それに「超特急」じゃなくて「急行」なんだけどね。ほんとはね。
ソフィア駅夕方6時55分発の「バルカン急行」は、予定の30分前には入線したって掲示板に出た。
おぉっ。遅れないでちゃんと走るじゃないか!
そう喜んでプラットフォームに行ってみると、客車が2両ポツンと停まってた。
これじゃ走らないよ。だって機関車が付いてないんだもの。
その2両は、イスタンブールまで行く寝台車とブルガリアのどこかの駅までの普通の客車でね。
この2両を牽引するはずの機関車は、セルビアのベオグラードからソフィアに向かっているところなんだな。こいつの到着が1時間遅れだよ。
ボクは、機関車が付いてないから電源が供給されてなくてだから空調も効かない、まさにハマム(トルコのお風呂だよ。トルコ風呂じゃないよん)状態のコンパートメントの中で、機関車の到着を待ってたワケ。
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そう。ボクは今トルコのイスタンブールに居ます。
昔の旅も合わせると、これでヨーロッパ大陸を東西に列車で横断したことになるんだ。
え? 途中2カ所バスのところがあっただろって? ●ここ ●ここ
まぁその辺りは、将来的になんとか「つじつま」を合わせるってことで、お許しいただけないだろうか……
いつの日かイスタンブールから始めて、たとえば北京までとか列車で旅ができたらいいな。今回はその布石の様な旅なのね。今回の旅行の、隠れた1つの目的を達したってことかな。
あとの移動は飛行機だけ。速いけど、なんか味気ないのかも。寂しいなぁ。
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ボクを乗せた「バルカン急行」は1時間遅れでソフィアを出発し、途中でいろんな客車を切り離したりくっつけたりしながら、3時間遅れでイスタンブールに着きました。
今回の旅の途中何度も、
----- どうしてバスにしないの? バスの方が安いし速いし。
そう言われることが多かったけど、ボクはどうしても列車に乗りたかったんだもの。
3時間遅れてイスタンブールのシルケジ駅に入ろうとする列車は、駅に近づくにつれてゆっくりになった。車掌があと20分で着くよって言ってから、もう30分以上も経っていた。
するとゆっくり走る列車の窓から、スルタン・アフメット・モスク(ブルー・モスク)の特徴的な6本の尖塔が見えてね。感動したよ。

この感動は29年前、バルセロナの街を歩いていて突然路地の開けた先に建設途中のサグラダ・ファミリアが見えた時のようだった。
あぁ、まだ建築で感動することができるんだな。そう思うとうれしかったな。
●Uska Dara / Eatha Kitt
ウシュクダラ(Üsküdar=ユシュキュダル)は、イスタンブールのアジア側の街。
ボクはイスタンブール滞在中に、古本屋を探してこの街を訪ねる予定です。
