帆船日本丸-甲板 | おだわらぐらし

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縁あって暮らす事になった相模の国 小田原
一杯見て 一杯歩いて 一杯味わいたいと思います

では旧横浜船渠第1号ドックに係留されている帆船日本丸に乗りましょう。(因みに ドックは2000年に、船は2017年に 国指定重要文化財になっています。)

前回乗ったのは何十年も昔なので 白状すると何見ても新鮮でした^^;)


↑商船学校の外航商船の船長を目指す若者の訓練の為、昭和5年(1930)に建造された帆船で、設計はスコットランドのラメージ&ファーガソン社、神戸の川崎造船所が 建造しています。四本マストの「バーク(3本以上のマストを持ち、最後尾のマストには縦帆、それ以外のマストには横帆を張る)」というタイプに分類される帆船ですが、ディーゼルエンジンも積んでいます。/ 訓練用帆船として作られながら、戦時中は軍に協力して輸送船となり、戦後は引き上げ船としても働いた、という 美しいだけじゃない_ 悲しみも知っている船、です。

チケットブース横の船首側タラップを渡ります。


↑見学ルートは一方通行。船尾側のタラップは「下船専用」になっていました。

名称、順路等は こちらでご覧下さい↓
https://www.nippon-maru.or.jp/nipponmaru/

デッキに上がってまず目にするのは救命艇。


順路にそって階段を上がり 前部航海船橋の操舵室へ入ります。

中央に舵輪。その上に伝声管も見えますね。

舵輪が取り付けられているのは「テレモーター」。その上に「レピーターコンパス(repeater compass)」なるものがついています。/レピーターコンパスは マスターコンパスからの電気信号を受けて方位盤を動かすもの~ だそうですが よくわかりません^^; マスターコンパスはどこにあるの?(→後で知る事になりますが マスターコンパスは第二甲板のジャイロ室に置かれているのでした。)


舵輪の前に木製の胴を持つ ロボットのような機械が「立って」いました。これは?


↑ビナクルと呼ばれる円柱型の架台にセットされた磁器コンパス、ですね?

↓体重計みたいなのは 床上形丸形両面のエンジン・オーダー・テレグラフ。右上に見えているホースのような物は伝声管。

(↑エンジンは今~「スタンバイ(ニュートラル)」に入ってます。)

操舵室の左右_ドアの外 すぐのところにもー


↑レピーターコンパスがいました。(三本足の火星人 みたいで面白いー。)

左のレピーターコンパス横から見た船首。


右のレピーターコンパス横から見た船首。

↓右のレピーター~横から甲板へ下ります。


ぐるー っと回って 船首楼甲板に出ました。

↓これは「クレイン」。鶴、の意味ですね?

↓クレインの先にも 何か説明板がついてます。

↓へー、錨を上げ下げする時に使う組滑車は キャットテークル(cat tackle)という、んですって。
どこか・・・猫っぽいかなあ? 疑問に思って調べたら、昔の木造船についていた 錨を上げ下げする際に使われる海側へ少し突き出した角材をcathead(猫頭)と呼んだ、とわかりました。それに由来して 錨用のクレインは「cat crane」、フックは「cat fook」、ロープは「cat fall」、錨を固定するものは「cat stop」~と 猫づくしらしい。(このクレインも錨用の物だから「キャットクレイン」かな?)

右舷側にも錨が置かれていました。固定している装置についてる説明板には「チョウ」って書かれてます。

先が左右に開いたタイプのナットが使われてる_

↑なるほど、蝶、ですね?

錨は複数ありー、
現在降ろされている錨は この下、らしい。

↓多分 手前の樽のような物が 錨の巻き上げ機なのでしょう。(穴に棒を差して 皆でぐるぐる~)

(↑フォアマストの向こうに見えているのは船橋/ つまり 船尾側を向いています)

ヤード(マストに付けられた横帆用の横棒)の説明板がありました。

(↑Topgallant と書いてゲルン、Topsail  と書いてトップスル・・・。帆船用語は難しいー)

↓フォアマストを見上げたところ_。


丸いフープみたいな物は は何かなア?(落下防止ネット?鳥よけ?)

