって政策も変わった時、一度無料にした公共サービスを有料に復活させるのはとても難しいです。結局、公共サービスを税金で賄えなくなって財源がなくなれば、バスなどは路線廃止となり、結局は不便を被るのは住民なのです。

 

政策評価に話が逸れてしまいました。マムダニ氏本人の話に戻り、彼が若者特にZ世代から人気があるのは色々理由があると思いますが、存在がとてもカリスマチックです。恐怖を含む威圧のような感じではなく、笑顔の中にも芯がある、何かやってくれるだろうという期待感。そして、ソーシャルメディアの使い方もとても上手です。通勤の電車の中で、彼のアカウントを見てる若者を結構見かけます。まるでポップスターみたいな親近感を醸成するのに成功しているようです。彼自身もバリウッド俳優みたいな整った顔、均整のとれた体型をしていて、万人受けする容姿です。インド系移民とは言っても、インド大陸からやってきたわけではないので、あの聞きにくい特有のアクセントはないのでスピーチも耳障りがいいです。そして彼の奥さんがまた、唯ならぬオーラを醸し出している今時の新進女優みたいな雰囲気なのです。しかし、それでも雲の上の人の様な存在でもないという、人当たりが良くて、みんなに優しい学校の中のいけてるカップル、という存在と言おうか。

 

 

私はマムダニ氏より彼の奥さんにオーラを感じる

 

さて、ニューヨークの市長選挙まであと1ヶ月と迫りましたが、果たしてマムダ二氏は選ばれるのでしょうか。先週末に、現市長アダムズが選挙戦脱退を表明して、残るライバルは民主党候補者を一本化する予備選で戦ったアンドリュー・クオモ元NY知事。予備選ではマムダニ氏がクオモ氏に圧勝したのですが、クオモ氏はその後無所属候補者として選挙戦に残り今に至っています。様々な公共サービスの無償化など左派的マニフェストを掲げ、その財源として富裕層への増税を公言するマムダニ氏。その富の再分配的理論に対する既存の金持ち勢力(=主に中高年の白人男性層)が警戒しています。よって、いかに白人層を取り込むかが選挙戦の分かれ道となりそうです。と政治評論家みたいな口調になってしまいましたが、マムダニ氏はその生まれつきの人たらし力で、すでに有力有権者グループの白人のおっさんたちをメロメロにしているという情報もあります。

 

白人のおっさんたちを抱き込めば勝利確実?

 

また、余談ですが、現職のロンドン市長のサディク・カーン氏も南アジア系のムスリム。しかもイケメン。マムダ二氏が選ばれたら、世界の2大都市の市長が移民にルーツを持つムスリムに占められることになります。ロンドンもニューヨークも彼らの出自や人種、宗教などプライベートな属性をバッシングする風潮はほとんどありません。日本のように中身のある政策議論は2の次で、首長の学歴詐称などスキャンダルが選挙の争点化してしまう国と比べると成熟していると言えるでしょう。

 

いづれにしても、11月の市長選、目が離せません。

 

 

10月に入り、朝夕はすっかり涼しくなりました。

 

今日は、夏の間に通勤途中見かける半裸男が不快だとしてセクハラを訴えた部下のモニカ(仮名)の話の続き。もう終わった話かと思ったら、まだ続きがありました。

 

加害者の特定もないままセクハラの訴えが認められ、正義感に満ち溢れていた彼女。上司の私まで人事からのお咎めという形で巻き込んで、その後何の報告もなし。それなのに急にまた相談に乗ってほしいとアプローチがありました。

 

前回人事から、モニカにセクハラ相談を受けた時のアクションが遅い&足りないとアドバイスを受けたので、早速時間を作って彼女と面会をセッティングしました。緊急で会いたいというので、こちらは他の用事をずらして予定を空けたのに、その日は忙しいとか言ってきて、何様なんだと思いましたが、まあハイメンテナンスなZ世代、彼女の予定に合わせました。次なる相談というのは、オンラインハラスメントの被害についてでした。要は、半裸男をソーシャルメディアで批判してたら、彼女への批判の方が多かったらしく、そのコメント等に傷ついているんだそうです。

 

モニカ:「先日の件はどうもありがとうございました。」

 

私:「その後、どう?まだあの男に遭遇するの?」

 

モニカ:「最近、服を着るようになりました。だから気が付かないこともあります。」

 

