抜き打ち調査! | nurseredcatのブログ

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保健省が抜き打ち調査にきました。すぐにあちこちの病棟に連絡がいきわたり、ナースたちの飲み物はナースステーションから消え、ちらばっている物は片付けられ、ナースたちは患者さんたちの部屋に隠れます。大体3日ほどで調査は終わるのですがナースたちは気が抜けなくてあまりうれしい訪問ではありません。

 

アメリカの病院は保健省やJoint Commission(医療施設認定合同機構)が定期的にサプライズ調査にやってきます。何年おきにくるのでだいたい訪問日の予想はつくのですが、実際の日時はわからず突然やってきます。調査結果によってはただ注意をされたり、下手したら病院を短期閉鎖されてしまうこともあるので病院側はひっしに違反を見つけられないように直したり、隠したりのてんてこまい。夜に来る可能性もあるので夜勤のナースも安心できません。調査結果によっては国や州からでる援助金にも影響がでるのでいい調査結果をだすのが大切です。

 

調査内容は毎回少しずつ違うのですがまずは病院内の清潔さ、火事予防、けが予防などの院内状態が見られます。コーヒーが大好きなナースたちは普段はコーヒーを飲んだりお菓子を食べながら記録したりするのですが、この時は水さえも記録中は飲めません。基本的に殺菌できないものは禁止なのでちらしなどがテープで壁に貼ってあったらだめだし、少しでも壊れているものがあったら故障中のサインがないといけません。手の洗い方、ごみの捨て方、料理の調理、清掃の方法などもみられます。また、患者さんの権利やプライバシーが守られているかなども見られるので、コンピューターを開けっ放しでちょっと席を離れたりしたら怒られます。今回、普段はまったく顔をみせない病院のお偉いさんが調査団が来る寸前に私の働いている病棟にきて飲みかけの水などを捨てまわったりしてるのをみて大笑いしてしまいました。

 

他にもナースやドクターがチャートを正しく記入しているか、定められた方針や手順をふんでいるかなども調査の対象となります。例えば痛み止めをあげて、それがちゃんと効いたかどうかを確かめたかどうか、新しい薬をあげたときにちゃんと副作用などの教育を患者さんにしたか。院内感染、床ずれ、転倒数なども対処になります。またナースたちと話して質問に答えられるかをチェックされるので、ナースたちは患者さんの部屋に隠れて忙しいふりをして調査員に会わないように逃げます。病棟のマネージャーもそれをわかっていて、なるべく成績のいいナース、ハッピーな患者さんに質問するように誘導しています。私は今回はコードブルーの最中でラッキーなことに(?)質問されませんでしたが、以前肋骨を折った患者さんが来たときの手順に聞かれたことがありました。”緊張しなくていいのよー”と笑いながら質問してくるのですが目が笑ってなくて怖かったです。

 

でも一番つらかった2019-2021年。コロナ真っ只中、保健省やJoint Commissionは全く関与してきませんでした。私たちは同じマスクを何日も使い、除菌もほとんどできず、物は散らかりっぱなしで違反だらけの状態。一番必要だった時になぜ助けに来てくれなかったのでしょうか?