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フィリップの看護のブログ-看護雑誌と書籍を批評

通りすがりの管理人フィリップが
看護の本と雑誌の読みかたや選びかたを
真剣レビューします

看護学生のための看護クイックレファレンス


発行:照林社(20103月)

定価:4,410

本のしくみ:A5判/1,112


フィリップの看護のブログ-看護雑誌と書籍を批評
本の内容は?

看護師国家試験の出題基準に沿って、看護学生が覚えておきたい項目を整理した参考書。レファレンスって意味わかる?まあ、参考文献的な意味合いなんだけど、それぞれの分野に必要な知識は整理されている。

内容的にはいたってシンプルでいわゆる正文集的なもの。外見、中身ともに、見た目的には例の「レビューブック」に近いみたい。ただこっちはあまり国試対策書という売りではなく、あくまでも看護学習のための辞書的参考書って感じ。「過去に出題」などの表示はない。教科書ベースに、教員側が学生に覚えておいてもらいたい、あるいは看護師としてしっておきたい知識や技術を網羅している。てっきりベタの国試対策書かと思っていた、フィリップは。

確かに入学後から授業に沿って地道に調べ、参考にしたり、書き込んだりしていけばそれなりに効果はあるだろうね。

レビューブックとの違いは(まあ、競合として作っているのかは知りませんが)、源泉が教科書なのか、過去問なのか、そして本としてのゴールが臨床に生かす看護なのか、国試合格なのかという点。「とりあえず割り切って近道で国試を目指すならレビューブック」、「いや、教科書を基本に一歩一歩という人はレファレンス」ってことになりそうだけど、まあ、書いてある内容にそう大きな差はない。でもそれならば国試対策を前面に出している方を選んでしまうんだろうね。

レビューのカテゴリ、国試対策書でよかったのだろうか…。まあ、教科書や授業の内容をまとめるためのベース本として使うのもいいかも。


ポイントは?

●黒と赤の2色で、赤色シートで隠せる。イラストや図表は豊富。知識確認のためのチェック問題も収載。

●分厚い本だけど、開きやすい。机で勉強するにはいいだろう。

●紙面には、余白がなかなか多いのでいろいろと書き込むことができる。


ここに注意!

イラストのイメージ、雰囲気(絵のタッチ)がところどころ違うんだよね。解剖的なイラストにしても、かわいい雰囲気の次にけっこうリアルな顔のイラスト(けっこう怖い)が出てきたり、イメージを統一するのが難しいね。

●まじめで優等生的な本の作り。よく言えばシンプルで落ち着いていて格式も高い感じがするが、悪く言えば真面目すぎてあまり面白くない。「国試対策書」ってカテゴリに入れてよいのかどうかわからないし、 「看護辞典」って感じでもないし…。なんかコンセプト的にはっきりしない感じがする。悪い本でなないんだけどね…、これっていう何かが感じられないのが残念。


こんな人にオススメ!

●教科書を大事にして、しっかり覚えていきたい。コツコツ勉強するタイプ。


総合評価

10点満点中6点★★★★★★☆☆☆☆

看護学生のためのレビューブック 2012年版


発行:メディックメディア

定価:5,565

本のしくみ:A5変型判/1,500

付録:2冊(必修POCKETS、データブック)



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本の内容は?

過去10年間の看護師国家試験で出題された項目を中心にまとめた国試対策書。簡単に言うと、過去の国試問題集から特に重要だと思われる項目を出題基準に沿ってピックアップし、正文集でまとめた、いたってシンプルな本。フィリップは使ったことなかったが、近年では看護学生のバイブル的存在になっているようだ。

改めてレビューの必要もないと思ったが、定番書ということで一応目を通し、レビューしてみた。

特徴としては、昔使った国語や英語の辞書のような作り。この本、パッケージに入っているが、その点も辞書に似ている。見た目とは違う、銀色のシンプルな辞書のような本に、付録2冊がついて、それが箱におさまっている。この辺のパッケージングが、国試合格セットみたいで受け入れられているのだろうか。

