憮然とした表情のまま彼女は立ちつくしている。困った、いったいどうしたらいいのだろう。
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ドーバル・デン!(добър ден!)
この挨拶を聞くと「あぁスラブ系の国に来たんだなって」そう感じます。ソフィアからこんにちは。
いまや、チェコ語とスロヴァキア語とスロヴェニア語とクロアチア語とブルガリア語の「こんにちは」を聞き分ける男「なつむぎ」です。 ●ここ
この知識が、将来役に立つことがあるのだろうか?
前回の記事で「笑む・M・エム」さんから、
> 顔を縦に振ってда/da(yes)、横に振ってне/ne(no)と答えるので注意ですよ。
ってコメントしてもらっていたのにもかかわらず、やっちまいました。
早めのランチに、ショウケースの中におかずがずらっと並んでいてその中から選べるようなシステムの店に入ったのね。昨日は昼食を食べ過ぎて夜はビールを飲んだだけだったから結構おなかが空いていてね。みんな美味そうに見えたな。
ボクは「鶏肉とキノコのホワイトクリーム煮」ってな感じの料理を指差して、これが欲しいって言ったわけです。するとウエィトレスが何かをしゃべっている。
事の流れから「付け合わせは何にするの? ○○でいい?」ってなそんな事を言ってるようだったので、ボクは Yes のつもりで首を大きく縦に振った。
冒頭に書いたのは、そのとたんの彼女の様子だよ。
----- あ、いや。いまうなずいたのは、No って意味じゃなくて、つまり、ボクはあの、お店のシステムが良くわからないから、キミに任せておけばいいかなって意味で、Yes のつもりで、その、首を縦に振ったんで……
そう言いながら、さっきの No を取り消そうと激しく首を左右に振ってみたけど、頭がくらくらするよ。
今さらあがいてみてももうどうにもならない。ボディランゲージでしか通じ合えない二人の関係は、
既に決定的な傷を負ってしまったのだ。ボクの責任だ。
で、とにかく固まっちゃった彼女をなんとかしなくちゃならないので、後ろにある皿を指差して「あれによそってくれればいい!」って言った。めいっぱい笑顔を浮かべてさ。めんどくさいから日本語で。
彼女はしばらく考えてからご飯をよそって、その上に「鶏肉とキノコのホワイトクリーム煮」っぽい料理をカレーの要領でかけてくれた。
ありがたくいただきました。
美味しゅうございました。
まさしく、「鶏肉とキノコのホワイトクリーム煮」でした。

前回の記事で書いた OK タクシー とその仲間たちの写真です。

↑ ぼったくり無しで安全と言われている OK タクシー

↑ 「チャンネル」とか「ブルカリ」とかを思い起こさせる CK タクシー

↑ こんなんもあった。QK タクシー があるのを期待してたんだけどな。