え? これが治療? シリーズ | nurseredcatのブログ

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医療関係者じゃない一般の人には”え? これが治療?”と思うだろうなーというものを集めてみました。

 

其の一。ヒル治療。

以前、外科の病棟で働いていた時はヒル治療をよく行っていました。ヒルを手術後に壊死した場所に置くことで血液を循環させる方法ですが、結構いい結果がでていたのを覚えています。衛生面をしっかり管理した状態で育て上げられたヒル。一日に一度、一匹ずつビーカーに入れられて送られてきます。まず、ヒルに吸わせたい場所の周りにテープとガーゼなどで壁を作ります。でないとヒルが違うところに行ってしまうから。そしてピンセットでヒルをビーカーから皮膚の上に移します。すぐに吸い付いてくれればいいのですが、ヒルも気まま。なかなか吸ってくれなかったり、拒否するやつもいる始末。10分ほど頑張っても吸ってくれない時はもう一匹を送ってもらいます。吸ってくれたらそのままヒルが満腹になって離れてくれるまで放置。最後はアルコールの液の中に入れてご臨終様です。この治療。時間がかかるので毎日毎日やるのが大変でした。ちなみにヒルの代わりにウジを使う方法もあるらしいですが(これは血液を循環させるのではなく壊死した細胞を食べさせる方法)、私はウジは使ったことがありません。

 

其の二。注射器方法。

患者さんの脈拍が速くなったとき(一分間に130以上)注射器の外筒の大きく開いている方を患者さんに口にくわえてもらって筒先から息をだす行動をすると頻脈のタイプによっては脈拍を遅くさせる効果があります。他にもうOちをするように踏ん張ってもらったり、息をこらえたりする方法もあり、一般にバルサルバ法と言います。稀に効くので、薬などを待っている間にこの方法をとってみることがあります。

 

其の三。便微生物移植。

抗生物質などの副作用や、がん治療で腸内菌が足りない患者さんに健康な腸内菌を持っている家族のうOちを移植する方法です。これは外科の病棟でたまに行っていました。家族の人にうOちを持ってきてもらうのですが、最初は抵抗がある人が多く、それでも家族のためと恥ずかしそうに持ってきてくれました。そのうOちを入れ物の中で水分で薄めて浣腸のようにして患者さんに入れます。

 

其の四。足上げテスト。

患者さんの血圧が低いときなど点滴をもっと上げるべきか、薬をあげるべきかで迷うときに使います。人間の足には200ccほどの液があり、寝ている患者さんの両足を一挙にあげることによって200ccの点滴をあげたような状態にします。患者さんの状態がよくなれば点滴が効くという証拠になるので点滴をあげ、状態が変わらない場合は血圧をあげる薬をあげます。これは集中治療室でよく行いますが、家族の方がびっくりします。

 

其の五。狸寝入りテスト。

これは家族の前でやるとちょっとヒンシュクですが。。 癲癇や意識不明を装っている可能性がある患者さんがいる場合、患者さんの腕を持ち上げて顔の上に持っていき、わざと落とします。狸寝入りをしている人はあわてて腕をずらして顔に当たらないようにします。本当に意識不明の人は腕がそのまま顔に落ちます。これはよくERでします。結構狸寝入りしている患者さんって結構多いんですよー。でも一度、何をしても全く動かず、目を覚まさなかった患者さんがいてナースが目を離したすきに自ら呼吸器を引っこ抜いてしまったベトナム人のおじさんがいたことがありました。そのあとすぐわかったは、その患者さんは母国でひどい拷問を受けたことがあって死んだふりをすることを経験したことがある人で、この時もそうしていたと言っていました。その時はびっくりしました。