印象としては、看護学生が好みそうなテイストによく研究されているなと思った。まず、イラストが多い。多少ディフォルメされているが丁寧なイラストが目を引く。そして図表も多い。たんなる正文集の羅列ではなく、視覚的に理解する工夫が施されている。この辺りは類書と比較してもわかりやすさは一歩抜き出ている。

また、項目ごとに「基礎知識」「症状」「治療」「検査」「看護」などにも分類してある。まあ、なかなか整理されている。

過去10年で出題問われた内容は青い文字で表示されている上、その中でとくに重要な部分は赤字で示されている。つまり、類書に比べ色が一つ多い。また、必修マークや★マーク(3つだと過去7回以上出題、2つだと46回、1つだと13回)もついていて、ある意味、いたれりつくせり。

その他にも本は開きやすく閉じにくいわ、語呂は入ってるわ、最新版から視覚問題向けの「知っておきたい画像」なんかも巻頭に入れたりと、まあ、やりたい放題(良い意味で)。売れていてお金が入るからこそなんでもできるのかね。

同社の過去問題集(クエスチョン・バンク)等とも連動しているし、まあ、国試対策正文集としては1つの完成型かもね。

なるべく最高学年の前に購入し、とにかく使い込む。そうすることで日々の学習や実習内容を「国試につなげて」整理していける教材。会社のホームページを良く見ると、「まず低学年で1冊買って、そのあとに最高学年でもう1冊」なんて言っているけど、購入は1冊で十分だろう。それを使い込んだ上であとは過去問や教科書やらで補足をしていけばよい。


ポイントは?

●ひたすら学生のニーズというか学生の好みを追及している。見やすいイラストや図表には目を見張る。

●出版社の提案通り、自分のオリジナル本にできる。まあ、何も書いていない手帳みたいなもの。そこにいろいろ書き込んで自分なりの愛着を持たせることが重要。

●紙質もなかなか手触りがよい。チェックペンをひいてもにじまなそうだし、見栄えはいい。

●過去問題修含め、同社の参考書とリンクしている。どれか買ったら自動的に他も、という感じで商売上手だねえ。


ここに注意!

●繰り返しだけど、「看護に役立つ」「看護師として知っておきたい」というスタートではなく、「国試に必要な」というスタートラインで知識を厳選している。極端にいえば、知識の源が教科書ではなく、過去問で、それをひっくり返して合格に重要と思われる項目をまとめている。本来、「看護現場で役立つ=国家試験で問われる」という図式が理想だが、残念ながらなかなかそうもいかないのが現状。だから、教科書という回りくどいものではなく、国試合格のためと割り切った上で、活用するのがよいだろう。

●さっきも書いたけど、この本の内容をこのまま覚えようとするのは、英語の辞書で英語を覚えようとするようなもの。教科書や問題集をやっていてわからなかったことなどを「国試対応の辞書」といえるレビューブックでしらべ、さらにそこに書き込みをしていくことが大事。決してこの本中心で勉強しないこと!そして使うなら厚さが倍になるくらい書き込んだり張り込んだりしてとにかく使い込んで!


こんな人にオススメ!

●「授業聞いて、教科書読んで、過去問やって、重要なところ、必要なところは自分で書き出してオリジナルのノートを作れる…」そんなことができる人以外はだれでも活用できるのでは?


総合評価

10点満点中9点★★★★★★★★★☆

デルカン2012


発行:メディカ出版

定価:1,890

本のしくみ:B6判/334


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本の内容は?

