ゴミ屋敷ナース | nurseredcatのブログ

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うちの病棟での主、最古のナースが退職しました。もうかれこれ50年近く働いていた女性で、動く辞書とはこういう人を言うんだと納得。特に心臓関係の情報はそこらのドクターよりも詳しく、血流力学やペースメーカーの内容だったら何時間でも話すことができる人でした。普段は婦長さんをしていましたが、頭が古すぎ、何もできない、などと若いナースたちから文句がきていました。病院側は組合に守られているナースをクビにすることができないので(よっぽどのことをしない限り)、なるべく本人が退職を希望する方向に促す細工をはじめました。まずは婦長からはずされ、患者さんのケアに戻されました。もちろん仕事のペースについていけず、パニック状態に。そのあとは窓際族のようにただのお手伝いさんのような仕事をさせられていました。本人は働けるまで働きたかったようですが、最後はあきらめて退職しました。

 

普通退職する時は自分の荷物などを片付けて家にもって帰りますよね? 彼女は全くそれをしなかったので彼女のロッカーなどを整理することになりました。普通一人1つのロッカーと1つのメールボックスがもらえるのですが、彼女はロッカー3つ、メールボックス3つ、2段式のファイル入れ1つ、箱が3つ、でてくるでてくる、ものすごい量の書類やゴミの山。びっくりしました。書類は1970年代のものからあり、患者さんの情報やその日の患者さんの割り当て紙、イーメール、教育熱心だったからか色々なクラスの教科書や参考書など。その他にもジャケット3つ、教育に使ってたと思われる器具などもいっぱいでてきました。ほとんどの物がリサイクルに出されたり廃棄されました。

 

アメリカではゴミ屋敷に住んでいる人をHoarderと言い、彼女がそうだったんだと思います。退職が決まってから2週間近くあったのに全く私物に片付けていなかった様。Hoarderは精神病の一種で、物を捨てることができない人たちです。一度仕事仲間が彼女の車を見たそうですが運転席以外は物でいっぱい埋まっていたとか。一人暮らしなので家もゴミ屋敷状態なのかもしれません。集中治療室のナースはきれい好きが多いのでHoarderは意外でした。

 

仕事するのが生きがいだった彼女。ゴミ屋敷に負けないで退職後をエンジョイしてればいいなー。ちなみに私はHoarderの反対ですぐに物を捨ててしまい怒られるかあとで後悔するタイプです(笑)。