私:「ああ、そう。」(←もう秋なんだから当たりめぇだろうが〜。その男に「気が付かない、」ってことは向こうはモニカに対してなんの意識もなかった証拠。)

 

モニカ:「でもあれ以降、ネットで誹謗中傷を受けているのです。」

 

私:「....?」(相手の素性も知らないまま、勝手に隠し撮りした半裸男の写真をソーシャルメディアにアップして、悲劇のヒロインぶってた反発が一気に来たんだろうな〜)

 

モニカ:「知らない人たちから罵詈雑言を受け取っています。NWさん、ティック(なんとか)とかS(なんとか)のアカウント持ってます?」

 

私:「そういうのやってないし、あまりよく知らないけど、、。」(この女とソーシャルメディアでつながってはいけないと頭の中でアラームが鳴ってます)

 

モニカ:「ああそうですか。(Oh, I see, hummm...そして、大きなため息)」

 

(まるで私が悪いような態度。何だよ、この女。他人にソーシャルメディア期待すんなよ。)

 

その後、前と同じようにモニカが堰を切ったように話し始めました。要約すると、あるソーシャルメディアで例の半裸男が不快だとか、どうして男は上半身裸で歩くのか、などと注意喚起をしていたら、たくさんのアンチコメントが来たとのこと。彼女に賛同する意見もあったのだろうけれど、自分は正しいことしていると信じてやまない彼女にとっては、アンチコメントは想定外だったようです。で、どんな具体的にモニカが受け取ったネガティブコメントはというと

  • 「知りもしない人の写真を拡散してるお前の方が常識外れ(←これ、私も思った)」
  • 「正義感ぶるなよ。嫌なら道の反対側歩けよ(←私もこういうアドバイスした)」
  • 「その男のこと、好きなんじゃね〜の?」(←私もこれは勘ぐった)
  • 「その男がレベルAだとしたら、あんたはレベルDはF。」(確かに、あの男の顔と体はレベルAだわ〜)
  • 「You are ugly (お前、ブス)」(これに👍が20個くらいついてたらしい。)

Uglyなんて言われたら傷ついたでしょうね

 

また、ひとしきり炎上したら、コメント欄が、彼女が忌み嫌ってたはずの半裸男の容姿や肉体への絶賛で溢れていたそうなのです。しかも、その黄色い声は彼女と同志のはずの女性からばかり。女性代表で不快な男を懲らしめるというモニカの正義的行動は、ソーシャルメディア空間ではあまり評価されなかったようです。

 

聞いていて、不憫になってきたので、「わかった、もういいよ」と制止しましたが、話してる間に泣き出してしまいました。たまたまティッシュペーパー持っていたので、差し出しましたが、彼女が泣き止むまでの1−2分が永遠に感じました。うちの会社、ほぼ全ての会議室がガラス張りで完全な密室がないので、これじゃ誰かが外から見たら、私がモニカを泣かしてるみたいに見えなくもないな、などとの思いがめぐります。

 

まず私が最初に思ったのは「自業自得じゃない?」ってこと。毎朝半裸男に遭遇して不快なのは分かったけれど、それを成敗するためにソーシャルメディアでネガティブ・キャンペーンを拡散したのはモニカ本人。私にも写真送ってきたし、きっと色々なところでばら撒いてるんだろうと思います。でも、ネットのアンチコメントや、まさかの半裸男崇拝モードに傷ついてる彼女の傷口に塩を塗るようなことはしたくないので、とりあえず彼女が泣いてる間、さて、何言ったらいいかな〜と考えました。モニカは罵詈雑言を受けるほどブスだとは思いませんが、あまり下手なこと言えないので、私としては「人事に相談してみるね、」と一旦持ち帰ることにしました。あとは、セクハラ被害認定された時に手配してもらった産業心理カウンセラーに相談してみたら、と言っておきました。

 

SNSではこの半裸男の味方が多かった模様

 

正直、社員のために、プライベートでのソーシャルメディアでのネットいじめの被害まで会社が介入しなければならないのか個人的には甚だ疑問ですが、ここで再び対応を誤ると私の管理職適性を問われかねないので、まずは私の部署に割り当てられてるHRビジネスパートナー(部門人事担当者)にこの件の報告と対応の相談をしてみました。前回のブログで私がモニカからのセクハラ相談を人事に報告しなかったと注意してきた女性なので、緊張しながら私なりの見解を述べたら、結構あっさりと「社員のプライベートなソーシャルメディアでの投稿にまで介入する必要はない」というのが彼女の見解。