看護師国家試験対策として「これだけは!」といえる重要ポイントを103項目セレクトし、簡潔にまとめているコンパクトな直前対策書。重要ポイントの解説に加え、穴埋め式問題を収載し、力試しができる。ただ穴埋め式といっても、書き込むのではなく、カッコ内にすでに記入したある朱色の文字を付属の赤色シートで隠すタイプ。問題数は1項目につきだいたい1015問くらいかな。

類書に比べ、要点ポイントが103項目と非常に厳選しているため、あくまでも直前の総チェックとして使ってもらいたい。

左ページに要点整理、右ページに関連問題を配置し、1つの項目について見開きで完結。

そして後半に過去問ベースの力試し222問も収載。こちらは実際の国試をイメージした4択問題。

あれもこれも詰め込まず、あくまでも直前物と割り切ったスタイルは評価できる!最後の神頼み的な本としてはなかなかよくできている。

当然、そんな人はいないと思うけど、「これが解けたら安心」という本ではない。あくまでもだめ押しの1冊だから!まあ、どうしても直前に何か1冊という時には買って損はないだろう。


ポイントは?

B6サイズで334頁。ポケットに入るとは言わないが、この手の本の中では一番コンパクト。直前対策物としてはかなり古くからある本だから、いろいろと研究は重ねていると思う。書き込み式でもないので、効率よくチェックできるだろう。

●サマリー部分の解説の文字はけっこう大きい。当然その分簡潔な解説にはなるが、ポイントだけは整理できるはず。


ここに注意!

●直前物でコンパクトなのがよいが、その分、1,890円が値段的にはちょっと高めに感じるなあ…。もう少し頑張ってほしい。


こんな人にオススメ!

●時間を無駄にしたくない、通学中や空き時間に何か読んでいたい。

●国試直前に何かやっておかないと落ち着かない!


総合評価

10点満点中6点★★★★★★☆☆☆☆


伝説的な本

余談だけど、昔フィリップが看護師国試対策書を読みあさっているとき、デルカン(出る看護師国試の略)に対抗して「ヤマカン=ヤマをかける看護師国試」というのが出たんだよね。すぐなくなったけど(笑)国家資格、しかも命を預かる職業に就くための試験で「ヤマをかける」って公然というのはまずかったよねえ。

看護国試 ココポイ!


発行:照林社(201012月)

定価:2,415

本のしくみ:A5判/504


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本の内容は?

過去7年分の看護師国家試験出題傾向から頻出260項目(数的にはラ・スパと同じ)をセレクトし、まとめた国試対策書。頻出項目をさらに重要度別に「よく出る!」「出ている!」「出るかも!」の3段階に分け、アイコンをつけている。予備校的なデータに基づく分け方ではあるが、試験傾向を分析した上での分類なのである程度目安にすることで効率的な勉強はできるだろう。

まあ、ラ・スパのレビューでも言ったんだけど個人的には、頻出260項目を厳選したのだから、その中で「出るかも!」というのはどうなんだろう?という気もするが。260に選ばれなかった項目こそ「出るかも!」では?まあ、出版社側でこれだけ厳選してくれたのだから、すべてクリアするくらいの気合で臨んでもらいたいね。フィリップとしては。

内容としては、過去問を流用した正文集。誤った選択肢についても正文集に直して掲載している。サマリーのようなポイント整理はなく、ひたすら正文集が続く。ほんとに総チェックという感じだが、ちょっとメリハリがないかな。その点ではラ・スパのほうが若干雑な感じだけどメリハリはある。

サマリーなどでひと通り学習した後に総チェックするのがよいだろう。ページの両サイドにはいろいろ書き込めるようなスペースはある。

でも、国試をベースにした正文集なのに、年度版じゃないの?これ。


ポイントは?

●重要項目を厳選しまとめてある。項目の多さにしては頁数を押さえてあるので比較的コンパクト(2cmくらいか)。


ここに注意!

