7月も半分が過ぎました。今夏のニューヨークはやけに夕立が多く、地下鉄が洪水で水浸しになったりしてます。毎日のように天気予報には午後から夕方にかけて豪雨マークがついていて、まるで亜熱帯のようです。なので野外イベントも控えめに、先週末はゲイ友コリアンKとアメリカ人Tカップルの家で開催されたムービーナイトに行ってきました。ムービーナイトはアメリカでは一般的に人気の娯楽なものの私はあまり縁がありませんでしたが、KとTのおかげでその楽しさに目覚めたのは昨年の秋の話。

 

この日KとTが選んでくれた映画は2024年公開の「A Nice Indian Boy」というゲイムービーでした。各種映画祭で入賞するなど気になる映画でしたが、マンハッタンで上映された時には見逃していました。ネタバレしない程度にあらすじを書くと、奥手なインド系医師Naveenはある日、魅力的なカメラマンJayに出会い恋に落ちます。いつか二人は愛し合うようになり、婚約しますが、Naveenはなかなか保守的な両親に打ち明けられない、という異文化カップルのゲイドラマにはありがちなストーリー。

 

 

 

 

今年初めに紹介したリメイク版「ウェディング・バンケット」と似たような物語の展開ですが、私的には「A Nice Indian Boy」の方により共感しました。主人公はじめキャスティングの良さ、登場人物の心理描写の妙、そして、異文化コミュニケーションの描き方の丁寧さなど総合点で上回る気がしました。複数の映画祭で入賞しただけあると思います。インド系の家庭の話ですが、とても普遍的な親子愛、きょうだい愛に満ち溢れた話で、思わずうるっと来てしまうシーンもあり、見終わったあとはあたたかな気分にしてくれました。「ウェディング・バンケット」のように財閥総帥のお婆さんに育てられた天涯孤独の御曹司?みたいな無駄に派手な設定じゃなくて、主人公の両親もごく普通の移民家庭の設定で、インド人俳優さんたちもいかにも周囲にいそうな風貌です。この作品は、設定ではなく脚本と役者の実力で勝負してると思いました。

 

インド式結婚式のシーンも微笑ましくて、懐かしい気分になりました。というのも私も実は以前大学院時代に知り合ったインド人クラスメートの結婚式に参加したことがあるのです。インド系の民族衣装まであちらが用意してくれて、ホスピタリティ溢れる式でした。そんな若い時代を思い出し、感傷的にもなりました。

 

映画の話に戻ると、主演のNaveenを演じたのはインド系若手俳優のKaran Soni。この映画を見るまでは知らない俳優さんでしたが、北米中にいる北米育ちの今時のインド系若者を親近感たっぷりに演じていました。彼みたいなタイプは職場にもいるしゲイ友ネットワークにもいて、一気に話に引き込まれました。そして、Naveenの婚約者を演じたのは、今やゲイ映画界隈の大御所とも言えるJonathan Groffです。一見地味なこの映画をメジャー級に引き上げたのは、彼が配役されたからでしょう。「Glee」で登場して「Looking」で有名になったJonathan。いつも若々しいイメージでしたが、その彼も今年40歳。あまり知られていないインド系俳優の共演者ばかりの中、老舗感漂う風格すら醸し出していました。白人イケメンがカーストの最上にいるルッキズムというカリフォルニアのゲイコミュニティーを生々しく描いた「Looking」のイメージが強過ぎて、彼自身も有色人種には冷たい、という噂が一人歩きしてしまっていたので、この作品で失地挽回でしょうか。

 

映画祭での主演二人の様子

 

Gleeの頃のJonathan Groff

 

Lookingは彼をゲイのアイコンにのし上げた

 

線が細い印象でしたが、意外にもいい体してました

 

