バンコク放浪の記録(序) :田中探偵の出迎え編 | /// H A I H A I S M ///

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あわてない、あわてない。赤ちゃんが「はいはい」するように、のんびりゆっくり進みましょう。

----- おかえりなさい。なつむぎさん。ひひひ。

おや? 探偵の田中さんじゃないですか。あいかわずクリクリの頭で。ってか、なんでここに?

----- ひひひ。なつむぎさんを、羽田空港までお迎えに来たんですよ。

なんで、キミがここに迎えにくるんだ。それより、その「ひひひ」って言う下品な笑いは何とかならないのかな。

----- そうですかね。下品ですかね。いえ、なつむぎさんがバンコクでお楽しみだったそうで。奥さんから行動を監視するように言われてたんですよ。

なにがお楽しみだよ。田中さん、あなたが下品だからって一緒にしてもらっちゃ困るなぁ。で、バンコクのボクの行動を監視してた? 所長みずから海外出張とは、ずいぶんと力を入れたものだね。

----- いぃえぇ。小さな探偵事務所だってことは、なつむぎさんが一番ご存じでしょ。私が海外に行ってしまったら、他の仕事が動きませんよ。
それより、バンコクのホテルで、やたら愛想の良い、なつむぎさん好みのレセプションの女の子が居たの覚えてらっしゃいますかね?


ん? そうだっけ?

----- またぁ。「そうだっけ?」ですかぁ。とぼけちゃって。目が大きくて表情があって、小柄で華奢で、なつむぎさんの下手な英語にも、ニコヤカに付き合ってくれていたじゃありませんか。

そうだったかな。

----- 彼女が、わが社のエージェントでね。

え? そうなのか? 彼女はずっと私の後をつけていたのか?

----- 何をそんなに、驚いているんですか。なつむぎさん。ひひひ。やっぱり、なにか怪しげな街に行ってましたな?

バカな。やましいところが有って驚いているんじゃないさ。キミの事務所が海外にネットワークを持ってるんでびっくりしただけだよ。ボクは「絵」を探しに行ってたんだよ。怪しい場所なんて行く暇はなかったさ。

----- 本当ですかねぇ。あ、ちょっと失礼。これ、回収させてもらいますよ。

あ、それ...。

----- やっぱり彼女のことが気に入ってたんですね。なつむぎさん。ひひひ。
彼女から、「タイ旅行の安全のためにホテルからのプレゼントです」って渡された、ブレスレットですよね。羽田まで、したまま帰ってくるとはねぇ... もしかして、「私だと思って、ずっと付けててね」なんていわれて、手を握られたりしちゃいました? ひひひ。


いや。デザインが気に入っただけだよ。

----- これね。なかなかハイテクな品物なんですよ。GPSロガーって言うんです。知ってます? なつむぎさんがこの1週間どこに行ったかが、GPS衛星の電波を利用して、すべて記録されているんです。

そうなのか。キミの探偵事務所にそんな高度なことができるとは、思ってもみなかったな。

----- ひひひ。おほめの言葉、ありがたく頂戴しますね。
では、これは社に持ち帰って分析しますんで。分析結果は、夕方までにメールでお送りしますから、ご安心を。

わが社のモットーは、「高い料金を出すクライアントが、真のクライアント」ですからね。


*****

で、夕方送られてきたボクのバンコクでの行動記録がこれ。
確かに、ホテルからスワンナプーム国際空港までの経路が記録されているんだな。


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