百合子と瓜二つの私が百合子の服を着て
百合子のお父様をビックリさそうとイタズラを計画した百合子だったんだけど
吸血種の私は恐ろしくて扉の向こう側に行く最後の一歩が出ない
「ほら、お父様よ 早く私の振りをして
『お帰りなさいませお父様』よ。さあ頑張って 」
「う、うん…でも」「ほら、行った行った~!!」
《ドン!!》
「ウワッとと……」
百合子の悪ふざけからドンと押された勢いで私はヴァンプの天敵とされる
ヴァンパイアハンターと対峙してしまった
極度に緊張していたがニコッと微笑み
スカートの両端を軽くつまみ上げておじぎをペコリ
「お帰りなさいませお父様」
言われた通りに振る舞った
「百合子、只今帰ったよ
我が娘ながら以何見ても美しいな~
あ、お客様か
いらっしゃいお嬢さんゆっくりして行ってね」
百合子のお父様は全然気が付か無かったが
異様に緊張感の有る我が娘(本当はリリー)と
クスクス笑ってる客人(百合子)に
何かが変だと違和感を覚えた所で
百「お父様。百合子はこっちよ」
客人だと思ってたお嬢さんが実は娘の百合子だと種明かしをした
「え?百合子?
じゃあこっちのお嬢さんは · · ·?」
目を真ん丸に驚いた百合子のお父様は私の顔を間近でジロジロ見て
「君は一体? · · ·
娘そっくりなんだが · · · 」
リリ「は、はじめまして、おじ様、
わ私はリリーって云います
お邪魔させて貰っています」
父「君はリリーっ云うのか…?君も娘と同じ名前に百合…
これもウロボロスの因縁か · · · 」
彼は私の姿と名前で何かに気付いて居るようだった
ユ「お父様、私達さっき外で偶然出逢ってお友達になったのよ
双子じゃ無いのに双子みたいで不思議でしょ?」
父「うーむ · · · 全然気が付かなかったな · · ·
それもそうだが百合子、お前の着てる服は何だ?
ここら辺では見慣れ無いが
どうしたんだ?」百「この真っ白なケープのお洋服はリリーの物よ
可愛いでしょ」
クルッとターンしてスカートをふわっと靡かせて見せた
父「ああ、そうだな
しかしリリー君?
君は娘によく似ては居るが
肌は色素が薄くアルビノ系で目もほんのり赤い…
そして微かな血の匂い…」
「君は吸血種だな」
》ビク!《
身体が震えて硬直する
声も出せない · · ·
どうしよう · · ·
私は狩られるの??
永遠の命が有ってもその恐怖は変わらない
幽閉されていた永遠の地獄の記憶で
体内の血が冷たくなって行った