この「A Nice Indian Boy」の監督はインド系のRoshan Sethi氏。主演俳優Karan Soniの夫でもあります。自分の夫が、カメラの前の演技とはいえJonathan Groffみたいなイケメン俳優と絡むのに嫉妬しないのかなと余計なお世話は置いておいて、この映画は、Roshan Sethiの自伝的作品でもあるのだと思いました。完成度の高さは彼の力量が大きいと思いました。Roshan Sethi氏は「The Resident 」という医療系の人気ドラマでプロデューサーをしていましたが、なんと彼自身も医者でもあるんです。こういうキャリアの築き方は日本のエンタメ界ではあまりみられないので、とても刺激を受けました。

 

ということで、いろいろな意味で「A Nice Indian Boy」は今年観た映画の中では、一番心に響いた作品となりました。日本公開の予定は未定のようですが、各種ストリーミングサービスで配信されていますので、ご興味を持っていただいた方はぜひご覧になってください。

 

主演のKaran Soniと監督のRoshan Sethiは夫夫

何度かニューヨークにおける物価高の話を書いていますが、今日は日本食レストラン関係の話。わかる人には写真見てどこのお店か分かってしまうかもしれませんが、お店を批判する意図はないので、店名や場所は伏せておきます。

 

ちょっと前の話ですが、旦那と同居する前に一人暮らししてたアパートの近くに行く用事があり、当時よく通ってたある日本食レストラン(通称ジャパレス)に行ってみました。ちょうど昼時だったし、弁当かおにぎりでも買って帰ろうかなと思ったのですが、弁当の値段が7年前に比べて2.5倍になっていることに驚愕。私が住んでいた7−8年前は、弁当を6〜7ドルと当時でもかなりお得な値段で販売していたのですが、今は15ドル。日本人の料理人さんがきちんと調理した手作りの味は今も変わらずですが、この量でその値段はちと高い、、。

 

 

日本の弁当屋だったら700円(=5ドル)程度?

 

しかし冷静に考えると、天井知らずの店舗賃料の値上がり、スタッフ人件費の高騰で、値上げしないとやっていけないんだろうなと思い、逆にお店を気の毒に感じました。きっと原価ギリギリなんだろうなと売り上げに協力したいのは山々だけど、揚げ焼売、親指ほどのチキン照り焼き、卵焼き、煮物に、小さい刺身が2切れ。この日のスペシャル、すき焼き丼も美味しそうでしたが、肉が薄〜く乗ってるだけで量は少なめ。結局、懐かしさよりも、財布の紐の堅さが優ってお買い上げには至らず。

 

弁当かおにぎり、という気分になっていたので、すぐ近くのスーパーマーケットに行ってみました。この辺り、アジア人が結構多く住んでいるので、当時からお惣菜売り場もアジア食が充実していていました。日本食ブームが到来する以前も寿司カウンターもあるようなお店だったので、今はもっと充実してるのではとの期待感。目新しかったのは、おにぎりコーナーの設置。しかし、、またまたお値段が、、。一番安いおにぎりが$4.49。寿司みたいに、生姜と醤油、わさびが付け合わせになって売っていて、一見豪華そうに見えましたが、よく見るとおにぎり自体はかなり小ぶり。日本のコンビニおにぎりより一回り小さい感じです。日本円にしたら、670円位?

 

 

 

一体誰が買うんだろうと思って少し観察していましたが、昼時とあって、結構な人が買い物かごに入れていくのが見えました。比較対象がないアメリカ人にとっては、$4.49が適正価格なんでしょうか。見た目は微妙な感じでどんな味するんだろうと興味はあったものの、腹を満たすには4つくらい買わないと、食事にはならないでしょう。そうすると$20弱。右往左往した挙句、こんなおにぎりに$20ドルも払うんだったら、もう少し高くてもちゃんとした日本料理に金払いたいと、会社近くの日本料理店に行ったら、いつもは待ちがいるランチの人混みが消えて空いていたので、店内で食べることにしました。さっきの店で弁当が$15もするんだから、きっとここの定食はもっとするんだろうなと思い、案の定最低でも$30ドルのランチ定食メニューでした。近くのテーブルのお客さんが食べてたちらし寿司がとても美味しそうだったので、オーダー。イクラをトッピングでつけて、合計$42。ここはニューヨークなので日本円と比べるのは野暮な話ですが、これで6000円以上する勘定です。わさびと生姜まで丼にのってて結構な面積を占めて、損した気分でしたが、イクラも刺身も新鮮だったから自分の中で折り合いをつけることにしました。

