バクチに出なかった23歳の冬 ☆ | /// H A I H A I S M ///

/// H A I H A I S M ///

あわてない、あわてない。赤ちゃんが「はいはい」するように、のんびりゆっくり進みましょう。

人生やり直せるとしたら何歳に戻る? ブログネタ:人生やり直せるとしたら何歳に戻る? 参加中

このブログネタに、ピンポイントで戻りたい時期を示しちゃうと、
その時に人生の判断を誤ったって思っていることを、
ゲロっちゃってるようなものだよな。

たとえば、あくまでもたとえばの話なんだけど、

「27歳の秋に戻りたい」なんて言ったら、
それは、結婚が失敗だったって言ってるようなものだね。

記事を読んだ女房は、怒るだろうね。

くどいようだけど、
たとえば」の話だよ、「もしも」のだよ、「仮に」だよ、「単なる例示にすぎません!

って、恐妻家ですか? ボク。

*****

じゃぁ、いつにだったら本当に戻ってみたいかって、結構マジに考えた結果は、

「23歳の冬」だな。

その冬。ボクはマドリッドに住んでいた。

1年間休学の予定は、まさに終了目前だったのだけれど、
もう1年なし崩し的に休学を延長して、納得行くまでマドリッドに滞在した後、
陸路でインドまで行って、それから帰国しようと、
秋には心に決めていた。

ところがね。
なにかの拍子に、里心がついてしまったんだな。

今思うと、里心がついたというより、
そのまま人生を放浪する勇気がなかったってのが、本当の理由なのかもしれない。


今でもその日の事は、よく覚えているけれど、
考えても、考えても、どうしていいかわからずに、
「サルスエラ *1」を見に行くことにした。

なんか、気分転換が必要なのかなって思って。

でも、結局そのサルスエラの舞台の事は、実は何にも覚えていない。
ただ、その時のチケットが手元に残ってるだけ。

ボクは劇場の椅子の上で、ずっと、どうしていいかわからないまま、
考え続けていた。


そして下宿屋までの帰り道のバル *2 でビールを飲みながら、
「今したいようにすれば、いいじゃないか」って自分を納得させて、

そして帰国したんだよね。


もし、その時に帰国していなかったら、きっと大学に戻ることはむずかしくて、
そうなると、その後の就職もかなり大変になるだろうからって、
そのまま「放浪の詩人」になってたかもなぁ。

なんだ、今ボクが目指していることは、
23歳の冬の決断次第で実現してたのかもしれない。

そう思うと不思議な気分だよ。

*****

もし、帰国が無ければ、
あの復学もなくて、あの就職もなくて、女房や息子や娘(やワンコ)との出会いも無くて、
別の人生が開けていたんだろうけれどね。

じゃあ、そっちの別の人生を歩みたかったのかと問われれば、そうでもない。
今の人生は今の人生で、きっとありえた人生で、そして実際あった人生なんだって思う。

でもさ、一方では、
きっとありえた人生で、でも選択されなかった人生があったってことを、
そして、その人生のエキサイトを、ボクはありありと想像することができる。


今、自分に言えることは、
その人生を、若いころに経験するか、老いぼれになって経験するかの差だけだよ。

どっちか良かったかなんて、わかったもんじゃない。


ブログランキング・にほんブログ村へ ← click me!


*1 zarzuela スペインのオペラ音楽の一種。一般大衆向けの軽歌劇。
*2 bar スペインの立ち飲み居酒屋。街中ではどんな道にもバルがある。人々のコミュニケーションの場。