甘柑荘(カンカンソウ)でお茶を頂きました | (又)おだわらぐらし はじめました

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 背広を脱いだ夫と 結婚以来ずっと専業主婦の私との
「新しい日常」を綴って参ります

昨日_3月5日(日曜日)は 無持菴さん主催の「桃の節句 呈茶席」に伺って参りました。

会場は板橋の甘柑荘。

↑正面は曹洞宗のお寺-萬年山 霊寿院。
↓霊寿院手前 右手のお宅が旧-三淵邸 甘柑荘です。


↓お玄関。

↓その右手には いかにも陽当たり良さそうな縁側をもつお部屋。



↑縁台には庭になったという蜜柑。

(↓参考までに_昨年10月に伺った時の絵はこちら_)


時に皆様ご存じでした?来年前期のNHKの朝ドラ『虎に翼』の主人公-猪爪寅子のモデル 三淵嘉子(ミブチヨシコ / 日本初の女性弁護士の1人で 初の女性判事及び家庭裁判所所長を務められた方)さんは、三淵邸を建てられた三淵忠彦の長男-乾太郎さんの奥さん だそうです。(乾太郎さんと嘉子は それぞれ「子持ち」での「再婚」だったそうですが どうでしょう、ドラマに小田原は出てくる かなー?)

では受付をして 中へ。

↓輪切りの幹が埋められた印象的な土間。(←以前も書きましたが、現在は「床」として使われています。)


土間から東側のお座敷へ入ったところ。/掘りごたつには炬燵布団がかけられていました。

天板の上には『家庭裁判所物語』『遺想の人 三淵嘉子』など 三淵嘉子さんに関係する御本が。


又室内には 三淵家の娘-多摩さんの物という 大正時代のお雛様が飾られていました。

はんなりしたお顔立ちのお人形はもちろん 箪笥長持ちお膳ー 丁寧な造りで素晴らしい。

左手前をご覧ください、高砂人形です。

ひな人形の「一揃い」の中に高砂人形も入っていたようですねー。

南の縁側には_
忠彦さんからはひ孫にあたる 管理人さんのお雛様。

典雅なお顔立ちですねー。

↑おや、三人官女の下が 「七人雅楽」です。「珍しいですね」と申し上げたら管理人さん 「私はこのお雛様しか知らないものですから 五人囃子を知って驚きました」。へー^^)

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_と こんな 雛の頃 の甘柑荘で お茶を頂いたのです。
(↓掘りごたつのお部屋の北 がお茶室です。)


(↑時にこの欄間の「輪」の模様は ちょっと千家の替紋「ツボツボ紋」に似ていますが、管理人さんによると そういう意匠として作られた物かどうかは不明 との事でしたー)

(↑ついでに(先生から伺ったままを)申しますと こちらのお茶室の炉は「大炉」という 標準より大き目の炉で 裏千家流のものだそう。 / という訳で 欄間の「輪」模様も もしかしたら「ツボツボ」かもー)

(↑今回は「呈茶」という事で お座布団が用意されていました。 正座が苦手な私達には ちょっとアリガタイ^^;)
↓台の上のお花を拝見いたしましょう。


↑白い椿と赤い木瓜(ボケ)。/ 金の屏風の前の御所車の描かれた花器に寄り添って立って まるでお雛様のようですね^^)
↓小張先生のお点前が始まります。/ 集中いたしましょう。

 - - - 中略 - - -
↓これが 今回の主茶碗(オモヂャワン)。


↑渋谷泥詩という作家さんの 萩の筒茶碗。 ワイルドな手触りの でも強く「春」の香りを放つお茶碗です。
ああ、折角 撮らせて頂いたのに・・・ どうして古袱紗の上に置いて ちゃんと撮らなかったろうー。( 尚、 御菓子は 立雛の絵入りの懐紙に置かれた 両口屋の二人静とおかき でした。 全てご用意頂き 恐縮でございました。)

↓次客のお茶碗は 飴釉の筒茶碗。(とろりとしたキャラメル色^^)


お茶を頂きながら_
先生からは「耳庵さん(=松永安左エ門)のご本の中に 三淵さんの事も出てくるんですよ。戦後になって小田原へ来られた耳庵さんには 三淵さんは(地元にあかるく)頼もしい方だったのかもしれませんね_」
といった話を伺いました。(ほー)
_ 美味しいだけではなく 短いけれど豊かな時を過ごす事ができました。
(先生、半東さん、ありがとうございました。)

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帰りしな 東のお庭を少し歩かせて頂きました。

梅は そろそろ終わり・・・。

摘まれるのを待ちきれず(?)落ちた蜜柑。

思いのほかに広いお庭・・・ いや むしろ果樹園、でしょうか?


こちらでの暮らし、三淵家の皆さんは どんな風に楽しまれてたのかしらー。



<おまけ>
*縁台のみかん、管理人さんに「どうぞお持ちになって」と言われ 一つ頂戴しました。


三淵家の皆さんもこのみかん 召し上がったかもしれませんね? / で・・・帰ってから うっかり すぐむいてしまいました。そうだったー とれたてのみかんはスッパイんだったー! でも 失敗に気づいておそるおそる食べたから、かな? (脳がバリアを張ったか?) フレッシュでとても美味しい「濃い味」のみかんでしたよー^^)

*今回甘柑荘で頂いた資料。

↑「一、鴨 貳羽、右 両陛下から賜りました (中略)昭和24年12月26日、 侍従職」_ 皇室からのお歳暮 ですね?(スゴイ)
↓「妻は家の内を、私は家の外を、毎朝丹念に掃除する。」という『暮らしの手帳 第七号』への『衣、食、住の事』という寄稿文の中の文章そのままー のような どこかほほえましい忠彦さん静さんご夫妻のスナップ。

↑右下の写真は甘柑荘門柱前の三淵嘉子さんと(嘉子さんからはお姑さんにあたる)三淵静さん、ですね。


<反省>
ちょっと色んな話 一つの項に詰め込み過ぎましたね・・・/ お家の話と お茶の話、 分ければよかったかもー。。。