ママリンにおねだりするかな? | /// H A I H A I S M ///

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あわてない、あわてない。赤ちゃんが「はいはい」するように、のんびりゆっくり進みましょう。

結局のところ小豆島3日目の朝、「よし!今日この島を出よう」って決めて宿に主人に伝えたんだ。

「あのぉ、3泊する予定だったんですけど、予定を早めたいって思いまして…… ここはとても居心地が良くて静かなところで、ゆっくり考え事をしたいってボクの目的にはぴったりなんですけど、そのつまりボクの方に問題がありまして、あまり静かだとゆっくり考え事ができないって言うか、えっと雑音は自分の中にあるって言うか……」


港に向かうバスに乗ると、盲導犬を連れた女性がバスに乗っていた。盲導犬(ラブラドールの黒)はバスに乗り込んだボクをじーっと見ていた。ボクもじーっと見返して、本当だったら耳をくりくりしたり、口のなかに指をつっこんでベロをつかんだり、まるごとひっくり返してお腹をなでまわしたりしたいところだったんだけど、彼は仕事中だったんで止めておいた。
止めておいたかわりに、彼と彼がガイドする女性が降りた停留所で一緒に降りた。

そこが、高松行きのフェリー乗り場だったんだ。高松行きと岡山行きのフェリーは、バス停で1つ離れている。こんな経緯でボクは高松を経由して愛媛県の今治で自転車を借りて、広島県の尾道までひたすら自転車をコギコギして渡り、そして列車に乗って福山に来た。

われながら、あっぱれな成り行き任せっぷりでした。

$///   H A I H A I S M   ///-ラブ

*****

さて、今治から尾道までの、ポンコツレンタル自転車「空海号」での自転車旅についてはまた書くとして、その旅の途中携帯に電話が入った。

----- もしもし、なつむぎ様の携帯電話でよろしいでしょうか? わたくし、〇〇銀行△△支店支店長の××と申しますが……

----- あれ、支店長。うちのセバスチャンから連絡いかなかった? まいったなぁ。ここしばらく仕事関係の電話は受けたくないんだよ。

----- それがその、是非お伝えしたいことがありまして。

----- どうしたの? また、ボクの資産が目減りしたの?

----- いいえ、そうではないのですが。たった今、なつむぎ様のお母様が窓口にお見えになって、多額の現金を引き出されようとされてまして……

----- 多額の現金? 5億くらいか? ん?ちがう? まさか50億か! まぁ別にいいじゃないか、自分の金を自分で引き出すんだから。

----- いえ、500万円でございます。何にお使いですかとたずねると、ご子息にお渡しになると言うようなことを、非常にあいまいに……

----- わ! 500万も! そんなに貯金あったんだ! ←マジ

----- で、なつむぎ様に確認した方がよろしいかと思いまして。

----- ちょ!ちょ! あのさ、今そこに母は居るの? ちょっとかわってくれない?

しばらくして……

----- なつむぎちゃん?

----- あ、ママリン(*)? ね、なんで500万円もおろすの? 生活費に必要なの?

----- あの…… だって…… なつむぎちゃんから電話があって、それで……

----- え? ボク電話してないよ。

----- なつむぎちゃんから電話があって、なつむぎちゃんが困ってるって言うから。それより、なんで今電話がつながってるの?

----- なんでって、銀行の人がボクの携帯に電話をしてくれたんだよ。

----- だって携帯電話の番号、変わったんでしょ?

----- 変わってないよ。だから今こうして話してるんじゃないか。

----- でも今朝なつむぎちゃんが、3週間だけ携帯電話の番号が変わるって。ママリン、ちゃんとその番号をメモしたのよ。それに具合が悪くて咳が出て、これから病院に行くって。

----- あのさぁ、ボク電話してないよ。具合もいいし(まぁ気力的にはあれやこれやあるけど)。それ、ボクじゃないよ。

----- でもね、「声がちょっと変だけど、なつむぎちゃん?」って聞いたら、そうだよ、なつむぎだよ、って言ってたし。


えっと、なんだかんだこれ以降20分くらい母との会話は続くんだけど、つまりはその朝、息子を名乗るオレオレ詐欺師が母に電話をかけて来たらしく、それをすっかり信じちゃった母は銀行に貯金をおろしに行ったってワケね。

〇〇銀行とはボクも付き合いがあるし、どうも母の言動が怪しいって思ったらしく、すぐに電話がかかって来たんだ。

*****

ボクは「決めない」旅を実行中なんで、詳細については妹に母へのヒアリングをしてもらった。それによると……

1 朝、男の声で母に電話かかる。「なつむぎちゃん?」「そうだよ」のやりとりがある。
→ だってなつむぎちゃんって言うから、そう思うじゃない(ママリン談)

2 実は半年前、未公開株の投資に手を出し友達と1,000万をつぎ込んだ。だから500万を支払わないといけないのだが、金が無い。サラ金で借りようと思う。とボク(ニセ)が言う。
  母が、女房や妹には話したのか尋ねると、話してはいないとボク(ニセ)が答える。
→ 私だけに打ち明けているのね、どうにかしてあげなくちゃ(ママリン談)

3 サラ金なんていけない。とりあえず貸してあげるから。返せる時に徐々に返してくれればいいから。と母が伝えると、ボク(ニセ)は、じゃあまた後で電話すると言って電話を切る。そして銀行に出向く。行員に何に使われますかと聞かれ、とっさに家の修繕で使うからとウソを言い、どこを修繕するんですかと尋ねられるもそこまでは機転はきかず、細かい事は息子に任せてますからと……
→ だって、なつむぎちゃんが株で損したなんて言えないじゃない(ママリン談)

で、銀行員に怪しまれ、銀行からボクに電話がかかって来たってワケだな。

*****

最近、母の所には色々な怪しげな電話が多いんだけどね。とうとう流行の「オレオレ詐欺」まで来たとは。
ボクは自分のことを「ボク」って言うから、オレオレ詐欺にはママリンは引っかからないよね~
なんて笑って言っていたんだけど、コロっとひっかかってやんの。


それよりさ……
怪しげな投資をして500万円損こいた息子のために、ママリンは自分のなけなしの貯金をおろそうとしたんだな。「あるとき払いの催促なし」でボクに貸してくれるつもりだったんだ。しかも銀行では、バカ息子が株で損した尻拭いのためだって気付かれないように気を遣っちゃったりして。

ってか500万円も持ってたんだ。 ←マジ


今日、成り行きにどうも納得が出来なかったママリンは、ボクの正しい携帯番号に電話をかけて来た。

銀行から帰って来た頃を見計らって電話をかけて来たボク(ニセ)に、「本当のなつむぎちゃんだったら、生年月日を言いなさい!」って勇気を出して言って撃退したそうな。

----- ママリンさぁ、500万円も貯金があったんだ。びっくりしたよ。

----- ふふ。なつむぎちゃんには内緒にしてたけど、もう少し持ってるのよ。


ご…… ごじゅう億か?


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(*) 念のためだけど、ボクは「なつむぎちゃん」とは呼ばれてないし、ボクも母のことを「ママリン」とは呼んでないけどね。でも、これからのブログに母が登場するときは「ママリン」にするんで、よろしく。