従兄弟のトシ君(仮名)にカミングアウトした話の続きです。

 

仕事でNYに2週間滞在したトシ君を、Dと私が住む家に招待して、入念に段階を踏んでカミングアウトをした話がこちら。ちなみに、カミングアウト記事の効果なのか、昨日の同性カップル部門のランキングで自己最高位の総合2位を獲得することができました。ご覧いただきありがとうございました。

 

 

ジリジリ順位を上げ従兄弟へのカミングアウトで初の2位。

 

トシ君が帰国する前の日の夜、次、いつ会えるかもわからないので、マンハッタンのイタリア料理屋で、2人だけでお別れのディナーに誘いました。カミングアウトしてから2人だけで日本語で話す機会がなかったので、カミングアウトの後どう感じていたかなどフォローアップしたい意味もありました。

 

ただ、その日トシ君は、仕事のヘルプで急遽日本から出張してきた日本人の若い後輩を1人にするのは可哀想なので、連れてきてもいいかとなり、一瞬「え?」と思いましたが、食事の前後に2人だけで話せるように時間を見つければいいかと思い3人でディナーすることになりました。しかし、そんな時間は全く見つけられず、食後はもう少し夜のマンハッタンをぶらぶらしたいという2人と別れることになりました。

 

ユニオンスクエア付近のDa Andrea

 

そして、その数日後。母親から衝撃のテキストが。

  • 母「あなた、ずっと一人暮らしだと思ってたけど、誰かと一緒に住んでるの?」
  • 私「トシ君から聞いたの?」
  • 母「まさこさん(仮名・義理の叔母、トシ君のお母さん)から聞いた。」
  • 私「え、まさこ叔母さん?親しかったっけ?」
  • 母「一緒にお芝居見に行ったりしてるわよ。」
知らなかった!トシ君の父(叔父=私の母の兄)は他界しており、外戚であるまさこ叔母さんとうちの母は、気軽に連絡を取るような関係ではないと私が思い込んでいたのです。
  • 私「へえ、で、叔母さんなんて?」
  • 母「あなたが稲垣君状態って聞いたけど。」
  • 私「稲垣君状態って何?」
  • 母「ほら、SMAPの吾郎ちゃんが他の男性と半同棲してるって話」
  • 私「そんなの知らないけど」

テキストのやり取りしながら、稲垣君状態という言葉を解析したら、10年くらい前に当時SMAPの稲垣君がテレビで「ひろくん」という年上のおじさんと半同棲しているという話をしたそうなのです。あれは稲垣吾郎のゲイカミングアウトだという意見と、ただの仲良い友達でしょ、という意見、いや、ゲイでもありバイでもあるんだ、等々大論争を引き起こしていたようですが、その後のSMAP解散騒動や稲垣君含めた3人のジャニーズ退所でしばらく稲垣君がTVから干されてしまったので、その後うやむやになりいまだに謎に包まれているようです。

 

もうその頃から私は日本を離れていたので、芸能ニュースには疎く始めて知りましたが、有名な話だったようですね。以下、ネットの拾い写真。ネタなのか、カモフラージュなのか、芸能界は奥が深いです。なお、ひろくんは既婚者で奥さんは元宝塚スターだそうです。

 

 

 

 

一体、トシ君は日本に帰ってまさこ叔母さん何をに伝えたんだろうと興味津々になりました。当初、トシ君にはうちの両親には言わないでくれとお願いするつもりでした。しかし、今後もし私の身に何かあった時に、Dと日本の私の家族の間に入って連絡してくれるのは親戚一同で唯一まともな英語が話せるトシ君以外にいないと思い、そんな役割をトシ君に期待してで私とDの生活を秘密にしてくれというのはやめました。流れにまかせよう的な。

 

そして今、稲垣君状態というキーワードが私の家族親戚内でバズっていることに加え、うちの母とまさこ叔母さんがまさか友達化していることは驚きでした。でも、確かに私がアメリカで過ごした20年の間にも、日本にいる母にもまさこ叔母さんにもそれぞれの人生があり、叔父なき後も2人が交流していることは嬉しくもありました。

 

さて、トシ君が私のDとの生活を稲垣君のような状態と表現したことについて、どう解釈していいのか。もしかしたら、本当にそう思っているのか、もしくは、彼なりの判断でNは男性と結婚している、という話をしてしまうと、叔母もうちの両親も驚くだろうから、煙に巻く意味で、ニュアンスは含むけど確定はさせないという例で稲垣君状態と称したのか。もしくは、トシ君と叔母の間では私の同性婚の話は確定したけれど、うちの両親にはきちんと言わないでおこうとなったのか。とても日本的な幕引きであることは確かです。

 

日本的なカミングアウト解釈といえば、ここ数年の氷川きよしの豹変ぶりから一時休業、その後復帰した時の軟着陸はとても日本的と思いました。氷川きよしはアメリカ的な枠に当てはめると、LGBTのT、つまり「トランスジェンダー」を指向しているように見えますが、紅白歌合戦で復帰した時は「これからも”自分らしく”歌を届けていきたい」という、とても日本的な言葉を持って多様性の時代の幕開けを演出しました。実質これがカミングアウトとされているようですが、欧米のように「He came out as trans(彼はトランスだとカミングアウトした)」と白黒はっきりさせるのとは大違いです。それどころか、日本の大手メディアでは氷川きよしの「演歌界の貴公子」路線を継承させようとしています。

 

氷川君の近影。彼のインスタ。一瞬中山美穂かと思った

 

私のカミングアウトを日本の家族に彼がどうやって伝えたのか、トシ君本人に真相を聞けばいいんでしょうけど、それはしていません。私とDの関係について、一緒に住んでいるという事実は知ってもらっているだけで十分で、解釈は両親や親戚一人一人のそれぞれのキャパや想像力に任せておこうと思うのです。母が知っているということは、父や弟にも伝わったのだろうけれど、今のところ誰も何も言ってきてません。よって、それほどスキャンダラスな話にはなっていないのか、それとも逆に、腫れ物に触るなの精神なのかもしれません。とりあえず、万が一私に何かあったときに、Dからトシ君経由で、うちの家族に連絡ができるルートが開設された事実に満足しています。

 

母からのラインでの会話の終わりに「でもアメリカみたいな危ない所で、1人で住んでると思ったから安心した」というフレーズを見てやや救われた気がしました。もしかすると、これが母にとっての真理なのかもしれません。トシ君へのカミングアウト、これで成功なのか、失敗なのか、とても日本的な結末を迎えたなと思っています。

 

最後に、せっかくなので、トシ君と後輩君と行ったイタリアンのお店「Da Andrea」の紹介。マンハッタン在住の時は、近くのミニシアターに映画見に行く時によく使ってました。隠れ家的に静かなお店で予約なしで入れる印象でしたが、今回行ったら満員でびっくり。いつの間に人気レストランになってました。予約しておいて良かったです。我々が行ったのはグリニッチ・ビレッジ(Greenwich Village)店ですが、チェルシー(Chelsea)にもお店があるようです。味、ボリューム、サービス総合点が高いレストランです。自家製ティラミスがおすすめ。

 

 

 

 

 

自己ベストのランキング2位。応援ありがとうございました