さらには、モニカがソーシャルメディア投稿に関する社内規定に違反してる可能性もあるかも、と。HRビジネスパートナー氏は、「個人のソーシャルメディア投稿などは社員の勝手。でも社員には会社の情報などをソーシャルメディアで公表してはいけないという義務がある。例の(セクハラの)件も書いてるならなおさら」と、モニカに落ち度がある感じの結末になったのです。ここで私もその流れに乗って、モニカがやってるティックなんとかというソーシャルメディアのアカウント自体持っていない、(だから私が調査する術はない)と言ったら、彼女は「そうよね。それは”我々”の仕事じゃないわ。(That's now our role)」となりました。


結局、当面はセクハラ判断の時の心理カウンセラーに相談してもらうという対応で一致しました。ちなみに、モンスター従業員などの対応で、人事や法務と対応を協議していく上で”We"や"Our"という言葉が出てくると安心します。というのは、会社として、モンスター社員に対抗していこうという意思の表明であり、マネージャー的には部下社員からのクレーム対応において会社から守られているという気がするからです。

 

いい写真がないので、過去ポストから使い回し

 

ということで、今の会社で管理職に昇進して初めての人事案件でした。本当は、もっと戦略的なこと(例えばAI人材のリクルートとか、チーム全体がハイパフォーマンス集団になるためのトレーニング導入とか)で人事部との時間を使いたかったのですが、これが現実です。モニカには気の毒ですが、やはり会社と個人での一線はあるので、プライベートの時間でやってるネット空間でのトラブルにはなんとか自分で対処してもらいたいです。

 

アメリカで20年過ごして思うのは、この国では、どんな形であれ人を攻撃すると必ず自分も同じ程度かそれ以上の仕返しが跳ね返ってきます。よって、その攻撃やネガキャンはそれだけの価値に見合うものか精査しなくてはなりません。もちろん、人と対抗しなければならない場面もあるのですが、そういう時にはしっかりと理論武装して(時には物理的な武装をして)戦い抜くだけの準備が必須です。モニカは一方的に半裸男を攻撃し、ネガキャンを展開し、結果的にネットで彼の見方をするような人たちのアンチの怒りということでしっぺ返しを喰らい、精神的に大きなダメージを負っています。所詮部下といえど他人なのでこれ以上は立ち入りませんが、頭がいい女性なので、こういうアメリカ社会の真理みたいなものに気がつくと期待します。

 

前回のセクハラへの不完全対応へのお咎めの反省から、モニカのネットいじめに関する案件の対応について、言った言わないにならないように、HRビジネスパートナー氏との話の要点を書いてメールしました。こういうメールは書くのに時間がかかるので、この日は気がついたら夜の8時すぎ。彼女からも早速返信が来て、法務部にも確認すると案件を引き取ってくれました。前回の落ち度から学んで積極的に人事や法務など社内を味方につけて、モニカみたいな社員の行動から身を守ることもとても大切ということを再確認しました。

 

久々に遅くまで会社にいました。日が短くなり、グランドセントラル駅に着いた頃にはもう暗くなってました。

 

日が短くなりました。グランドセントラル駅21時

 

 

 

 

 

アメリカの政治は分断が進み、混迷を極めています。白人優先主義を隠しもしない現政権の性的マイノリティへの攻撃はすでにデフォルト化しており、リベラルなニューヨークにいてさえ、外国人でしかもゲイとして漠然とした不安を感じます。

 

ちなみに、どうしてトランプ率いる共和党はLGBTを攻撃するかというと、同性愛は罪だと信じるキリスト教福音派などがその支持基盤だからです。もちろん、アメリカ政治にはそれ以外に、移民問題はじめさまざまな対立軸があり簡単には割り切れませんが、同性婚や妊娠中絶問題が選挙の度ごとに争点になるのは、宗教が政治と深く結びついているからです。そんな、今日のカオス的なアメリカ政治中で、私にとっての一服の清涼剤は、マイノリティーのために闘ってくれる政治家たち。トランプの顔色伺ったり仕返しを恐れて押し黙っている政治家もいますが、気骨のある政治家もたくさんいます。

 