 

なぜか、工藤静香の「Fu-Ji-Tsu」が頭の中をぐるぐる。「それはないんじゃない?」でも、こんな値付けしなければならないお店についても「彼女も気の毒ね」という感じです。

 

ガリとわさびが主役ですか?

 

静香は好きじゃないけど、みゆきの作詞は好き

 

最近旦那と一緒に参加したある会合での出来事です。

 

旦那Dは見た目がいい人そうなので、不特定多数の人が集まるパーティーなどでよく話しかけられます。特に傾向はなくて、老若男女、人種も幅広い人たちから話しかけられます。前回のブログで書いた、超絶イケメンの私のボスのように美しさに惹きつけられて人が寄ってくるのとは違って、うちの旦那の場合は「とりあえず警戒しなくてもすみそうな雰囲気」を醸し出しているのだと思います。マンハッタンを一緒に歩いてると、旅行者に道を聞かれるのは大抵Dです。

 

出不精な我々でも、たまにこういう集まりもいいもの

 

そんな旦那ならではの悩みがあります。それは、話好きな人たちの餌食になってしまうということ。最近も彼の性格が引き起こすちょっとした一件がありました。私の仕事の関係で、7月4日独立記念日関連のレセプションに二人で参加したのですが、そこで、我々よりひと回り年配の男性が寄って来ました。最初はワイン片手に楽しく会話してたのですが、途中から、実は会話してるようでそのおっさんが一人喋り続けていることに気がつきました。私とDという人間には全く興味はない感じ。それでも面白そうな話題になったら私もDも自分の経験や知識をかけ合わせて、会話をキャッチボール風にして双方向コミュニケーションにしようとするのですが、それもうまくいきません。例えば、ニューヨークの地下鉄の話になって、こちらが最近地下鉄は使ってない、なぜなら、、、となって会話を展開しようとすると、いきなりロンドンの地下鉄に自分の奥さんと乗った時の話になるなど、おっさんが話したいことを延々と話し始めます。それでも、我々に何かしらの興味があるんだったら聞いていてもいいけれど、そんな様子は微塵も感じません。とにかく、自分の話したいことを次から次へと話すだけ。

 

私の仕事の人脈で参加したレセプションなので、私は他の参列者に挨拶したりするため、そのおっさんから離れました。アメリカ人でないとわからないようなトピックになって私はちょっと脱落気味だったし、お人好しのDはニコニコしながら聞いていたので、きっとそのおっさんの博識を楽しんでるんだろうなと思いDをそのおっさんに託すような感じでその場を去りました。

 

会場を一回りして、同じ職場から参加してる同僚や仕事関係で繋がりのある人と話したり、他にはどんな人たちが参加してるんだろうと観察して20分くらいしてDのところに戻ると、まだ先ほどのおっさんと話してます。正確に言うと、もう完全におっさんのマシンガントークの聞き役になっていました。私はこういう点結構ドライで、このおっさんに付き合っていても時間の無駄、と思ってしまいます。こういう集まりはネットワーキングや社交の場なので、無目的に一人の参列者と無意味なことを何十分も話すべきではないと思います。

 

