バンコク放浪の記録(6) :バンコクで近づく怪しい影編 | /// H A I H A I S M ///

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あわてない、あわてない。赤ちゃんが「はいはい」するように、のんびりゆっくり進みましょう。


失礼ですが、あなたは英語を話しますか?

--- えぇ、まぁ。少しは。

ちょっと、タイの通貨について教えて欲しいのですが……
あの、ワタシたちドバイから来ました。
あなたは日本人ですか?


--- はい。そうですよ。

ワタシたち、2週間後に日本に行きます。東京ディズニーランドに行きますよ。

--- あぁ、そうなんですかぁ。

タイの通貨は何ですか?
1米ドルあたり、いくらになるんですか?
日本の通貨は、リンギットですか?
お札はどんな色なんですか?
リンギットと同じですか?
日本のお札を持っていますか?
見せてもらえますか?


彼は体格の良い紳士で、とても丁寧な英語を話し、隣には顔の小さくエキゾチックな黒い目をした美しいアラブ系の女性が寄り添っている。


--- ドバイっていったら、バブルは崩壊したとは言えお金持ちの国じゃないか。
  どうして、こんな場末のセブン・イレブンでスナック菓子を買おうとしてるんだ?
  5☆ホテルのロビーかどこかで、声をかけろよ!

  ってか、マレーシアと日本を混同するなよ!

これは、心の中でつぶやいただけ。

日本円は、ボクの財布の中でウンウンうなっていたけどね。

--- 失礼、今は持ってないです。

って、答えて会話は終わりにしちゃった。


だってこれ、不自然だもの。
きっと財布を取り出すと、次には「日本円に両替してください」とかなんとか、
きっと金を巡った話になったはずだ。

*****

こんなことが他にもあって、
ヤオワラート(中華街)を歩いていたら、30代くらいのアジア系のカップルに声をかけられた。

あの、すみません。ワット・トライミットはどう行ったらいいですか?

そりゃさ。
顔が濃い目で、メキシコや東南アジアに居る「しゃちょさん1000円」の物売りみたいだと、昔はよく言われてたよ。

でも歳をとるにつれて年々枯れて来てるから、
今では顔立ちだって日本人だし、体型だって日本人だし、話す英語だって日本人だし、首からカメラを提げてるところだって日本人だし、
まぁ、どう見たって「渋めで気品にあふれた」日本人旅行者にしか見えないボクにだよ。

そりゃ不自然でしょ。

案の定、

家内の妹が、来月日本に看護師として行きまぁす。
日本から日本語の書類が届いて、それが良くわからないので、困っていまぁす。
妹は、日本語は話しますが、読むのはまだ苦手なのです。


--- うーん。手助けって、いったいどうやって? ←心の声

今、妹に電話をします。話してやってください。

まぁ、いいけどさ。
ってな感じで女性の携帯を受け取ると、日本語を話す外人女性とつながった。

もしもし。ワタシ、○○といいます。あなた日本人です。ワタシを助けてください。今、どこに居ますか?

--- チャルン・クルン通りに居ますが。

ワタシ、今一人で食事を作っています。△△に住んでいます。これから来てくれますか?

そりゃ、どう見たって「渋めで気品あふれる」紳士のボクだって、
電話で初めて話した女性の家に、お手伝いに行くわきゃないじゃん。
それに家のある通りの名前を聞いたって、どこにあるか分からないし。

これきっと、
彼女の家に行ったとたんに、怖いお兄さんとお話することになったんだろうなぁ。

*****

旦那さま。
旦那さまは、話しかけやすいムードをお持ちなんでございますよ。


--- あぁ、セバスチャンか。なんだか、久しぶりだな。

そうでございますね。
このところ、旦那様はお屋敷に戻られるとすぐ、自分のお部屋にこもってしまわれていたからでございますよ。


--- そうか、確かにそうだったな。いろいろと、セバスチャンに話したいことがあったんだけどな。
  実は、彼らはボクを尾行してるエージェントじゃないかと思っているんだよ。

そうでございますか。田中探偵の仕業ですかね。 ●ここ

--- いや、そうじゃないと思うよ。彼の事務所にはそんなパワーはないだろ?
  ボクが今画策してることを国際的な陰謀組織が阻止しようとして、
  バンコクまでエージェントを派遣たんじゃないだろか?

旦那さま。考えすぎでございますよ。
彼らは、ただ日本人旅行者の旦那さまをだまそうとしただけでございます。


--- 本当にそうなのかな? だったら何故、もっと狙いやすいターゲットを選ばない?
  世の中には、見知らぬ現地の人の家に平気で招かれて、
  いかさまバクチで身包みはがされるヤツだって居るんだよ。

  だから思うんだ。彼らは明らかに、このボクをターゲットにしてるってね。

そうでございますかねぇ。セバスチャンは、旦那さまの妄想が、最近激しくなって来られているので心配でございますよ。

--- 大丈夫だよ。セバスチャン。
  次にどんなエージェントが現れるか、むしろ楽しみなくらいだよ。

  きっと次こそ、本物のハニートラップだろうな。
  どんな美しい女にも、だまされずにいてみせてやる。

  どんとかかって来い!


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