だってボクにとってチェコは、
・人生の割と短い期間好んで聴いていたクラシック音楽で好きな作曲家「ヤナーチェク」の故郷であり、
・自分が建築設計を仕事にしたいと思っていたころ興味を持っていたアールヌーヴォーの画家
「ミュシャ(ムハ)」の生誕地であり、
・そしてなんと言ってもビールの横綱「ピルスナー」発祥の地なんだもの。
もちろん、ボクは世界中のビールを等しく愛してますよ。
でもね、やっぱりチェコでビールを飲んでみなくちゃね、死ぬまでには。そう、ずーっと思ってた。
ってなワケで、ホテルで荷解きが終わってからプラハの街に慣れるために少し散歩をし、その時に見つけたビアホールに意を決して入りましたよ。
一人で居酒屋に入っても全然寂しくないなつむぎですが、でも「一人ビアホール」はハードルが高過ぎだよ。
人気で混雑しているビアホールに10分ほど待って入れてもらったんだけど、
・メニューがよくわかんなくて注文するが大変だったし、
・ボク一人だけ東洋人で、みんなはワイワイやってるのにボクだけ静かに食べてるし、
・ってか一人で騒がしく食べるって方法しらないし、
でもまぁ、ビールが飲めればそんな違和感なんて帳消しです。
マッシュルーム入りの芋のスープ(マッシュールームってのはキクラゲだった)と、
何か(あとでイノシシだと判明)の肉の煮込み料理に、クネドリーキって言う密度が高くてど~んと重い蒸しパンと、ほうれん草のソテーをクリーム状にしたものが付け合わせになってるものと、
それに生ビール2種類各1杯、合計2杯いただきました。
お支払いは270コルナ、約1400円でした。いやぁ、満腹、満腹。それに、チェコのビールに大満足!
*****
さてね。ボクがわざわざフランクフルトから今回のヨーロッパの旅を始めたには隠れた小さな目的があったんだ。
それは、ヨーロッパ西端の首都リスボンからドイツのフランクフルトまでは列車で旅をしたことがあるので、この街から列車を乗り継いで東へ、東へ、ヨーロッパとアジアが出会うところまで行きたいってものだったんだ。
ところが、その隠れた小さな目的の1つが、早くも初日にして崩れてしまった。
ボクはフランクフルトからプラハまで列車を予約したつもりだったんだけど、乗り換え駅のニュルンベルクからプラハまではなんとバスだった。
不覚!
ボクはもともと、列車を予約するサイトで予約をしたんだよね。
で、受け取ったチケットにはちゃんと「train」って書いてある。
そして他の「train」と同じように列車番号が付けられている。
確かに小さく「bus」とも書いてあるんだけど、それは、ICE とか IC とか EC とか、つまり特急だとか急行だとかの種別を示す場所だったんだ。
だからボクは「bus」ってカテゴリーの列車があるのかなって思った。
そう思うのはちょっと無理っぽいかな? とは思ったけれどね。
でも、もしバスだとしても、出発する列車のプラットホームを示す駅の電光掲示板には「プラハ行きはバス乗り場」みたいな表示が出てるだろうって思ってたんだ。
ところがさ、そんな掲示は何にもない。
ホームにとまってるすべての列車の行き先を確認したけどプラハじゃない。
じゃぁバスだって思ってバス乗り場に行こうとしたけど、その表示がない。
ボクはドイツ語がからきしだめ。
駅のインフォメーションは長蛇の列。
乗り換え時間が、8分弱(フランクフルトからの列車が遅れたから)。
泡食ったね。
偶然通りかかった駅員に教えてもらったバス乗り場を目指して走りながら、
「こりゃ乗り遅れだな。プラハのホテルに連絡して1日遅れることを伝えて、ニュルンベルクで1泊しなくちゃならなくなるな」
って考えてたんだからぁ。
この分だと、ニュルンベルクからプラハまで、列車を乗るためにだけまた来なくちゃならないじゃないかぁ。
*****
ま、そうは言ってもさ。バスの旅も楽しかったな。
もちろん、窓側大好き「なつむぎ」だからね。予約は窓側の席にしたよ。でも、出発時間を遅れてバスに乗り込んでみると、ボクの席に若い女性が座っている。
----- いやぁ、お嬢さん。わざわざボクの席を暖めていてくれたのはうれしいけど、番号間違ってない?
----- あ、私○○番(ボクの隣の通路側の席)だけど?
って言いながら、それってダメなの? ってな表情するんだよな。
----- いや。お嬢さんが窓側が好きなのなら、ボクはこっちの席にいたしましょう。
なにせ、ボクは紳士ですから。当然「小娘」に窓側の席を譲ってやりましたよ。
でもね。2階建ての大型バスの2階の前方の席だったので、通路側の席でも景色はよく見えたな。
それにそのお嬢さんはドイツに留学しているペルー出身の学生で、周り中ドイツ語とチェコ語だらけだったから、ボクはちょっとホッとした。
人間万事塞翁が馬