260の重要ポイントを厳選しているが、あくまでも項目の数。その項目ごとに数はまちまちだがたくさんの正文集を羅列しているってわけ。「国試に役立つ重要項目をまとめた辞書」だな。

●紙面は黒と赤の2色なんだけど、特に赤色シートで隠すタイプではないみたい。ポイント(赤字)を意識しながらひたすら正文集に取り組む。隣に理解したかどうかのチェックマークがついているが、隠して力試ししているわけでもないので、ほんとに理解できてチェックしていいのかが判断しにくい。むやみにチェックしないように…。

●イラストや図表はそれほど多くない。すっきりしていていいんだけど、おとなしいというか、メリハリがないというか、なんかやる気にならないんだよね。まあ、泥水をすすって生きてきたフィリップにはきれいすぎるってことか。


こんな人にオススメ!

●うーん、むずかしい。悪い本ではないんだけど、面白味がないというか。優等生的な人がじっくり使うのにはいいのかなあ?

●使うのであれば、当然正文集を覚えるのではなく、さらに調べるなり、調べたことを書き込むなりして内容を理解するように!


総合評価

10点満点中4点★★★★☆☆☆☆☆☆


ナース専科2011年8月号(エス・エム・エス,900円)


フィリップの看護のブログ-看護雑誌と書籍を批評





全体評価

●本年、月刊→隔月刊と規模縮小となった看護総合雑誌。なので、なかなか同じ土俵では評価しにくいが、聞けば業界NO3。月刊誌の頃の紙面をのぞいてみたが、文字がごそっと詰まっていささか読みにくいものの、鋭いテーマも時折みられた。過去の発行元が、さまざまに変わっているのは大人の事情?フィリップにはリサーチ不足。ともあれ、おそらく業界最大の登録数を誇るであろう人材系のエス・エム・エスがその発行元。ナース専科コミュとの密接リンクで、そっちが主役で雑誌が脇役の扱いか。それとも読ませる雑誌というより宣伝媒体としての役割を残したのか。それもこれもひっくるめて、本ブログブレインのみなさんの意見を集約すると、ベストセラーの良書「ねじ子の秘密手技」を連載するためにある雑誌と結論。



8月号評価

●今号の特集はベーシックな作りで根拠を交えて看護実践を解説。その手技にはワケがある。というタイトル。ワケというのはいわば根拠。確かにいろいろ「ワケ」はあるけど、もはや知り尽くされている「ワケ」で、目新しさはない内容。たとえば、浣腸は立位より臥位。何年前の根拠かと思う。もうやってるって、フィリップのまわりでも。

●内容自体は、技術に関してしっかりした理解をされて教育的立場の著者を揃え、安心して読み込める。若手の確認用として使えるし、院内研修の資料に費用がかけられないようなら、1冊コピーして配っても十分か(コピーはダメなんだろうけどね)。

●1つとして、初めて知ったという項目がないことに、企画側のネタ不足、過去の企画の焼き直しでしか紙面作りができない苦しさも感じざるを得ないのは、もう言っても仕方ないか。

●そして、特集以外に目立つのは「ねじ子の秘密手技」の連載。書籍が2冊出ているが、爆発的に売れている。書籍のレビューは別の機会にまとめたいが、この3冊目のためにある雑誌というのは冒頭の書いた結論。おそらく正解。となると、ねじ子ファンで、一日も早く読んでおきたい、という方には満足かもしれない。

●ただし、雑誌の持ち味とは逆のニーズ。特集記事を目当てに買い、連載はそれをサポートする位置づけがもともとの姿だろう。定価は数ある雑誌で2番目に安いが、それでも連載のためだけに買おうとはフィリップは思えない。このご時世だしね。

●もちろん、「ねじ子の秘密手技」は、その1その2ともに買っている。なぜならおもしろいから。でも、週刊マンガに命をかける小学生じゃあるまいし、連載終了後に出てくる書籍で買うのがよいという判断。特集記事がべらぼうにおもしろければ、買っちゃうけどね。やはり看護の最新情報を得るには、エキスパートナースや月刊ナーシングに期待しましょう。



今月の評価

10点満点中3点★★★☆☆☆☆☆☆☆



お買い得感

大ファンの「ねじこ」評価で1点プラス。ただし、くどいけど連載よりは書籍でよみたい。つまるところ、明日必要な知識ではないしね。