最近、テレビをつけて、そのエキゾティックでイケオジな風貌に釘付けになったのは、オレゴン州・州議会議員のCyrus Javadi氏48歳。元々は共和党から選出された議員でしたが、最近民主党に鞍替えしたことが大きな話題になっています。フェイスブックのおすすめニュースに出てきた時、思わず可愛い〜と唸ってしまいました。

 

 

Javadi氏は地元の歯科医。9人の子供(どうりで男性フェロモンムンムンの雰囲気)の父親でもあります。そんなJavadi氏が共和党から民主党に鞍替えしたのは、今の過激な共和党の姿勢が自分の信念や有権者が求める政治から離れていっていると感じているからだとテレビのインタビューで語っていました。そして、私的に頼もしいなと思ったのは、移籍を決意した理由の一つが、子供のうち1人がゲイであることと関係している様です。自分が所属する政党が自分の愛する息子を攻撃する構図になっていることに辟易していたからです。立候補した党からライバル党に移籍するなど、政治的にはリスクが高く再選の可能性を狭めることになりかねませんが、Javadi氏の勇敢さは大きな感銘を与えオレゴンという比較的小さな州が大きな注目の的となりました。

 

エグゼクティブ向け紳士服のモデルみたい

 

選挙運動中は髭がなかった様です

 

エキゾティックな風貌は、アメリカ人とイラン人の血が混じっているからでしょう。角度によって灰色にも黒にも見える瞳に引き込まれます。宗教的には母方はユダヤ系。共和党から選出されたものの、そもそもの出自はダイバーシティに満ちてます。こうした家柄のバックグラウンドからももとより共和党という枠にははまりきらない気がします。歯科医という職業柄、選挙運動中は髭を剃っていたようですが、彼のような顔立ちだと、髭がある今の方が断然セクシーに見えます。選挙活動の時の写真と議員さんになってからの写真はまるで別人みたいに見えます。やはり選挙に選ばれた政治家として、今の様に恰幅がいい方がリーダーという風格を感じます。

 

ふっくらとして髭付きの方が凛々い

 

次に紹介したいイケオジ政治家は、国政レベルでヴァージニア州選出の米国連邦議会の下院議員Eugene Vindman氏。ウクライナ生まれの50歳。この方は2024年の選挙で初選出された新人国会議員ですが、アメリカ国家安全保障会議 (National Security Council)に属していた元軍高官ということで、カリスマティックな雰囲気を漂わせています。実は、Vindman氏は第1次トランプ政権の時にトランプの弾劾に関与した人でもあります。2019年、ウクライナ政策に関するトランプ政権のスキャンダルをきっかけに、弾劾のきっかけを作ったのですが、その後報復的措置に遭い、職位を剥奪され職を追い出されてしまいます。

 

 

叩き上げの軍人さんです

 

 

しかし、自分の信念を貫きアメリカのあるべき姿を追い求め、地元ヴァージニア州から下院議員として立候補、トランプに立ち向かった男として全国レベルの注目が集まる選挙戦で勝ち上がり、現在下院議員として活躍中です。アメリカでは、軍人や元軍人は国のために奉仕したヒーローとして崇拝を受けており彼はそんなアドバンテッジを最大限に活用して当選を果たしたわけですが、来年の中間選挙での改選に向けて名指しでトランプの標的とされ、ライバルの共和党から刺客を送り込まれることがほぼ確定しています。よって中間選挙まで1年以上ありますがすでに選挙戦モードで精力的に活動しているようです。決して彼の信念は怯むことなく、他の政治家のように手のひら返したようにマイノリティー軽視するわけでもなく、民主主義の理念、表現の自由などを掲げてドブ板選挙展開しています。基本的に、フケ見えする白人男性が多い中、童顔で丸顔のVindman氏は50歳には見えない若々しさで30代後半くらいに見えます。若見えはアメリカの政治家にとってメリットが多いので、このまま突っ走ってもらいたいです。

 

かっこかわいい系は女性有権者にも人気

 

テレビで見ることも多くなり貫禄すら

 

「私はトランプの一番のターゲット」

 

上の2人とも、ストレートの男性で、ゲイではありませんが、2人ともLGBTの権利を擁護するアライです。こういう気骨のある政治家が声をあげていてくれることで、右へ振れすぎを緩和する原動力となって欲しいものです。彼らの活躍はアジア系でゲイという私のようなダブル・マイノリティーにとって大きな安心感を与えてくれています。今後アメリカの政治がどう転んでいくか全く予想がつかない状況ですが、こういう政治家がもっと増えていくことを望みたいです。