Dがそのおっさんの話を楽しんでいるんだったら邪魔するつもりはないけれど、よく話題を聞いてると、オハイオ州のあるゴルフ場の話してました。Dはオハイオ州なんて縁はなし、ゴルフもしないので、興味のない話であることは確実。もうそのおっさんから離れたいだろうと思い、「ちょっと失礼」といってDを救出しました。予想通り、Dも最初の3分を過ぎた頃からそのおっさんの餌食になってしまったことに気がついたそうです。だったらトイレとか言い訳つけて離れればいいのに、それができないのがお人好しのDです。私が思うに、このおっさんのように、自己認識が薄い人は、Dみたいに自分を受け入れてくれる人間を本能的に見つけては自分の話したいことを話す欲望の捌け口として利用しているんだと思います。

 

これまでの人生日米両国で半々ずつ生活してきましたが、相手が聞いてるか聞いてないかはお構いなしに喋り続けるという行動については、日本人にもこういう感じの人がいて、よくKY(空気読めない)とか陰口言われる対象になってるようですが、私の経験上、遭遇する機会もそのレベルもアメリカの方が圧倒的です。私は心理学者でも精神科医でもないので、このおっさんのようにコミュニケーションが一方的になる人たちの国際比較などはわからないけれど、いい意味でも悪い意味でも個性重視のアメリカの方が、こういう傾向を持つ人が出現しやすいのでしょうか。

 

元々飲み物や食べ物目当てに行くような場所ではないけれど、Dはおっさんのお喋りに付き合っていて飲まず食わずだったのが可哀想でした。そしたら主催者のスピーチが始まり、食べ物取りに行く機会も逃し、とことんついてないDでした。どういう経緯で招待されたのか、なぜか若い日本人女性の集団がいて、東京法人勤務時代、勤勉な日本人アシスタントたちに囲まれて働いてた懐かしさからなのか、そのグループに話かけて楽しんでくれていたようだったので結果オーライとしましょう。

 

 

帰りの電車の中で、あのお喋りおっさんの話になりました。もし精神的な病気などであれば気の毒だけれど、我々には、ただ自己中心的で他人への共感力がない人にしか見えなかったです。いずれにせよ、正直言ってしまうと所詮他人で我々の問題ではないので、人のいいDがどうやってああいう状況で被害を被らないで場を乗り切るかということについて、いろいろ議論してみました。(と言ったら大袈裟ですが。😛 )


先にも書いたように、私みたいにドライな人間であれば、「すみません、」と一言言って逃げるだけの話なんですが、それができないD。我々の友人や親類にはコミュニケーション専門家も心理学者も精神科医もいないので、チャットGPTに聞いたら、以下のような回答が出てきました。さすがAI、Dの性格に寄り添った回答。

 

と、なんだか人の悪口みたいな文脈になってしまってる気がしないでもないですが、次回は旦那にはああいう人の餌食にならす、楽しんでもらいたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

いよいよ夏本番、ニューヨークも暑い日が続いています。7月〜8月は子供の夏休みに合わせてバケーションを取るアメリカ人が多いので、この時期職場は閑散とします。仕事自体は1年中忙しいのですが、同僚からのメールの数は減るので、その分精神的に楽です。

 

今日は久々に仕事の話。そして私が仕事の話をする時には登場させないわけにはいかない超絶イケメン上司、ベネディクト・サンタバーバラ氏との出来事。前回職場の話をブログにしたのは、産休とってた同僚社員のプロジェクト・マネジメントを引き継いだ今年の冬のこと。

 

その後、周囲やその同僚からサポート(赤ちゃんが産まれた3日後に電話会議に出て来てた!)もあってまあまあ順調に進んでいたのですが、ここにきてやや停滞気味。結局産休取ってた同僚はプロジェクトから離れ、私が正式にプロジェクトマネージャーになりました。単に、プロジェクトをマネージするだけではなく、予算も人事権もあるいわば管理職ポスト。

 