船の先に突き出している棒はバウスプリット(bowsprit)。

(↑ロープが掛かっている短い棒は ビレイング・ピン(索止め栓)。ドラマではあれを引っこ抜いて武器に使ったりするんですよねー・・・)

(↑総帆展帆時、日本丸はここに三角帆を三枚張ります。)

バウスプリットの下にはドルフィンストライカー(イルカ突き?)と呼ばれる棒があるそうなー。上からはよく見えませんがー・・・


なるほど、↑ここ ですね?(前から三本目のワイヤーロープの下)

凹甲板に下ります。

フォアマストの周り、ロープが一杯。そして それをまとめ 留める ビレイングピンも一杯。




(↑人力で沢山の帆を上げ 更に操る って 凄い事だ、と改めて思わされます。)))

船首楼甲板の下、部分を覗いてます。/操舵室の伝声管の声は ここに届くんですね?


↑そしてこれは蒸気で動く「揚錨機」。(船首楼甲板の真ん中にあった ぐるぐる~ の後釜?)

やー こんなポンプやコックも ころり と丸っちくて可愛いなあー。


わー これはまた!(私好み)

↓キャプスタンって名前でしたか。(そうでした 『ツバメ号~』にも出てきましたね。)

六つの穴に棒(キャプスタンバー)を刺して ぐるぐる~。

へー あの「穴」はpigeon hallですか。



あちこちに色んな生き物の名前がついてるんですね。↓滑車を挟む覆いは「貝(shell)」ですってよ?


これは船内の換気のための空気の取り入れ口で「きせる型通風筒」という物。「形がきせるに似ているので」この名があるそうです。

(もっとも英語名は「COWL HEAD VENTILATOR」_キリスト教の修道士のかぶる頭巾~ だそうですが)

この後は船内を見学したのですがー

話があちこちになるので 飛ばして 又甲板に出たところから~


えーと 今いるのはー

船尾甲板のジガーマスト(一番後ろのマスト)の近く、ですね。

↓又キャプスタンがあった。

ん?この 頭上のオレンジ色の横棒は?

で、この時やっと気づいたんですよ、これがジガーマストから後ろに突き出しているブーム(帆桁)だと。

(いやー 普通のヨットだと「頭ぶつけないように気を付けて」と言われるブームが 凄く高い位置にあって たまげました) 大きすぎて実感わきませんが 日本丸はやっぱり ヨットの仲間なんですねー!/ 知ってたけど わかってなかった。

↓尚、ジガーマストとブームには ヨットのように縦帆が張られます。


(↑一番下の図のように_)

改めて船尾甲板を見ましょう。

↓これは「天窓」。

↓最後尾のフードの中には 舵輪が二つ?(二連舵輪、だそうです。左右に一人ずつがついて計四人で操舵した~ そうです。三連舵輪の船もあるそうですー)

(↑舵輪の前 左右に磁器コンパス達 。四角柱の箱にセットされてるけど これもビナクルって呼んでいいのかな? 因みにbinnacleの文字通りの意味は「小さな家」だそう

(↑帆船は 帆の状態を見ながら舵を切るので 舵輪は船の一番後ろに置かれる~ のだそうです。/ なるほどー)

↓海図室の上に上がりましょう。


上がった先で見たのは_

↑又々 磁器コンパス(ビナクルと呼んでいいのかな?)、とレピーターコンパス、でした。(船にはいったい何体コンパスが乗ってるのだろう?)

後でMAPを見たら ここは「後部羅針儀甲板」という場所でした。(コンパスのための場所だったのねー)// ~と、船には 磁器コンパスと ジャイロコンパス(+そのレピーター)、2タイプのコンパスが載せられているんですね。理由は 正確さではジャイロの方が優るも ジャイロには電源が必要。不測の事態に備え磁器コンパスも置かれている~ のだそうです。へー。

何にしても いや~ 見どころ一杯! 面白かったー。



↑船尾側の甲板から降りているところ_。 


しかし後回しにした「船内」も 面白かったんですよー。/ つづく