伊東の東海館(トウカイカン)-2-館内 | (又)おだわらぐらし はじめました

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 背広を脱いだ夫と 結婚以来ずっと専業主婦の私との
「新しい日常」を綴って参ります

(つづき)
では 館内へ。

_とその前に まず「東海館」とは_。
昭和3年に材木商-稲葉安太郎が開業した温泉宿。安太郎は 隣の 現-K’sHouse Ito Onsen(当時は「大東館」)の創業者-稲葉惣次郎と親戚関係にあったそうで、戦後は「大東館」も安太郎氏が所有し「いな葉」と改名しています。(二軒の旅館建屋の間に不思議な 「調和」 があるのには こんな理由もあるのでしょう。)
東海館は平成9年(1997)に営業を終了し 所有者から市に 寄贈 されました。これを受け市は保存改修工事を施した後 平成13年(2001)「伊東温泉観光・文化施設 東海館」として開館、今日に至っています。
(「いな葉」の方は平成19年(2007)の廃業後 K’sHouse Ito Onsen とオーナー+名称が変わりましたが ひきつづき旅館として営業を続けています。)

↑説明板によると_
(前略)
 創業者の稲葉安太郎氏は旅館の旦那になることが夢で、地元で材木店を営みながら国内外の高級な木材を集めていました。そのため、館内には形や木目などの美しく質の良い木材などがたくさん使われています。昭和13年頃に建築された新館と呼ばれた部分では3人の棟梁を各階ごとに競争させたこともあり、廊下の飾り窓や階段のてすりの柱などにそれぞれ違った職人の技と凝った意匠を見ることができます。他にも、玄関の豪快で力強い彫刻や書院障子の組木のデザイン、照明器具などもみどころです。との事ー。



「こんにちはー」



えーまず1F喫茶室で ちょっと休憩させてもらいましょうかー。





↑南の縁側に座ります。

↓頂いたのは 私が「夏みかんのフレッシュジュース」、亭主が「ぐりちゃセット(お菓子つき)」。

(尚、注文は入口の受付で、となっていました。)

↑お菓子は みかん味と抹茶味のわらび餅でした。
そうそう、ぐりちゃ というのは「蒸し製玉緑茶」の事。_「ぐりちゃ」の発祥は九州だそうですが この名称が使われているのは今ではほぼ静岡県東部エリア、のようです。

窓からの眺め。

ん?アレは?


そうかなとは思いましたが やっぱり鯉 でしたー。(ここ河口近くなのにな って 鯉って汽水域にもいる、んでしたね。そういえば宍道湖にもいたわ)))

では 改めて 館内見学へ。

これは中庭。


三階建ての東海館には 風情 だけでなく 明かりと換気の為にも中庭が必要だったのかな?

これは?

「蔦」の間、かと覗いてみたら・・・

耐震補強のための斜交いですね。

その先ー

「蘭」の間へ。
おー さすが「材木屋さん」がオーナーの宿!

↓廊下から見たところ_

↓室内から。


書院も素晴らしい。



「葵」の間。


こりゃこりゃまたまた。


調度品も良いねえ。


_とこんなのが一階。

二階へ上がってみます。




「牡丹」の間に入ってみます。


ここも素敵ー。





やー こんなお部屋、泊まってみたかったなー。

その隣「橘」の間は 資料展示の部屋になっていました。

テーマは三浦按針。

按針は伊東の伊東大川(=松川)河口で80トンの洋式の帆船を作ったんですねー。/へー。


「五月」の間のテーマは・・・

伊東祐親、でした。

曽我の仇討ちの遠因を作り、自分の娘八重と頼朝の間の子を淵に沈め・・・(←もっともこうした話は後の世の創作かもしれませんが) とあまり印象のよくない御仁ですが 伊東の荘の主であった事は確か。

さて その先_

「藤」の間のテーマは、

東郷平八郎。

え?東郷さんと伊東?

へー 東郷さんは晩年 伊東の別荘(←現-伊東 東郷記念館)に住まわれてたんですかー。

その隣はー

市内在住の彫刻家-重岡健治の作品のギャラリーでした。




部屋を出る時に気づいたのだけれど_

小壁に嵌め込まれた 欄間 と呼ぶべき? な彫刻が 向かいの壁に影を作っていました。

↑あら、面白い。でした。

別の部屋には 大久保㐂生 という方の民芸調のお面や人形が_


(この「どんどろ面」「どんどろ人形」という 独特~ の風合いの作品は かつては「伊東土産」として人気があった、そうです。/へー。)

こんな部屋もありました。



↑四畳+二畳の 段差 のある北向きの「小部屋」。障子の向こうの影から 玄関の真上と思われます。 もしかして「お一人様用?」(障子の桟にこれだけの細工を施すのですから「布団部屋」ではありますまいー)

これは「号会館開業時の客間」として 復元 された部屋。


へー 「当初は、庶民的な木賃宿として開業」したんですかー。

地歌の聞こえる広間を覗いてみると_
仕舞のお稽古の最中でした。(失礼しました)


こんなのが 二階_。


三階へ上がります。



3Fの川側「孔雀」の間。

もしかして 一等上等なお部屋でしょうか?

(↑北の控えの間)
(↓南の書院)






中庭を囲む廊下。

中庭を見下ろしたところ。

北側には 広間が連なっていました。


↑中ほどに芸者衆のお人形。
↓西側の奥にはお雛様。



↓東の奥は「舞台」です。




振り返ったところ_。


こんなのが 三階。


さて、「三階建て」の東海館には 四階に当たる高さに 外からもよく見えるシンボリックな 「塔」がついています。上がらせてもらいましょう。


ぽん

へーっ。



(↑海方向。隣の「K's House~」の最上階の展望塔、通称「油差し」がすぐそこに見えます。 手前は中庭の上、ですね?)
↓屋根の向こうに さっきあるいた「松川遊歩道」の桜がチラと。

↓駅方向。

ああ、山の桜がイイカンジ。

↓海に浮かんでいるのは もしかして 初島?


今の私達にも十分わくわくできる展望所! この新館が完成した1939年頃ったら それはもう な 憧れの場所だった事でしょうねー。

下りて参りましょう。


一階ロビー。

色んな展示品に混じりー

開業した昭和8年(1933)当初の写真が飾られていました。

こちらは新館が完成なってからの(今と変わらない)ものですね。


↓これは館外に貼られていたパネルですがー

↑『テルマエ・ロマエ』第四巻に登場する「伊藤温泉東林館」は ここ伊東温泉東海館がモデルだったんですねー。

尚、東海館では「土・日・祝」限定ですが 入浴、もできます。(私達が行ったのは平日・・・)))/ 興味のある方は どうぞー^^)


いやー 見どころ一杯! 
おもしろかった!!
ありがとうございました。


おしまい。