●五部浄(ごぶじょう)
(※画像は「仏教珍籍刊行会」発刊 『新纂仏像図鑑. 天之巻』より)
「観音二十八部衆」の中の一尊。
「五部浄居天(ごぶじょうごてん)」と同一かは不明。
五部浄居天とは色界四禅の聖者である自在天子、普華
天子、意生天子、遍普天子、光鬘天子の五尊のことである。
もし五部浄居天であれば、千手観音の信奉者を守護する尊
であり、千手経には『我れ梵摩三鉢羅、五部浄居、炎摩羅を
遣わし、常に受持者を擁護せしむ』とある。
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以上のような尊です。
――と、参照した本では上記程度でしたが、ネット上には
五部浄居天(※)と同一という前提の下でもっと情報がありまして・・・
※五部浄居天(ごぶじょうごてん)とは、色界第四禅天に住む5人の聖者の総称
・・・・ですが、こちらの尊もこれ以上の情報は無いようです。
古代インドの神々が仏法に帰依し、それを守護するべく
釈迦如来の八部衆、または天龍八部衆となった中の一尊
ということのようで、閻魔天と同一視する場合もある様子。
また、像は「象頭の冠」を被った姿に模されるようですが、
東京国立博物館にはその面が文化遺産として所蔵されて
いるようです(↓)。
(※画像は「文化遺産オンライン」より)
(東京国立博物館 所蔵 『行道面 五部浄居天』)
ちなみに、
だとする説を唱える方もいるようで判然としません。
一方、「炎摩羅」は「焔摩天(閻魔大王)」のことです。
ご利益は千手観音の信奉者、もしくは釈迦如来の
信奉者に限っては「守護」でしょう。
いずれにしましても、真言も印も不明です・・・