私、ろくにマネジメント経験がないまま40代後半になってしまったで、やはりメッキが剥がれたのか、バジェットの管理やらチームのモチベーション維持したり、辞めた人の採用やらで常にプレッシャーを感じるようになっています。元々前任者が作り上げたチームなので、そこへ他社から来た私がチームリーダーになっても求心力を保つのか大変で苦労してます。以前の会社では、ずっと平社員(英語では、Independent contributorと言う)としてやってきたツケが回ってきた感じ。これ以上は愚痴になるので書きませんが、とにかく、ここは成長のための痛みと考え色々と体制を整えることにしています。前の会社で自分のマネージャーのことを心の中で馬鹿にしてたけど、自分がマネージャーになってみて、あの人も大変だったのね、と同情します。

 

去年の夏は、自宅の近くにある金持ち子息が通う私立校のプールの会員権買って優雅に夏の午後を過ごしたりしてたのに、今年は全くそんな余裕はないです。旦那も義父の介護で家をあけることが多く、私も仕事に忙殺される日々。

 

 

遅くまで仕事してたある日、そろそろ帰宅しようかと思い会社の中をうろついていたら、イケメン上司・サンタバーバラ氏もまだオフィスで仕事しているのを見かけました。用事はなかったけれど、普段はあまり彼をオフィスで見かけることがないし、彼の部屋のドアも空いていたので、挨拶してみました。

 

こんな姿見たら、部屋ノックしたくなりますよね〜

 

私の悲壮感オーラを悟ったのか、開口一番「最近どう?」と聞いてきてくれました。いつものように満面の笑顔と白い歯のイケメンぶりは健在。これだけで、癒されてしまうくらいです。忙しい1日の終わりでリラックスしてるのか、ワイシャツの第2ボタンまで外してます。アメリカのいい男に違わず、彼もYシャツの下にTシャツや肌着を来てなさそうで、引き締まった胸筋の上部がチラ見していてセクシーです。そんな妄想しながら、彼のオフィスのドアに立ってると、

  • サンタバーバラ氏:「さあ、入って。久しぶりですね。しばらく会ってなかったけど、仕事は順調?」
  • 私:「まあまあですかね(Well,,,I would say so so)」
  • 氏:「まあまあ、ってどういうこと?(What do you mean "so so"?)」

彼の顔が一瞬曇るのがわかりました。基本的に、上司は部下から、全て順調です!という答えを期待するものです。しかし彼の包容力に一瞬にして心を溶かされた私は、最近の仕事の様子を話してみました。

  • 私:「最近、私のチームで人が辞めたり、使えるはずのリソースが回ってこなかったりで、自分が思ったより順調ではないんです。」
  • 氏:(仕事の手を止めて)「そっか、近いうち、ランチしようか?」
  • 私:「え、いいんですか?ぜひお願いします。」

部屋に招き入れてくれてくれた時、ちょっと話は聞いてくれるかとは思っていたけれど、別途相談の機会を設けてくれるとは予想外で嬉しい限りでした。サンタバーバラ氏に会うたびごとに、ルックスだけじゃなくて、IQもEQの高さを見せつけられます。結局お互いの都合がつかずランチではなく、彼との朝食が設定されました。彼の秘書さんからOutlookでカレンダーが送られてくるのはいつものこと。場所は、パーク街沿いの「Park Avenue Tavern」というお店。立地が便利なので、前職の時から仕事帰りに何度かランチやハッピーアワーで来たことがあるけれど、朝食は初めてです。

 

 

朝早くから夜遅くまでやっていて便利

 

当日はウキウキしながらも、これまでの進捗やうまくいってない点、彼から得たいサポートなどを明確にしてに彼との会食に臨みました。ここでは仕事の細かいことは端折り簡単に書くと、予算折衝や人事とのヘッドカウントのやりくりでもっとアグレッシブになっていいとアドバイスをもらい、中途採用者として私の弱みだった社内人脈についても彼の後ろ盾も得ました。疎かった社内政治の話や、サブスタンスでも十分すぎるアドバイスを得ることができましたが、サプライズだったのが、私にマネジメントコーチをつけてくれるというオファーでした。サンタバーバラ氏自身も初めてマネージャーになった時は、苦労したけれど、コーチと会っているうちに自信がついてきたのだとか。

