1(156)一人ぼっちのダンピール*【SOPHIA勿忘草】シルベチカの日記 | (注)†LILIUMの秘密の花が綻ぶログ†妄想小説は伏線を張り巡らせているのでテーマから①から投稿順にお読み下さい

(注)†LILIUMの秘密の花が綻ぶログ†妄想小説は伏線を張り巡らせているのでテーマから①から投稿順にお読み下さい

このブログではTRUMPシリーズの気になった点や
妄想を交えた仮説を中心に書いて行きたいと思います

 


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『私の名前はシルベチカ

何処かの古いお城の庭師をして居ます

私はお館様に拾われたお陰で今が一番幸せです
この幸せを忘れたく無いから毎日欠かさずその日の出来事を日記に書いてます。

と云うのも
私はダンピールだからここに来るまでは
とても幸せとは云えませんでした


私の母は代々ダンピールの家系で
ヴァンプ社会で常に迫害を受けたそうです

そのヴァンプの里は
ヴァンパイアハンターのヴァンプ狩りの襲撃で
ヴァンプやダンピールが皆殺しに狩られて行きました

しかし一人の若き英雄のヴァンパイアハンターのドルフが
一人のダンピールの少女ベルタをかばい殺すのを止めさせ
自分が責任を持つからと引き取り人間の里に連れ帰った

やがて二人は恋をして結婚をしました


やがて母は父の子を身篭り

母が16歳の時にこの私、〔シルベチカ〕を産みました


ヴァンパイアハンターで有る父は
ダンピールの妻と子を持つ異端の者として責めを受け
やがてヴァンパイアハンターを追放され
失意の中、
人知れず自殺をしてしまいました
そこには一輪の勿忘草と
[私を忘れないで]と一言のメモが遺されてました

ダンピールの母は迫害をされても我慢強く愛情と礼節を持って厳しく私を育ててくれたのです

しかし私が幼い頃
母はダンピールの繭期を急に発症し激しい発作で22歳の若さでこの世を去ってしまいました

[血盟警察]と名乗る役人達が母の遺体と遺品の全てを回収して行き

私の手元に遺ったのは
肌身離さず懐にしまっていた家系図だけ


私はダンピール故に引き取り手が無い孤児として
修道院の孤児収容施設に送られた

そこでもダンピール故の差別でいつも一人ぼっちだった

でも私は寂しく無かった
修道院の庭の草木が私の友達だから
私は草木に話し掛け歌聴かせたら
優しく微笑んでくれた
だから私は夢中で庭の草花の世話をしました
その時間だけは幸福な大切な一時だった

私が13歳の誕生日に激しい発作と共に繭期の症状が表れて

血盟議会を通じて私はヴァンプの里のクランに送られる事になった



私を乗せたその馬車を見送るのは
人々の罵声と馬車にガンガラと叩きつける投石の振動だけだった
誰も私を慈しむ者は居なかった』