「お嬢様、御館様のお帰りです」
百合子のじいやが知らせに来た
「お食事の用意も出来ておりますので
お客様もお嬢様とご一緒にお召し上がり下さいませ」
「分かりましたわ。じいや
リリーお父様を紹介するわね」
「ユリコ、貴女のお父様って私の事どう思うかしら」
「そうね、リリーは私と同じ顔だからきっと戸惑うでしょうね?」
「それはそれで気まずいけど
貴女のお父様はヴァンパイアハンターだから…」
「それは心配要らないってさっき言った筈よ
それより、ねえリリー?
服を取り替えっこしたこの姿で悪戯しましょうよ」
「悪戯?」
「そうよ悪戯よ
貴女は私なのよ
リリーが娘の百合子を演じてお父様を驚かせるのよ」
「でも、怖いな」
「平気よ!
さあ行くわよ!」
「ちょっと待ってってば~」
百合子は私が失った感情の全てを持つもう一人の私
天真爛漫な百合子と触れ合うと
リリーの壊れた無感情な心を修復してくれる もう一人の私
この関係を壊したく無い
と強く願った