 

そして、もう一つ、嬉しかったというか安心したのが、彼の耳には、まだ私のプロジェクトが想定通り進んでいないと言う報告が届いていないことでした。彼は事業部長なので幾多のプロジェクトには日々の関与はしていません。私のプロジェクト自体、彼が率いる部門の業績に大きく直結するような予算規模ではありませんが、私が思うほど状況は悪くないと彼の口から聞けたことは精神的に大きな助けでした。アメリカの職場は、働きやすいとは言っても日本と比べ物にならないほど競争社会なので、職場での自分の評判は自分でコントロールするのが鉄則。よって、大ボスである彼に、他の誰か経由でなく、こうして直接現状を話し、さらにサポートを得られたことで、大きな安心になりました。

 

と、超絶イケメン上司に助けられた仕事場の話でしたが、この日の朝食会で、彼の口から「自分も次のステップに向けて準備をしている」と聞かされ、混乱気味です。彼の「次のステップ」が何を意味するのか、例えば、彼自身の更なる社内昇進なのか、他社への転職なのか。もしくは故郷のカリフォルニアに戻るのか。娘さん二人はまだ学齢期なので、引退はないだろうけど、私が今この会社にいるのも彼のおかげであることは事実で、実際こうして後ろ盾になってくれているのは心強いです。日々一緒に仕事をすることはないにしても、重要な節目でこうしてキャリアアドバイスをくれる人がいなくなってしまうのは惜しいことなので、やや複雑な気分の会合になりました。朝食を終えて会社に一緒に向かうときに「さっき言ってた次のステップってどういうことですか?」と聞こうと思ったら、後ろから追いついてきた同僚の邪魔が入って結局聞けずじまいになってしまいました。

 

大昔バーテンダーのアルバイトしてたそうです

 

最後にまたサンタバーバラ氏の礼賛の話ですが、このお店、彼の行きつけみたいで、割と混んでたのに、静かな奥の方の4人用席が準備されてて、彼の顔見知りと思われる店員さんが対応してくれました。私もこのお店に何度か来ていますが、マンハッタンの一等地にある店なので、限られたスペースを有効に使うため2人なら2人用席に通されます。会社でも彼は人気者ですが、それは皆彼がヴァイス・プレジデントだと知っているので、肩書き的な要素もあるでしょう。しかし、こうして外で会うとやはり彼レベルのイケメンには周囲の対応も違うなと感じます。卑屈になるわけではないけれど、やはり認めざるを得ない事実だと思います。この店、普段はもっと無機質な感じのサービスなのですが、上客扱いで、頼んでないメニューを無料サービスしてくれたり、何度もコーヒーのおかわりをチェックにきてくれました。

 

また、我々が食事している間、知り合いらしい別のお客さんが2人も立ち寄って彼に挨拶に来ました。サンタバーバラ氏は子供の誕生を機に郊外に引っ越す前にはパークアヴェニューと37丁目のあたりのコンドミニアムに住んでたそうで、その時のご近所さんだそうです。そのうちの1人、金持ちそうな高齢女性がなかなかサンタバーバラ氏から離れようとせず、一緒のテーブルに座って来そうな勢いでした。見た目麗しく、しかも優しい男は人を惹きつけるのだと実感。私としてみれば、こういう邪魔が入るたびに「私のために作ってくれた貴重な時間なんだからと、焦ってしまいますが、氏は優雅に対応してました。お会計も、いつの間にか終わってました。いや、クレジットカードやりとりしてる姿は見てないので、つけ払いなのだろうかなんて思いながら、ご馳走してくれたことに感謝しつつ、彼のスマートぶりに感心してしまうのでした。

 

 

