唐入り・・・
いわゆる豊臣秀吉の朝鮮出兵のこと。
天正20年/文禄元年(1592年)から慶長3年(1598年)にかけ、豊臣秀吉が明の征服をめざして朝鮮を舞台に戦われた国際戦争。
16世紀の世界最大規模の戦争でもある。
朝鮮を舞台にした戦争であるが、明(支那)の征服を目指したものなので、「唐入り」である。
当時の日本では「唐入り」とか「高麗陣」と呼んだが、江戸時代になり「征韓」とか「朝鮮征伐」と呼ぶようになり、現在は「文禄・慶長の役」「朝鮮出兵」と呼ぶことが多い。
朝鮮では当時の干支をとって「壬辰・丁酉倭乱」(倭乱は小中華思想に基づいて、倭が乱を起こしたという意味)と呼び、明では日本が侵入した明の辺寨(朝鮮のこと)をおさえるという意味で「萬暦朝鮮之役」と呼んだ。
ちなみに、前回の記事で書きました加藤清正は朝鮮出兵で活躍した武将の一人です。
ちょうど大晦日から読み始めた歴史小説「夢のまた夢」をつい最近読み切りました。
「夢のまた夢」は津本陽・作の豊臣秀吉を主人公とした作品です。
同作者による織田信長を主人公とした「下天は夢か」という作品を引き継ぐような形で、本能寺の変の直後から話が進む形で始まります。
そして、その流れでいきますと、当然ですが・・・
同作者による徳川家康を主人公とした歴史小説があるはずで、秀吉の死直後から始まるはず・・・
全くその通りで、「乾坤の夢」という作品がそちらに当たります。
それを最近 読み始めました。
ちなみに、津本陽の「下天は夢か」「夢のまた夢」「乾坤の夢」を夢三部作と呼ぶそうです。
ちなみに、「夢のまた夢」と「乾坤の夢」では、朝鮮出兵(唐入り)が結構な内容で書かれています。
豊臣秀吉を主人公とした太閤記ものの歴史小説を書く小説家さんは多いですが、朝鮮出兵はサラッと流してしまう作品ばかりで・・・
そういった意味では、「夢のまた夢」は珍しい作品かもしれません。
(ただ、だいぶ前に書かれた小説なので、内容的に古い解釈のところもありますが・・・)
小説に載っていた朝鮮出兵の逸話で面白かったのが、加藤清正の家来の話です。
その家来は、朝鮮出兵中に虎により その棲み処にさらわれます。
日のあるうちは猫が喜ぶようなことをして、虎をやり過ごし・・・
虎が寝てしまった隙に逃げようとし、近くにあった蔦を大木と虎の睾丸に縛って逃げたそうです。
その家臣が逃げたことに気がついた虎が追いかけようとすると、蔦によって虎の睾丸が・・・。
そんなこともあって、その家来は何とか逃げ延びたそうです。
この家臣のことが清正にも伝わり、この家臣は清正によって名字を授かることになったそうですが・・・その苗字と言うのが「金玉」だそうです。
清正・・・。