これからやっていきたい農業とは、どんなものか。
キーワードは
①自然栽培(有機栽培・協生農法)
②自家採種
③根圏微生物重視
④高効率化、自動化(パーマカルチャー)
人が何を食べていくべきかを考えた時。
自分の大切な人や子供たちに何を食べさせるかを考えた時。
一つの答えが、『自然栽培の農産物』だと思います。
ルッコラの花。家庭菜園でこそ見られる可憐さ。
①自然栽培(有機栽培・協生農法)
なぜ自然栽培なのか。
理由は単純!!その農産物として一番『いいもの』だと思うからです。
おいしさはもちろん!!栄養価や日持ちなど、品質の高さは断トツ!!
そして、『安心・安全さ』が他の栽培方法に比べて圧倒的です!!
この品質の高さは、「無肥料・無農薬」で野菜を栽培する事で得られます。
ケミカルな肥料成分や農薬成分を畑に入れないことで、野菜本来の成長を促します。
また、いくつかの病気の原因ともいわれる肥料・農薬を使わないことにより『安心・安全さ』が高まります。
「無肥料・無農薬」が自然栽培の一つの原則。
やっぱり、いいものを作りたいんです。
(もちろん、私自身が食べ物を変えてアトピーが改善した経験もありますが。)
北海道でも数多くの農家さんがこの栽培方法を実践しています。
また、石川県羽咋市など幾つかの自治体やJAがすでに自然栽培を推進しており、
従来の化学肥料と農薬を使用する「慣行農法」からの離脱が始まっています。
あと有機栽培についても、参考にしたいところがたくさんあります。
ただ、有機肥料の問題点が部分的にあるため、日本中の全有機栽培を肯定できないのが現状です。
協生農法というのは自然栽培に近いですが、畝の中に低木を植えるというのが特徴です。
これにより鳥や小動物を呼び込み虫の影響を減らせたり、天然の腐葉土や動物のフンが肥料となったりと好影響があります。
また、植物を多品種・密植で栽培する事も特徴ですが、これにより畝を一度作ったらそこを2度と耕さなくてもフカフカな土を維持できるという魅力的な面もあります。ぜひ参考にしたいところです。
②自家採種
高品質を目指せる自然栽培ですが、問題もたくさんあります。
成長が遅い、気候に合わない、雑草に負ける、などなど。
その対策の一つが自家採種です。
自家採種とは、読んで字のごとく自分で農産物の種子を採ること。
これにより
・種がその土地の気候に合わせて成長できるようになる。
・雑草に勝てる強い作物になる。
・おいしさが増す
などのメリットがあると言われています。
自然農法に自家採種を組み合わせることで、さらに品質が高まります。
最近法律(種子法・種苗法)が廃止・改訂され、種を取り巻く環境が変わりつつあります。
しかし、自家採種を続ける限りは現状関係ないことになります。
自分の農産物を保証するためにも、自家採種はしていきたいですね。
自家採種できる種。野口種苗の固定種。
③根圏微生物重視
また、この根圏微生物も重要です。
根圏微生物とは、植物の根の近く(根圏)に「共生」する細菌やバクテリアの事です。
植物は通常、この根圏微生物を通して養分を根から取り込むことができます。
特に『菌根菌(キンコンキン♪)』は菌糸を植物の根に「侵入」させ、菌根と呼ばれるものを作り出します。
この菌根を通じて、菌根菌と植物の間で養分の授受が行われることにより植物は成長できるわけです。
また、この『菌根菌(キンコンキン♪)』は異なる植物の根と根をつなぎ、『菌根菌ネットワーク』を作り出しています。
この『菌根菌ネットワーク』により植物間で水分や養分の受け渡しがされていると言われているのです。
また、植物間での『情報伝達』もされているともいわれています。
虫に食べられた株があったとき、他の株には虫が来ていることが伝わっていて、場合によっては防御反応をすることもあるとか。
この辺は現在世界中で研究中の領域ですが、菌根菌がいるのといないのとでは生育が全く違うことは確認されており、個人的にはとても面白い話題です。
もちろん、無肥料の自然栽培で植物の成長を助けるのには重要な考えだと思って注目しています。
ちなみに、化学肥料や農薬を使ったり、土を太陽光に露出させたりすると、根圏微生物は死滅していなくなります。
④高効率化、自動化(パーマカルチャー)
基本的に、農業でも工業でも接客でも高効率化、自動化は重要です。
自然の力を重視する自然栽培でもそれは同じです。
人がやる必要のない作業、機械に任せたほうが「正確」な作業は自動化するべき。
品質向上と時間短縮のせめぎ合い。
それ以外にも農園内の配置(どの作物をどこに植えるか),畝の形状、作業レイアウト、などなどやるべきことはたくさん!!
パーマカルチャーの考え方でも効率化というのが大きなテーマであり、土地の使い方や方角のとらえかたなど参考になります。
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これらのキーワードをとらえた農業をしていきたいですね。
実際に始めている人もいるので、参考にしたい。
あとは具体的に、
・何を作りたいか
・どこの、どんな土地で、どのようにつくりたいか
というのを決めていきたいです。
自分の「夢」である農業について