と、仕事の話から超絶イケメン上司の話になってしまいましたが、結局彼に相談してよかったなと思います。まだ転職してきて2年も経ってない会社でプロジェクト責任者になり、社内での立ち回りに不安がありましたが、サンタバーバラ氏がバックにいるという安心感を得ることができました。来週からは彼がスポンサーになってくれて、エグゼクティブ・コーチとのコーチングセッションも始まります。また、他の部門からのサポートもスムーズになり、退職者が抜けた後の後任の採用が認められました。チームの負担がやや減りそうで、日々のオペレーションが格段にやりやすくなりました。今年の夏は、仕事に邁進する日々となりそうです。

 

「Park Avenue Tavern」はパーク街と39丁目の交差点

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

久しぶりに自宅で過ごした週末、某県人会の会長をされているSさんに招待いただき、ずっと楽しみにしていたホームパーティーに参加して来ました。前回の県人会の集まりでカミングアウトをさせてもらってから急に距離が近づいた感じで、嬉しいことに、県人会ではなくてSさんと旦那さんの開催するプライベートなパーティーにも呼んでいただきました。県人会でのカミングアウトの話はこちら。

 

さて、今回のホームパーティー、気合を入れすぎたのか、初っ端からある失態を犯してしまいました。それは、会場に早くつきすぎるという恥ずかしい失敗。Sさんのお宅は我々と同じニューヨーク郊外で、車で30分くらいのところにあります。県人会の集まりで行く時は、付近に車が何台も止まっているのでパーティー開催日だとすぐにわかるのですが、この日は周囲にあまり車が止まっていません。それでも、見慣れたSさんのお宅に着いて、ワクワクし過ぎたのか何の疑問もなくインターフォンを鳴らしました。しばらく返答がないので、どうしたのかなと思ったら、Sさんの旦那さんが出て来て、一瞬やや困惑顔で「You guys came way early! (だいぶ早く着いたね)」と。私は初めて自分たちが1時間早く到着してしまったことに気がつきました。集合は1時だったのに、我々がついたのは正午。なんでメールちゃんとチェックしなかったんだろうと、自己嫌悪。

 

Sさんはちょっとした買い物に出ているとのことで、ご夫妻でパーティーに向けて最後の仕上げをしている最中なのは明白でした。どこかで時間を潰して来ますと申し出ましたが、旦那さんか「Come on, welcome!」と陽気に我々を迎え入れてくれました。

 

1時間も前に来てしまったので、まだ誰も来てない

 

うちはホームパーティー開催前はいつも時間との戦いで、集合時間の数分前の全部準備が完了することなんてザラで、お客が10分前に来ようものなら、ペース乱されまくりなのをよくわかっているので、本当もSさんと旦那さんには申し訳ないことをしたと思いました。Dも「なんでチェックしなかったの?」とチクリと言うので、「(お前にも招待メール転送しただろうが〜💢)」と内心思いつつ、二人で、旦那さんの手伝いをすることにしました。この日は、高級アンガスビーフのグリルを準備してくださっていたようで、グリルの扱いに慣れてるDが、旦那さんのお手伝いができたのがせめてもの罪滅ぼし。私の方は、手持ちぶさだに二人を眺めていました。そのうちSさんも戻ってきて、やはり「早く着いたのね〜」とおっしゃっていましたが、私が手伝いを申し出ると、「飲み物並べてくださる?朝から全然時間がなくて、、」と役目を下さったので救われた気分でした。

 

日本風スナックプラッター(イカゲソは珍しい)

 

アメリカの特に中産階級以上の家庭で催されるホームパーティーは、だいたい時間通りに始まります。時間通りに、というと日本人的には「遅刻してはいけない」という風に刷り込まれていると思うのですが、早く行きすぎるのも実はだめです。ホストの段取りを狂わせるので、日本人がよくやる10分前行動、みたいなのも意外に迷惑だったりします。たまに、うちでホームパーティーする時にも、早く来る人がいるんですが、準備のペースが崩れるので内心迷惑です。だから、自分がされて嫌なことを、Sさんにしてしまった反省が大きいです。

