健康を保つなら、超加工品や加工品と呼ばれる食品を避けることは必須。
では、逆に健康に良いとされる食品は?
アメリカのカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)准教授の津川友介先生の著書『HEALTH RULES (ヘルス・ルールズ) 病気のリスクを劇的に下げる健康習慣』によるエビデンスに基づいた食品は次の5つです。
① 魚
② 野菜と果物(フルーツジュース、ジャガイモは含まない)
③ 茶色い炭水化物(玄米、蕎麦、全粒粉を使ったパンなど、精製されていない炭水化物)
④ オリーブオイル
⑤ ナッツ類
今回は特に「魚」に焦点を当て、その健康効果について詳しく見ていきましょう。
魚の健康効果
魚の摂取が健康に良いことは多くの研究で証明されています。例えば、67万人のデータから導き出された研究結果によると、魚の摂取量が多い人ほど死亡リスクが低く、1日60gの魚を食べていた人は、まったく食べていない人に比べて12%も死亡率が低かったことがわかっています。スーパーで売られている切り身1切れが約80gですので、1日1切れで60gは簡単にクリアできます。
では、魚に含まれる栄養素とその健康効果について詳しく見ていきましょう。
●血液サラサラ(EPA)
EPA(エイコサペンタエン酸)は、血液をサラサラにする効果があります。その結果、動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞、高血圧、脂質異常症など血液や血管に関わる病気を予防できます。また、アレルギー疾患やアトピー性皮膚炎を軽減する研究結果もあり、健康維持に役立ちます。
●記憶力維持(DHA)
DHA(ドコサヘキサエン酸)は、記憶力の維持に役立つと言われています。DHAは主に青魚に多く含まれ、EPAと一緒に含まれることが多いため、同様の作用が期待できます。朝に食べると血液中の中性脂肪が減少するとの研究結果もあり、健康維持に役立ちます。
●強い体(たんぱく質)
魚の主成分であるたんぱく質は体を作る材料になります。筋肉、皮膚、内臓など体のあらゆる部分に必要であり、効率よく体内で利用されます。たんぱく質は低栄養予防や免疫機能向上にも役立ち、健康的な生活を送るためには欠かせません。
●丈夫な骨(カルシウム)
骨ごと食べられる小魚を食べるとカルシウムが摂取でき、丈夫な骨を作る効果があります。主に骨粗しょう症予防に役立ちます。特に女性は閉経後に骨量が急激に減るため、男性よりも意識してカルシウムを摂る必要があります。
以前の記事でもお伝えしましたが、EPAとDHAについて今一度詳しくみていきましょう。
EPAやDHAはn-3系多価不飽和脂肪酸です。
簡単に言えば、「アブラ=油」です。
ちなみに、牛、豚、鶏肉の油は飽和脂肪酸で、こちらは
「アブラ=脂」です。
「油」と「脂」の違い。
それは冷蔵庫に入れてみたらわかります。
牛、豚、鶏肉の「脂」は、白く固まってしまいます。
しかし、魚の「油」は固くなりませんよね。
固くなってしまったら、冷たい海の中で、自由に泳ぎ回ることは不可能です。EPAやDHAはきわめて流動性に富んでおり、氷点下0℃でも固まることがないのです。
人の脳は、水分を除いた約60%がアブラでできています。脳にアブラが多い理由は、アブラの膜(細胞膜)でできた細胞がぎっしりと詰まっているためです。
だからこそ、食事でどのようなアブラを摂取するかが とても重要になってくるのです。
最後に、特におすすめの魚はEPAやDHAを豊富に含む魚をご紹介します。
イワシ
サバ
アジ
サンマ
マグロ(トロ部分)
ブリなどの青魚です。