「ボヘミア」ってお題で、どんな曲をBGMに選べばいいのかな?
ボヘミアン・ラプソディ?
葛城ユキのボヘミアン?
あるいは中森明菜で、ラ・ボエーム?
すみません。「ラ・ボエーム」にはしたんですが、
シャルル・アズナブールじゃなくてプッチーニの方を、マリア・カラスで。
ここ「ウォッカマティーニを。ステアでなくシェークで」に、テンポが似てない?
しばらく独り言でしか日本語をしゃべってないと、どんどんとおかしな事になって行くよ。
そうそう。マリア・カラスとミル・マスカラスって、似てないかな? これ、言葉の音のことね。
狩野英孝が、「ラーメン、つけ麺、ボクイケメ~ン」でブレイクした時、
故・筑紫哲也の「NEWS23」の中のコーナー「異論、反論、オブジェクション」を思い出したな。
これ、言葉のリズムのことね。
朝日新聞系って、ときどきオバカなだじゃれをかますのは何故だろう。アエラの吊り広告とか。
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おっと、冒頭から乱れっぱなしだ。
今日さ、モルダウ川にかかる橋の上から観光船を眺めながら、
「ボクは今晩、いったいどこで食事をしたらいいんだろう」
って、なにかちょっと寂しい気分でさ。
「一人で旅するってのは寂しいものだよ。それがボヘミアンの定めのだ。それでいいのだ」
なんて、気分的にカッコ付けてるんだか、ふざけてるんだかでいたら、ふと……
ここ、ボヘミアじゃん! って気づいたワケだね。
ついさっきまで、ボヘミアン・グラスの店の前を通っていながら、気づかなかったんだよな。
でね。ボヘミアンって言葉の持つイメージって、どんなかなって考えてたんだよ。橋の上で。アヴィニョンじゃなくてプラハの。
1 放浪者。たとえば旅芸人みたいなね。
一定の土地にしがらみをもたない。だから自由だけど、どこか世界から切り離されちゃってる。
2 パリのカフェかなんかで芸術論か何かを戦わせちゃってる。
すごく気位が高いのにだらしがなかったり。古い言葉だと「高等遊民」みたいな。
3 チェコ人(正しくは、チェコの中のボヘミア地方の人なんだろうけど)
なんで、この3つが一緒くたになってるんだろうな。
1と2は、違うようでどこか似てるような気がするけれど、なんでそれがチェコ人なんだろう。
ボクがここに来て、長く会話をしたチェコ人ベスト3は、宿の女主人と、朝食を部屋まで持ってきてくれるお姉さんと、それからベッドメイクをしてくれる、背が高くて、胸を3分の1くらい出して強調しちゃってる、なんかハスッパな感じの子。
昨日の事、雨が降ってるけれど蚤の市はやってるのかどうか知りたくて、たまたま廊下のソファーで休んでいた、そのハスッパ娘に尋ねてみたんだよね。
今日さぁ、コルベノバのフリーマーケット、やってるかどうか知ってる?
あのさ、チェコ人ってさ、ボクが言いたいのはボヘミアンなんだけど、よく旅行するの?
でさぁ、君、パリに行った事ある?
もちろん、この順番で、しかも何の前フリもなく質問ばかりしたワケじゃないんだけどね。
答えは……
----- 知らないわ。あたしはブルノの出身なの。ボヘミアじゃなくてモラヴィアよ!
結局、ボクの中の疑問は何にも解消されなかった。
さて、飲みに行くかな。
チェコの美味い生ビールを飲む事ができるのも、もうあとわずかだしね。
放浪するってことは、一人ビアホールにも慣れなくちゃならないってことだよ。
では、次の街で。