 

旦那さんはさすがアメリカ人。グリルの扱いプロ級

 

 

パーティーにも色々あって、「オープンハウス」形式と行って、何時から何時までの間、いつでも出入り自由、みたいな場合は、自分の都合に合わせて行ってもいいことになっています。しかしホストがランチやディナーを準備してくれる場合には、基本時間厳守です。厳守と言ったら大袈裟かもしれないけれど、それでも私の経験上、自宅でディナーパーティーする時も、時間より早く来るのは大抵日本人が多いです。アメリカ人は大体時間通りか、5分くらい遅れてきます。10−15分くらい遅れると、「ごめん、ちょっと遅れます」と連絡が来たりします。遅刻魔はそのうち呼ばれなくなります。

 

日本からアメリカに来たばかりの人や、欧州や南米など他の地域から来た人たちは、アメリカのパーティーって時間通りに始まらなくて、一度始まると夜中まで延々とどんちゃん騒ぎをしてる、、と言う風に思っている人が多いのですが、大都市やその近郊ではそういうパーティーは実はあまり見かけません。知らない人が勝手に侵入してきたり、逆に近所から警察に通報される可能性が高いです。よって郊外の中産階級やマンハッタンのコンドミニアム暮らしの友人たちがホストするようなホームパーティーは時間通りに始まって、デザートが終わるとみんな自然と帰っていく、ということが多いです。

 

アメリカでも、地域によってホームパーティーの形式も流儀も違って、例えばテキサスに住んでた時は、昼間暑すぎるので、夜8時くらいに始まるパーティがよくありました。プールサイドでバーベキューしながら音楽ガンガンにかけて、というスタイル。おおらかでアメリカらしくで懐かしいとも思いますが、あまりにオープンすぎて、知らない他人がタダ酒タダ飯のために紛れ込んでたなんてこともありました。今のご時世、なんだか不安でもあります。

 

Sさん宅でのホームパーティはSさんと旦那さんのおもてなし上手な人柄で私もDも楽しく過ごすことができましたし、高級アンガスビーフのグリルもレストランで出されるような完璧な味で、充実した夏の午後の時間を過ごすことができましたが、久々に失態してしまったので、今でもなんだか恥ずかしい気分です。アメリカのホームパーティーでは、遅刻しないように気をつけるのはもちろんですが、招待時間よりも前に到着しないようにも心がけましょう。

 

この日はグリルでのステーキ大会と言う風にアナウンスされていて、何も持ってこないでください、と招待メールに書いてありましたが、実際手ぶらでは行けないので、県人会の時にSさんはじめ他の参加者から好評だったD特製のフルーツサラダを持参しました。他の参加者の皆さんも予想通りワインボトルかデザートを持ってきていたので、デザートバッフェみたいな状態でした。

 

余談ですが、今回のSさんのホームパーティーでもう一つ学んだことは、思いっきり「肉肉しい」パーティーを開いてもいいんだよ、と言う吹っ切れたアプローチです。アメリカではベジタリアンを筆頭に、豚肉嫌いな人、牛肉嫌いな人、甲殻類苦手な人、そしてさまざまなアレルギー持ちの人のために、色々な料理を準備するのがいいホスト的プレッシャーがあります。でもSさんと旦那さんの「自分が大好きなビーフを美味しく食べてくれる人が楽しんでくれればそれでいい」と言う姿勢は気持ちいいです。と言っても、それは人脈が広いSさんご夫妻だからできるのかもしれませんが。

 

ということで、徒然なるままにこの夏初めてのホームパーティーお呼ばれの出来事を書いてみました。これから夏本番、ホームパーティーをホストするにも、ゲストとして呼ばれるにも、いい気づきの機会になりました。

 

 

デザートは各自持ち寄り

 

Sさんのリクエストで、うちは旦那のフルーツサラダ持参