28(195)木蓮の自分探しの手記1【SOPHIA裏切りの花】 | (注)†LILIUMの秘密の花が綻ぶログ†妄想小説は伏線を張り巡らせているのでテーマから①から投稿順にお読み下さい

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このブログではTRUMPシリーズの気になった点や
妄想を交えた仮説を中心に書いて行きたいと思います



ゼラニウム「我々は散々木蓮が書き残してきた研究資料を目にして来たが
                     木蓮本人の事を記した文書を初めて目にする」

そうだ我々は永遠の命を持った吸血種を捜す旅をしているのであって
木蓮の日記を読む事ではない

しかし何か手懸かりが欲しい
藁を掴む思いでここに来たのだ
そして木蓮に対してソフィに血を吸われていて生き残ったと云う不可解な点を解明出来るかも知れないのだ

こんなに期待と不安の混じった手記を見るのは初めての経験だが
早速読んでみよう


『僕は椿木蓮

      これは僕の本当の名前かどうか分からない数年前以前の記憶が無いからだ
    だからと言って今の僕は忘れたい忌まわしい記憶に満ちている
    もう忘れる事は出来ない…

    世界の終わりが来ようとも…
   誰か僕を消して欲しい』


ゼラニウムはこの意味不明な序文に頭を悩ませた


『この僕
     木蓮の始まりの記憶
      それは立派な屋敷に居た
      全ての記憶が失われていた僕は   
        話す言葉も話す意味すら分から無かった

     そんな僕に与えられた物は紙とペンだった
     世話をしてくれる屋敷の主や家族や使用人達は絵や文字で説明した
      話す言葉や単語を教えてくれた

       僕はやっと理解した
      こうやって人に物を伝えるのか

     切っ掛けを掴んだ僕はメキメキと言葉を覚えた

     そして絵を描く楽しみも覚えた
      僕が描く絵を見て喜んでくれるから
       僕も嬉しくて次々描いていた
    屋敷中は僕の絵で溢れ
      家族達は笑顔に包まれて居た
      このまま永遠に絵が描けたら良いのにと思って居た

      やがて僕は正式に椿家の養子に迎え入れられ家督を継ぐ資格も与えられた
      椿家の家族からは立派になったと祝福された

     僕は血盟議会の会議室に呼び出されそこで父の友人のダリア様と謁見した
     血盟議会の管理する
     監獄クランの看守の任を命じられた
    最初は嫌だったが
    僕を拾ってくれた主人の家系の大事な仕事だから
   恩返しのつもりで働いた
   暗い監獄は辛かった
   ここには行き場の無い世の中から弾かれたダンピール達が大勢収容されて居た

   その監獄の地下牢に一際不気味な骨と皮のまるでミイラの様に干からびたヴァンプが居た


   こんなになってもまだ生きている為に拘束されているのだ
   噂で聞いた事が有るがこれがFALMPか
  永遠の命を持ったヴァンプ

  しかしこれでは生きる屍…
   こんな姿になっても死ねないとは哀れで成らない

    僕がここに来てから2年が過ぎた頃
    いつも見慣れた骨と皮のヴァンプが鎖から解けて崩れ落ちた

   そのままにしては置けないから鎖を直しに牢屋へ入った
    そして鎖を直そうとした矢先骨と皮のヴァンプが覆いかぶさって来

       僕は慌てて逃げようとしたが何故か逃げる事が出来無かった


     その刹那激痛に襲われた首筋を噛まれたのだ

   そしてそのまま僕は意識を失った



    しばらくすると暗闇の中で淡い光を放つ美しいヴァンプが目の前に立って居た

    キーーンと云う耳鳴りがして
    気が付いたら僕はひざま付いて居た
   彼は  自身を【ソフィ-アンダーソン】と名乗られた
   生涯の主として忠誠を誓う事になった

   僕はソフィ様と共に監獄クランからの逃亡を謀った
    途中に門番に立ち塞がれる物の
    ソフィ様は門番のイニシアチブを掌握して仲間に入れた
    それがシルベチカだ

    僕達は森を抜けて何百年、誰も入った事の無い城へ辿り着いた

    その城を「ソフィ様は僕達の新しい家だ」と言って僕達はそこで暮らす事になった

   そしてソフィ様はその城の主になったので
   彼の事を僕とシルベチカは【御館様】と呼ぶようになった

  僕達は荒れ果てた城を綺麗に片付けて花を植えて庭園にした

  シルベチカは庭園を手入れをする庭師となり
  僕は絵が得意なので美しい庭をスケッチする事にした
   
  楽しい日々を過ごす中でふと御館様が怪訝な顔で僕達に旅に出るとおっしゃった

   御館様は無理矢理TRUMPに永遠命を与えられた
  云わばTRUMPの被害者だ
   たったそれだけの云われ知らぬ事を罪として永遠の咎人として追われる身となり
  捕まり200年も幽閉されていたのだ

   { 云われ知らぬ冤罪 }
  そを打開する為の旅にお供をした

  そして旅の最中 御館様は僕のかつての主ゼラニウム様の後ろ盾を得ました
  そして御館様様はゼラニウム様を友として城に招かれました

   ゼラニウム様は城を案内する過程で訪れた城の地下で死体を発見し
  その事件性を重んじて血盟議会に報告するために
   案内人として御館様を連れて調査の旅に出発されました』


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ゼラニウム「木蓮は椿家の養子だとは聞いていた記憶喪失者と云うことか・・
     それも重度の症状で苦労した様だな
       その後は私も関わって居た事ゆえ概ね事実を綴っているのだろう
     では続きを見てみよう」